【小さなビジネス応援】売上アップのための正しい営業のアプローチとは?「ビールの売り子理論」で分かりやすく解説

野球場

「ビールの売り子理論」をご存知でしょうか?おそらくご存知ないでしょう。なぜなら、今自分が考えたばかりですから。「売上アップ」のために「営業を増やしたい」と考える経営者があとを絶ちません。だけど、それが本当に正しい打ち手なのか、考えて頂く助けになればと思い、「ビールの売り子理論」を使って説明をします。



「ビールの売り子理論」とは

例えば、あなたはビール販売会社の社長で、今度新しく野球場でビールを売ることになったとします。野球場は5万人収容のスタジアム、試合はいつも5万人の満員御礼状態です。まず、あなたはバイト1人を売り子として採用して販売することにしました。バイトが1人で1試合に販売できる量は100杯が限度です。それ以上はタンクが大きくなり過ぎて運べない、とします。

最初の試合が終わったところ、その売り子は100杯を完売しました。社長であるあなたは「売上アップ」したいと考えます。どうするでしょうか?当然、売り子を増やしますね。2人目の売り子を雇い、次の試合に投入しました。すると、2人とも100杯を完売して、売上は倍増しました。100%成長です。

社長であるあなたはもっと「売上アップ」したいと考え、売り子をどんどん増やします。そうするとどうなるでしょうか?直感的に下図のようになることが予想されます。



飽和曲線

売り子の人数が少ないうち([A]のあたり)では、売り子の人数に比例して売上が伸びますが、やがて比例線(オレンジ線)から乖離しはじめ([B]のあたり)、やがて推定される上限に達すると、それ以上は売上は伸びなくなるでしょう([C]のあたり)。このような曲線を「飽和曲線」といいます。



市場は飽和曲線に従う

この飽和曲線を描くのが「ビールの売り子理論」です。要するに売り子の数をいくら増やしても、一定の市場規模で飽和してしまい、それ以降は「売上アップ」に貢献しません。5万人の野球スタジアムであれば、5000から10000杯くらいが1試合で売れる市場規模ではないでしょうか?観客の中には子供や私のような下戸もいますので、意外と少ないはずです。また、競合(別のビール会社)の参入によって予想より早く飽和することも考えられます。



「営業を増やそう」は危険な誤り

経営者でこの理屈が分からない方がけっこういます。市場は無限で飽和しない(オレンジ線を妄信)と思い込んでいたり、現在[A][B][C]のどの地点にいるのか理解できていないために、「営業を増やして売上アップしょう!」と言ってしまうのです。

特に[B]のあたりにいる場合が危険です。今まで([A]のころ)順調に伸びていたのに、なんで伸びないんだろう?「もっと営業を増やせ!」となりがちです。そうするとどうなるか?人件費による固定費増大で限界利益(売上から変動費を引いいた利益)があっという間に消し飛びます。そして急速に経営が悪化していきます

[B]や[C]に来たら、「売上アップ」の打ち手は一般的に「付加価値の増大で単価を上げる」方向性となります。もう数は出ないので、高く売る方法を考えるのです。また在庫削減などコストダウンと利益管理を追求します。「売上アップ」のために安易な値引き販売をしていないか、しっかり手綱を締めることも必要です。



まとめ

このように「売上アップ」のために「営業を増やしたい」と思ったら、現在[A][B][C]のどの地点にいるのかを冷静に考えましょう。どの地点にいるか分からなければ、私のような外部のコンサルタントと一緒に考えるのも一手です。その上で、次の施策を考えるようにしましょう。


以上、売上アップのための正しい営業のアプローチとは?「ビールの売り子理論」で分かりやすく解説 、という話題でした。



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