この記事は、「給与計算などの人事労務業務が面倒すぎます。アウトソーシングやクラウドサービスの利用を考えていますが、どちらが良いでしょうか?」といった疑問に答えます。
目次
アウトソーシングとクラウドサービスではどちらが最適か?
事業で人を雇うようになると、本来の仕事に加えて人事労務関連の仕事が追加されるようになります。例えば、給与計算、勤怠管理、入退社手続き、などなどあります。
こういった「面倒な仕事」をどう処理するか、事業を経営していくうえで、誰でも直面する問題です。
以前であれば、人事労務関連業務は「アウトソーシング」する、というのが一般的でしたが、最近ではもう一つの選択肢として「クラウドサービス」を使う、というものがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、それぞれの事情に合わせて判断することになります。そこで今回はアウトソーシングとクラウドサービスそれぞれにどんな特徴があるか整理してみます。
人事労務をアウトソーシングする
(1)メリット
最大のメリットは何と言っても「丸投げ」に近い状態にできることです。とは言っても、通常は社内の人事労務担当者をゼロにはできませんので、事業主(社長)が兼任したり、経理や総務と兼任の人を社内担当者として最低1人置く場合が多いです。
人件費の負担が軽減され、専門知識や法律の改正に追従して勉強する必要もないので、負担の解消という意味ではメリットが大きいものです。
また、給与計算、勤怠管理、入退社手続きといった様々な業務を一括で受けてくれるところを選ぶとさらに負担が軽減されます。
(2)デメリット
メリットが大きい分、コストが高くなります。
アウトソーシング業者の料金体系よりますが、通常は基本料金に従業員1人あたりの料金をプラスして計算します。給与計算だけであれば従業員1人当たり月額1,000円くらいが相場です。
これにタイムカードの回収やデータ入力、給与明細の印刷納品、有給管理などの周辺業務をオプションとして追加していくと、さらにコストが上がっていきます。結果的に従業員1人あたり月額2,000~5,000円くらいが相場ではないでしょうか。
さらに毎月定期的に発生しない業務(年末調整、入退社手続きなど)もアウトソーシングすると別料金がかかります。
(3)アウトソーシング業者の選び方
このようにアウトソーシングでは「どの業務を業者にお願いするか」の選択と、「その費用」とをよく検討する必要があります。自社で行う場合にはその分の人件費が固定費としてかかりますので、「変動費 vs 固定費」のシミュレーション計算が欠かせません。
アウトソーシング業者は世の中にたくさんありますので、それぞれの業者のサービス内容と料金見積をとって比較検討するしかありません。業者を一つ一つ選ぶのは大変ですから、希望条件や要望を満たす業者に一括でお問い合わせできるサービス(一括.jp)を使うと便利です。
以下より一括して問い合わせが可能です。完全無料のサービスです。
人事労務をクラウドサービスで行う
(1)メリット
アウトソーシングとは反対に「コストが安い」ことがクラウドサービスのメリットです。
クラウドサービスには、「人事労務freee」、「マネーフォワードクラウド給与」、「SmartHR」等がありますが、例えば「人事労務freee」の場合、最も廉価な「ミニマムプラン」で年額23,760円からで、4人目以降の従業員1人あたり月額300円となっています。
この料金で毎月の給与計算だけでなく、年末調整、法定帳簿作成、マイナンバー管理といった機能が含まれています。従業員10人以下の小規模な事業者であれば、まずはこれで充分です。
専任担当者を雇う場合はもちろん、アウトソーシングに比べても圧倒的に安く済みます。
(2)デメリット
デメリットはアウトソーシングに比べると手間がかかることです。そもそもクラウドアプリケーションを使って自社でデータ入力しなければなりません。
手順書に従って単純な作業を行うことになりますので、専門知識は不要で正社員ではなくアルバイト等でもこなせるはずですが、それでもその人件費が必要となります。
また、入退社手続きのようなスポット業務は対応していないか、もしくは別料金のオプションとなります。クラウドでは電子化・自動化でコストを下げているので、役所に行ったり、社員証を発行したり、といったマニュアル業務はどうしても自社に残ることになります。
(3)クラウドサービスの選び方
アウトソーシングの場合と同様に、まずは「どの業務をクラウドにするか」の選択と、「その費用」とをよく比較検討する必要があります。
このとき、クラウドサービス業者ごとに料金体系がけっこう異なりますので、単純な比較が難しいです。機能と価格の比較検討は公式サイトの情報でもある程度できますが、結局は無料会員登録したうえで少し触ってみる方が実感が掴みやすいです。
以下の公式サイトからお試し頂ければと思います。
結論:アウトソーシングかクラウドサービスか
上記の通り見てきましたが、アウトソーシングかクラウドサービスかの結論は、個人的には「両方の良い所を組み合わせて使う」のが最適解と考えます。
つまり大まかに言って、毎月(毎年)必ず発生する業務はクラウドサービスを使い、スポット業務はアウトソーシングを使います。これがトータルコストを最も低くする方法です。
「えっ?基本料金が二重になって高いのでは?」と思われるかもしれませんが、組み合わせによってはそうでもありません。
例えば、私が知っている会社(社員数50名くらい)では、「人事労務freee」を給与計算や勤怠管理といった定期的な業務で使い、入退社手続きのようなスポット業務については別途社労士事務所とアウトソーシング契約して「丸投げ」しています。そして、データ入力や社内の問い合わせ窓口としてアルバイト社員を1人採用しています。
こういった組み合わせにより最適化が可能となります。
以上、給与計算はアウトソーシングとクラウドサービスではどちらが最適なのか?、という話題でした。クラウドサービスの技術も日進月歩で、どんどん便利なサービスが出ています。たまに時間を見つけて、どんな機能があるのか、何ができるのか、を知っておくと新しい業務モデルのアイデアの源泉となります。そういうブラッシュアップが大切ですね。
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