目次
情報共有に必要な4つの機能
フリーランスや個人事業主である場合、または副業を在宅勤務で行う場合、発注者やお客様との連絡や情報共有をどうやって行うのか?が問題になります。最近ではクラウドを活用した様々なサービスがあり、これらを組み合わせて仕事を進めていくというのが一般的になっています。
この記事では頻繁に必要になる次の4つの機能について、特に「無料」で使えるサービスに絞って確認します。
- チャット(メッセンジャー)
- ファイル共有
- スケジュール管理
- Web会議
サービス事業者の選択
クラウドを使った各種サービスは多岐にわたっており、様々な事業者がサービスを提供しています。これらのサービスの中には、残念ながらある時突然に「サービス終了のお知らせ」となってしまう場合があります。こうなりますと、これまでの蓄積してきた資料が最悪の場合喪失となる可能性があります。従って、事業者を選ぶときはある程度名の通った「大手の」事業者を選ぶ方が無難です。本記事もそのような観点から事業者を選んでいます。
チャット(メッセンジャー)
発注者やお客様と何か確認したいことがあるとき、昔は(場合により今でも)電話する、というのが一般的でした。しかし現在ではメールまたはチャットの方が主流です。電話では相手を邪魔してしまうということで敬遠する人が増えているのです。チャットであれば手軽ですし、手が空いた時に返事すれば良く、インフォーマルなやりとりの手段として普及しています。
チャット(メッセンジャー)については下記の4つのサービスをよく聞きます。
チャット 機能 | Chatwork | Facebook メッセンジャー | Slack | マイクロソフト Skype |
メッセージ | できる | できる | できる | できる |
グループ チャット | できる (無料では14グループまで) | できる | できる | できる |
オンライン表示 | なし | あり | あり | あり |
アプリ 通話 | 無料では1対1のみ | できる (無料) | 無料では1対1のみ | できる(無料) 外部とは有料 |
このうちChatworkのみが日本製で副業用として個人的に使わせていただいています。Chatworkだけオンライン表示(今すぐ連絡可能かどうか示す印)ができないのは、「あえて機能を提供していない」そうで、そういうところが好きだったりします。基本的な機能は大体どこも一緒ですが、音声通話やビデオ通話については出来る内容がばらけています。1対1しか話さないのであれば、ChatworkかSlackでも十分でしょう。
「LINEを使えば?」と思う方もいるかもしれませんが、自分の知る範囲ではLINEは個人用(家族や友人用)として仕事で使わない人のほうが多いようです。
ファイル共有
ExcelやWord、PDFなどのオフィス文書の共有は重要です。チャットメッセージやメールへの添付でのやり取りでも最初のうちは良いのですが、そのうち必ず混乱してきます。相手とファイルの置き場所やフォルダーの構成について打ち合わせて、お互い最新のものを使うようにしましょう。
ファイル共有をクラウド経由で無料で行う場合は次のサービスが代表的なものです。
ファイル共有 | Chatwork | Google Drive | Dropbox | OneDrive |
共有リンク 作成 | 参加メンバー のみ共有可 | できる | できる | できる |
容量 | 無料で5Gまで | 無料で15Gまで | 無料で2Gまで | 無料で5Gまで |
スマホアプリ からアクセス | できる | できる | できる | できる |
なんといってもGoogle Driveの無料15GBの容量がとびぬけています。人により仕事により必要となるデータ容量は異なるでしょうから、適宜判断して1つまたは複数のサービスを用途別に使い分けたりすると良いでしょう。
私の場合は、仕事のドキュメント類はGoogle Driveを使った共有を行い、個人のプライベートなドキュメントはOneDriveへ保存しています。DropboxはWebサイトのバックアップ用、Chatworkはメッセージ添付のみ、という利用方法です。
スケジュール管理
スケジュール管理はそもそも「紙」の手帳などを使わないことです。紙には紙の良さがあるとは思うのですが、分散された環境で仕事をしていくことを前提にすると、どうしてもオンラインツールによる管理で、発注者やお客様・その他のチームメートと予定を共有する必要があります。
オンラインツールによる場合でも、スケジュールは仕事用のほかに、個人のプライベート用、副業がある場合は副業用、など複数の予定を同時進行で管理しなければなりません。それぞれにツールを分けるのも現実的には面倒なので、できれば1つのツールで、かつ、必要な人に必要な情報だけ共有したい、ということが課題となります。「子供の卒業式」などの予定を仕事の予定表で公開しても意味がないからです。
共有可能で無料で使えるスケジュール管理ツールとして、次の4つを検討しています。
スケジュール管理 | ジョルテ | Googleカレンダー | Outlook.com | Zoho Connect |
複数のカレンダー | できる | できる | できる | できる |
外部公開 | できない | できる | できる | できない |
スマホアプリ からアクセス | できる | できる | できる | できる |
仕事用、個人用、副業用などの複数のカレンダーについてはいずれも実装可能です。私の場合は、Outlookの予定表(無料のOutlook.comではなくOffice365のOutlookですが)を仕事用として、個人用・副業用についてはGoogleカレンダーを使っています。すべての予定はOutlookの予定表の上で統合して見れるようにしていますが、自分以外の仕事の同僚は当然ですが個人用・副業用の予定を見ることはできません。
個人用・副業用はGoogleカレンダーの外部公開の機能を使って、インターネット上に公開しています。ただし、「予定あり」かどうかだけを表示しており、その内容は公開していません。外部の方はこれを確認することで、時間が空いているかどうかだけを確認することができる、という訳です。下記のページに表示されていますので、どんな見え方なのか参考までご参照ください。
今回調べていて、私は使ったことが無いのですが「ジョルテ」もかなり良さげに見えます。日本製ならでは痒い所に手が届く感じが良いです。チーム内のスケジュール管理なら十分使えるでしょう。
Web会議
在宅勤務など分散環境の仕事の場合、「会議をどうするのか?」の問題があります。「会議しない」が基本の答えですが、まったくゼロという訳にもいかないでしょうし、提案や仕事の結果をプレゼンすることもあります。
このような場合便利なのがWeb会議システムです。かつては高額なサービスでしたが、最近では無料で使えるものが出ています。各社の無料プランは次のとおりです。
Web会議 | Chatwork | Zoom | appear.in | Skype |
ビデオ 通話 | 1:1のみ | グループでは 40分まで | できる | できる 10人まで |
画面共有 | 1:1のみ | できる | できる | できる |
録画 | できる | できる | できない 有料版でできる | できる |
無料版では会議が1対1であれば各社とも違いは無く、画面共有も含めて可能となっています。数名のグループになった場合は、時間や人数に制限が出てきますので注意が必要です。
Web会議では録画機能もかなり重要です。単に議事録起こしのためというより、欠席者に後日見てもらったり、いわゆる「言った言わない問題」を避けるための記録としても使えます。
また、上記のうち「appear.in」はユーザー登録不要なので、相手に事前準備のお願いができず、急に会議する必要が出た場合などに便利です。ただし英語版しかありません。
まとめ
リスクを抑えて小さく始めるという意味では「無料」サービスの活用は有効です。上記のサービスの特徴を踏まえて選択されると良いでしょう。ただし、無料にはリスクもあることをご理解ください。先日も人気グループウエア「サイボウズLive」のサービス終了が発表されました。
サイボウズLiveは無料で使える人気のグループウエアで、上記のような各種サービスが利用出来ましたが、2019年4月15日でサービス終了となりました。利用者が相当多かったであろうサイボウズLiveでさえもサービス終了してしまう、ということで無料ツールの危うさを感じざるを得ません。
従って、ある程度利用頻度が増えて依存度が高まってきたら、有料プランへの変更も検討しましょう。有料プランのほうが機能制限もなく、しっかりペイする可能性もあります。また、冒頭にも書きましたが、この世界は変化が激しいので「寄らば大樹」による安心という面もあります。
その意味では、個人的なお勧めはマイクロソフトの「Office365」を中核に据えることです。WordやExcelといったオフィスソフトに加えて、上述のOneDrive(1TBまで)、Skype、Outlookといった各種クラウドサービスを利用することができます。そしてその他の無料サービスを補完的に使うと良いでしょう。
有料プランでは、個人事業主やフリーランスの場合、ビジネス向け「Office 365 Business」(月額900円。税抜き)から、または個人向け「Office 365 Solo」(月額1274円。税込み)から、となっています(記事執筆時)。ただし、Businessのほうはビジネス向けということで、個人用で使っていた「outlook.jp」のアカウントを引き継げないので、ご注意ください。
この2つのその他の違いや、Office 365 サービスに関する最新の情報は以下よりご参照ください。
以上、クラウド初心者向け。個人事業主やフリーランスが発注者と情報共有する方法(無料で)、という話題でした。情報共有で業務の効率アップをしたいけどよく分からない!という方は「30分コンサルティング」よりご相談承りますので、下記よりご連絡ください。
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