【小さなビジネス応援】IT人材のいない中小企業でもITを使った業務効率化をする方法

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中小企業の生産性

中小企業の労働生産性は低いです。下図はそれを示した分析で、人口の7割を占める中小企業の生産性は3割を占める大企業のそれと比べて非常に低くなっています。特にどの業種が、ということではなく、全般的にどの業種でも労働による付加価値が小さいことが分かります。

生産性分析

(出典:中小企業の生産性分析 – 中小企業庁)

これにはいくつかの理由があります。個別の例で事情が異なると思いますが、一般的に言うと理由は大きく2つです。ひとつは設備投資の違い、もう一つはIT投資の違いです

設備投資については特に製造業や建築業などで「ハードウエア」を扱う場合に顕著です。要するに最新の設備や機械装置に更新できない、そういう投資をする余裕が無いために相対的に生産性が低くなるのです。下請け企業などでは値下げのプレッシャーを受けながら人件費を払うのがやっとで、設備投資の取替え資金まで回らないのです。これが中小企業の経営を苦しくしてまう負の連鎖の原因になっています。

もう一つの理由のIT投資については、設備や機械装置ほどのまとまった資金を要する投資ではありませんので、労働生産性を改善するための一手として取り組みやすいものとなっています。IT投資によって仕事の時間短縮が可能になれば、ブラック職場の解消につながり、人の定着率アップ、従業員満足向上など、正の連鎖のきっかけとなる可能性があります。

ところが、実際にはなかなかIT投資が進まないのは何故か?というと、周りに「ITを知っている人がいないから」です。最近はクラウドだとか、AIだとかいろいろ便利そうな話を聞く訳ですが、いったい何をどうしたら良いか分からない。情報システムに詳しい人も会社にいないし、担当者を採用する余裕は無い、だから、放置されてしまうのです。

これが非常にもったいないことです。もし社内に人材がいないなら、自分のようなフリーのコンサルタントを雇ったり、商工会などを通じて中小企業診断士の先生に入ってもらうとか、対応の方法はあります。費用が気になるところですが、依頼内容にもよりますが、フリーのコンサルタントなら数十万円程度でしょう。公的機関を通じて中小企業診断士の先生にお願いする場合などであれば、助成金の適用を受けられる可能性もあります。まずは、問い合わせせて、相談してみましょう。



パソコンとインターネットを導入する

実際に中小企業を見ますと、現在であってもパソコンとインターネットがまだ業務で活用されていない、という事例を見かけます。下図は平成27年に中小企業にパソコンとインターネットを利用しているかどうか調査したものですが、25%程度もの企業が「利用していない」と回答しています。これでは生産性が上がるはずがありません。

IT利用

(総務省統計局「平成27年国勢調査抽出速報集計結果」より作成)

もしまだパソコンとインターネットを利用していないのであれば、まず、事業所にインターネット回線を敷設しましょう。次に、1人あたり1台のパソコン環境を実現します。もちろん仕事の内容によるので一概には言えませんが、特に事務系の仕事であれば、これは必須の環境で、ここからが生産性改善のスタートになります。

事業所向けのインターネット回線であれば、一般的なのはNTTの「フレッツ光 」です。

フレッツ光は業者を通して申し込むとキャッシュバックのようなキャンペーンの適用を受けるものがあります。下記より内容をご確認ください。

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「フレッツ光」の回線を敷設しただけではまだパソコンはインターネットには繋がりません。インターネットに繋がるためには、(1)OCNのようなインターネットプロバイダーとの契約、(2)回線とパソコンを繋げるためのルーター機器、(3)パソコン上での設定作業、が必要になります。業者を通じた申し込みでこういった煩雑な手続きも軽減することができます。


パソコンについては、最新のモデルは必要ありません。中古パソコンで十分ですから、全額当期の経費としてして落とせる1台10万円未満で購入しましょう。かといってあまりボロボロでも使えませんので、3年保証付きで安心の下記のような実績のある優良業者をお勧めします。

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自社ウェブサイトを持つ

自社ウェブサイト(ホームページ)は生産性の向上に貢献してくれます。24時間あなたの会社を紹介・宣伝してくれ、あなたの代わりに基本的な質問に回答してくれますし、お問い合わせフォームを設置すれば、顧客対応も手伝ってくれます。ショッピング機能を付ければ営業もしてくれます。

そう考えますと、自社ウェブサイトを持つことは「投資」と考える事ができます。単なる月額いくらの費用ではなく、投資として考えて積極的に取り組むことをお勧めします。もちろんお金のかかるお洒落で高機能なものを作ればよい、という訳ではなく、各自の事業内容に合ったもので十分です。

肝心なことはウェブサイトにどんな働きをしてほしいのか、設計することです。最初のうちはこういう機能、やがてこういう機能と段階を分けて考えましょう。大よその案が出来たらウェブサイト制作のプロに相談したほうが良いです。もし自力で最小限の自社ウェブサイトを作ってみようとするなら、下記のような簡易なサイト作成サービスがお勧めです。

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紙をなくす

生産性の低下を招くもう一つの要因は「紙」の存在です。事務手続きに必要となる様々な書類、作業記録などのファイル類、マニュアルなどの冊子、FAXで届く依頼書など、生産性の低い職場には「紙」が溢れています。

「紙」が生産性に悪影響を及ぼすのは、(1)検索ができない(1枚1枚見る必要がある)、(2)紛失しやすい、(3)保管場所がとられる(スペースコストがかかる)、といったことがあります。

このため、「紙」は可能なかぎり廃止して、データ化することをお勧めしています。まずオフィス文書(WordやExcel、PDFなど)はデータのままやり取りして印刷しないようにします。最初抵抗があるかもしれませんが、プリンターの台数を減らしたりして、「印刷しない文化」を根付かせます。データのまま扱えば、Google Drive、Dropbox、OneDrive等のクラウドを使う事で容易に検索することができるようになります。

こうなると書類は整理したり探したりする必要がなくなり、検索一発で探し当てるようになり、相当の時短になります。結果、紛失しませんし、保管場所も不要となります。ついでにクラウドならバックアップやセキュリティの心配もありません。いまどきのクラウドサービスは、自社で運用しているよりもよほど安心なのです。

どうしても外部から「紙」が来てしまう問題がありますが、少量ならスマホで写真にとってクラウドに保存し、原本は捨てましょう。私は名刺なども写真を撮って捨てていますが、あとで検索できるので困った事はありません。量が多いようならスキャンします。

また、FAXはインターネットFAXに変えます。日本の商習慣ではいまだにFAXが多く、自社だけでは変えようもありませんので、せめてパソコン上から送受信できる環境を準備します。以下のjFAX がお勧めです。月額990円、申し込みから30日間無料で試せますので、一度お試しください。



情報を共有する

事務所のIT化、文書のデータ化が進んできたら、次に「情報の共有化」を行うと、さらに生産性が向上します。企業規模の大小を問わず、一般に情報が属人化していることが多いですが、そうなると情報のやり取り(情報の行き来に要する時間。オーバーヘッドとも言います)が多く発生して、逆に生産性が下がったりします。メールにWordやExcelのファイルが添付されて飛び交っている状態ですね。

そうではなくて、情報は一箇所に置いて、それをみんなで参照・更新する仕組みにしましょう。そうすればどれが最新バージョンなのか混乱することもありませんし、うっかり誤送信で外部に流出したりといった危険も回避できます。

規模が大きな業務であれば、CRM/SFAとかERPとか「情報の共有化」を行うシステムの導入を検討しますが、中小企業であれば、ほとんどの場合これらのシステムは不要です。システムを売りたい業者が必要と言っているだけで、実際のところ、WordやExcelのようなオフィス文書を共有する仕組みを導入すれば事足ります。

最近は共有化の仕組みもいろいろありますが、自分がお勧めしているのは、マイクロソフトのOffice365に含まれている「SharePoint Online」というサービスです。こちらのサービスはマイクロソフトですからオフィス文書との相性もよく、社内・社外への共有設定が簡単で扱いやすいものになっています。パソコンだけでなくスマホもサポートしていますので、通勤の途中で文書をチェックしたり、といった活用もできます。欠点は最初の導入設定が多少厄介なので、やはり詳しい専門家に最初は助けてもらった方が良いということになります。

まとめ

中小企業の生き残りのために「生産性の向上」は必須でしょう。生産性の向上がコストを下げ、資金繰りを楽にし、設備投資を促し、職場を改善して人の定着率を高くする、という「正のスパイラル」のきっかけになります。

特にIT投資は重要ですが、人材不足でなかなか手が出せない、というもの現実です。であれば、外部の助けを得る事を考えましょう。私のような独立コンサルタントに相談するも良し、公的な機関から中小企業診断士を紹介してもらうのも良いでしょう。料金を聞いて「価値が無い」と思ったら止めれば良いのです。何もしないで時間が過ぎていくのが一番怖いことです。まずは小さなスタートをお勧めします。


以上、IT人材のいない中小企業でもIT を使った業務効率化をする方法、という話題でした。





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