この記事は「よくテレワークとセットで導入されるビジネスチャットツールにはどんなものがありますか?できれば無料で始めたいのですが」といった疑問に答えます。
目次
中小企業にもビジネスチャットツール導入が進む
新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワークの浸透で「ビジネスチャットツール」の必要性が高まっています。
ビジネスチャットツールとは、日本で言えば LINEのようなテキストメッセージのやり取りを行うもので、 LINEが主にプライベートの友人や家族との会話であるのに対して、ビジネスチャットツールは職場の同僚や上司とのやり取りに使うものです。
相手に迷惑かもしれない電話ほど重くなく、メールを使うよりも手軽で扱いやすいことから活用が広がっています。
ビジネスチャットツール自体はもう何年も前からありましたが、ITベンチャーのような若い会社や大手企業で主に使われていました。 今後はテレワークを背景として、中小企業など規模の小さな会社・事業所にも導入が進むと考えられます。
そこで今回は代表的なビジネスチャットツール4つについて、比較して紹介します。そのポイントは「無料」でできることです。どのツールにも無料版がありますから、無料版でどこまでできるかという観点で説明します。
無料で使えるビジネスチャットツール4選
比較する4つのビジネスチャットツールは以下の通りです。
- Microsoft Teams(チームス)
- Slack(スラック)
- Chatwork(チャットワーク)
- Typetalk(タイプトーク)
以下に説明します。
無料でできること比較表
4つのビジネスチャットツールが無料版でどこまで出来るかまとめた表が以下のものです。詳しい説明は不要な方は、この表だけ見てざっくり理解していただければと思います。
Microsoft Teams | Slack | Chatwork | Typetalk | |
チャット | 無制限 | 10,000件 まで | 14グループ まで | 10ユーザー まで |
ファイル 共有 | できる | できる | できる | できる |
ストレージ量 | チーム用10GB 個人用2GB | 合計5GB | 合計5GB | 1ファイル 最大1GB |
マルチ デバイス | サポート | サポート | サポート | サポート |
オンライン 会議 | 音声 ビデオ | 音声 ビデオ | 音声 ビデオ 1対1まで | なし |
他ツール 連携 | Office | Google Office 10個まで | 利用できない | Backlog (プロジェクト管理) 他 |
その他 | 利用者は Microsoftアカウント が必要 |
Microsoft Teams(チームス)
Microsoft TeamsはマイクロソフトがMicrosoft 365の製品群の一つとして提供しているビジネスチャットツールです。
元々は有料で Microsoft 365を契約した場合にのみ利用することができましたが、昨今のコロナ問題を受けて無料の利用者にも開放されています。 Microsoft アカウントの作成が最低限必要ですが、それさえあればTeamsも使うことができます。
上の表のとおりTeamsは無料にもかかわらず、有料版とほとんど変わらない機能を提供しています。さすがはマイクロソフト、太っ腹です。
セキュリティやストレージ容量で制限がありますが、中小企業が初めてビジネスチャットツールを導入するというときにはほとんど支障がないでしょう。
Teamsは元々オフィスの一部ですから。Excel や Outlook といったオフィスツールとの連携性が非常に良く実務上も使いやすいです。一番最初にお勧めできるのがこのTeamsです。
Slack(スラック)
SlackもTeams同様に米国発のビジネスチャットツールです。世界中にユーザーが非常に多い人気のツールです。
Slackの場合、無料版ではチャットの数に制限があり全体で1万件までとなっています。もちろん1万件を超えるほど社内で浸透すれば、有料版を契約してもペイすると思いますが、無料にこだわるのであればここは少しネックとなるところです。
Slackの良い点は Google サービスとの連携の良さです。普段使い慣れている Gmail のようなツールと連携して使うことで威力を発揮してくれます。
Chatwork(チャットワーク)
Chatworkは、和製のビジネスチャットツールです。このため使い方などの日本語ヘルプや各種メッセージがわかりやすく、日本人が扱いやすいです。
ただし、Chatworkの場合、無料ではチャットグループが14までという制限があります。このため社内で利用が広がってくると、有料版に転向せざるを得ないでしょう。
あくまで無料版はお試し版として使い勝手を確認するためのもの、ということになります。また、TeamsやSlackでは無料でも多人数でのオンライン会議が可能ですが、無料版Chatworkでは1対1のオンライン会議に制限されます。
Typetalk(タイプトーク)
Typetalkも日本初のIT企業「ヌーラボ」が手がけるビジネスチャットツールです。前述の比較表を見ていただくと、無料版Typetalkは他のビジネスチャットツールに比べて見劣りする感じがしますが、個人的には中小企業向けビジネスチャットツールとしてかなり良い選択肢なのではないか、と考えています。
その理由は無料版で10人までがチャット制限なく利用でき、ストレージ容量制限も添付ファイル一つあたり1 GB ということで実用上十分であるからです。
オンライン会議や他ツール連携といった華々しい機能がありませんが、10人程度までの小規模な事業所にビジネスチャットツールとして導入するには、むしろシンプルで扱いやすい印象があります。オンライン会議についてはZoomなどその他の無料ツールもありますので、特に問題ないでしょう。
中小企業にとって必要かつ十分なビジネスチャットツールであるとしてお勧めできるものです。
まとめ
もし無料でビジネスチャットツールの導入を検討されている中小企業が、既にMicrosoft 365を定期契約しているのであれば、使うべきツールはTeamsの一択でしょう。なぜなら追加料金なしに有料版Teamsを使うことができるから、です。
Microsoft 365未契約で、かつ、無料のビジネスチャットツールを導入したいということなら、TeamsまたはTypetalkをお勧めします。
以上、無料で使えるビジネスチャットツール4選、という話題でした。もちろんビジネスとして適切な投資なら「無料」にこだわる必要はありませんし、むしろ最初から有料版でしっかりしたものを契約する、という考え方もあります。その一方で、こういったITツールは社員になかなか浸透しないという面もあり、まずは無料から入って社員の活用を促す方が良いと考えます。
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