【インボイス制度】シンプル経理ツールが2割特例に対応しました

エクセルでできる無料の経理ツールとして「シンプル経理ツール」を提供してから数年が経ちました。

この間機能アップや消費税の改正をフォローするためにアップデートを重ねており、現在ではバージョン3を無料で提供しておりますが、今回「インボイス制度」の開始に合わせて有料のプロ版をバージョン4.1にアップデートしました。

それぞれのダウンロードは以下のページより行って頂けます。

無料版「シンプル経理ツール3」

有料プロ版「シンプル経理ツール4.1」(2,200円)

プロ版バージョン4.1では「インボイス制度」の導入で新たに追加になった「2割特例」の計算に対応しています。

2割特例とは

2割特例とは、本来なら消費税の免税事業者だったはずの事業者(法人や個人事業主)がインボイスを発行するためにやむを得ず課税事業者となった場合に選択できる計算方法です。

これまで免税事業者だったとしてもインボイス制度に登録すると自動的に課税事業者となり、消費税を申告して納付する必要があります。この負担が重すぎるということで反対運動が起きたため、国税庁が次善の策として2割特例を期間限定(令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間に限る)で導入しました。

2割とは何の2割かというと「預かった消費税」の2割です。本来仕入により40円の消費税を払い、それを売って100円の消費税を預かったのであれば、差額の60円を国に払いますが、100円の2割(つまり20円)で良いですよ、という制度です。

1年間が終わると通常は原則または簡易課税の計算方法により消費税の計算をしますが、その場合の納付額と「預かった消費税」の2割を比較して少ない方で良いですよ、という国としてはかなり妥協した内容になっています。

ただしそもそも課税事業者という場合は2割特例を選ぶことはできません。あくまで泣く泣く課税事業者になってしまった方向けの緩和措置です。

2割特例を使うには

2割特例を使う場合は申告書第1表の以下赤枠のところに〇を入れて、「付表6」という追加の付表を添付します。

新しい「付表6」のテンプレート

この付表6で「預かった消費税」の2割の金額を計算して第1表の控除対象仕入税額にする、というのが大まかな流れです。

シンプル経理ツールでの実装

シンプル経理ツール4.1でどのようにこれを実装しているかは以下のビデオで説明しています。

簡単に言えば、これまでの原則課税または簡易課税の申告書(4つ)に新しい付表6を追加して、自動で計算するようにしています。

原則課税計算用の各タブ

簡易課税計算用の各タブ

「消費付表6」タブの記入例

ブルーの箇所以外は自動計算されますので紙に数字を転記するだけです。

「シンプル経理ツール」の利用者にはやむを得ず課税事業者になった方が多いかと思います。是非このバージョン4.1を使って2割特例を活用するようにしていただければ幸いです。

シンプル経理ツールの紹介動画

過去に作成したシンプル経理ツールの紹介動画を以下にまとめて掲載しておきます。参考になれば幸いです。

シンプル経理ツールのダウンロードはこちら

無料版「シンプル経理ツール3」

有料プロ版「シンプル経理ツール4.1」(2,200円)

消費税はやっぱり税理士に依頼したい、という方は以下も見て頂ければ幸いです。

お問い合わせはこちらよりお願いします。