【なぜ45歳以上リストラ?】40歳から考える「本業+副業+年金」でお金に困らない生き方

ファイナンシャルプランナー目線で見た「お金に困らない生き方」について説明します。



実質的な定年は45歳

令和の時代になって急速に大手企業のリストラが増えてきます。企業の業績は決して悪くなく、場合によっては増収増益を続けているのにリストラというパターンさえあります。

これを「会社が良い時にリストラ」とか「キャッシュがある時にリストラ」などと言うそうですが、確かに割増退職金の損失負担やキャッシュフローに耐えられるうちに辞めてもらおう、という意図が透けて見えます。

そしてリストラの対象となっているのがバブル入社組(88年ごろから92年ごろ新卒で会社に入った人)を中心とした人々で、ボリュームゾーンである45歳以上をリストラ対象とするというのがよくあるパターンになっています。

企業戦士たちも45歳以上になると労働力として提供できるスキルと会社側が求めているスキルにミスマッチが生じてしまい、「お荷物」扱いになりがちです。ましてや定年再雇用の延長期限である65歳まで20年間もお荷物を置いておく余裕が企業側にありません、と言われても「確かにそうですね」という感じです。

つまり残酷な話ですが、最近の世の中の動きから見る実質的な定年は45歳と言っても良さそうです。





70歳までの働き方

ではどうしたら良いのか?」ということになります。

仮に早期退職制度に応じて、割増退職金をもらって退職したとしても、それだけで100歳までの生活を支えられる訳がありません。普通の暮らしをするにはお金が足りません。

どうやって生活を支えることができるのか、70歳くらいまで働くことを前提としたライフプランを立てることが重要です。

具体的なアドバイスは次の通りです。

  • 40歳を過ぎたら副業の準備をして試行錯誤を開始する
  • 40歳を過ぎたら余剰資金で投資を始める
  • 50歳を過ぎたら本業と副業で収入の柱を2つ以上持つ
  • 60歳を過ぎたら副業にシフトする
  • 70歳から年金を受給開始

こういったライフプランを立てて、100歳まで生活を支えるファイナンス戦略を作りましょう。ライフプランの作り方についてはこちらの記事もご参照ください。

では、次に上記に各フェーズについて説明していきます。



40歳を過ぎたら副業の準備をして試行錯誤を

本業である会社員が45歳で実質定年となる訳なので、次の仕事を準備する必要があります。会社を辞めてから準備を開始しても、次の仕事が軌道に乗るまで時間がかかり、下手をすると貯金が底をつきますので、副業として開始することになります。

もちろん個人の能力に需要があって、別の会社に転職できればそれでも良いのですが、45歳を過ぎると転職市場では「シニア」扱いとなって非常に厳しいのが現実です。また、運良く転職できたとしても60歳で定年または再雇用されても65歳までしかないので、結局100歳までの生活は支えられません。

したがって「副業」が必要です。何を始めても簡単には軌道に乗りませんので、本業の給料で生活を支えつつ、副業の試行錯誤をします。副業選びについてはこちらの記事に説明しましたので、ご参照ください。

もし今の会社の就業規則で「副業禁止」となっていたら、まず副業ができる会社へ転職しましょう。外資系であれば副業OKのところが多いですし、日本企業でも最近では副業が容認されるところも多くなってきました。リクルートエージェントなどの転職サイトで検索してみるとよいです。



40歳を過ぎたら余剰資金で投資を始める

副業以外に必要なこととして、40歳を過ぎたら銀行の普通預金以外の「投資」に取り組むことがあります。

超低金利時代ですので、普通預金にお金を置いておいても全く増えません。余剰資金を捻出できるなら、積極的に投資してリターンを手にしましょう。

かといって虎の子の資金ですから無理は禁物です。こちらの記事で紹介したような比較的安全な投資をして、徐々にリターンを得ます。

リターンを再投資することで「複利効果」が得られ、時間をかけると資産が大きく増えます

40歳を過ぎたら早い時期に投資を始めた方が良い理由はこの複利効果です。時間をかければかけるほど複利効果は大きくなるからです。日本人は投資=ギャンブルと考えて嫌う傾向がありますが、もったいない話です。

もしそういった苦手意識があるなら、セミナーに参加して勉強してみるのも手です。こちらの 国内最大級のマネーセミナー! は押し売りされない良心的なセミナーですが、怪しいセミナーも多いのでご注意ください。

50歳を過ぎたら本業と副業で収入の柱を2つ以上

40歳から10年も試行錯誤すれば、なんらかの副業で稼げるようになります。まだ本業である会社の給料よりは少ないかもしれませんが、何もしていない人が追いつけないような高みにいることでしょう。

50歳代の最大のポイントは「いつ会社を辞めるか」ということです。

会社が早期退職制度を開始して割増退職金を払うなら、むしろ渡りに船、グッドタイミングということになります。割増金を得て副業を本業にシフトしましょう。

特にそう言ったリストラも無ければ、そのまま複数の収入の柱をもっていれば良いです。





60歳を過ぎたら副業を本業する

多くの会社では60歳で定年となり、希望すれば65歳まで再雇用されるということになります。定年再雇用されると一般に最後の給料の半額くらいになります。同じ仕事をしていても給料が激減するのが普通です。

「それでも無いより良い」ということで、65歳まで再雇用の道を選ぶという生き方もありますが、おすすめしているのは60歳ですっぱり退職して、これまで準備してきた副業のほうを本業にすることです。

その理由はまだ60歳なら若いですので、その気力体力をもって新しい挑戦が可能だからです。65歳まで半分の給料をもらって引き伸ばすよりも、全力を使って本業となった副業に望む方が良いです。

もう一つの理由は、65歳まで再雇用されたとしてもその先はどうするの?ということがあります。70歳やうまくいけばその先まで仕事を持った現役でいるためには、早めに人生に切り替えを行った方が良いです。

さらに、定年再雇用は法律で認められた権利ですが、会社にとっての「お荷物」感は否めず、後輩たちに迷惑をかけるのも如何なものか?という感じもあります。



70歳から年金を受給開始

現行の公的年金制度では、標準で65歳から受給開始となりますが、「繰り下げ」制度を使うと70歳まで受給開始を遅らせることができます。

70歳まで繰り下げるメリットは年金に支給金額が増額になることです。70歳から年金をもらうと65歳から年金をもらった場合に比べて142%の増額となります。

したがって、70歳まで本業となった元副業で生活を支えつつ、70歳から年金をもらう、というのがベストなシナリオとなります。これにより収入の柱が再び2本となるので、かなり生活にゆとりが生まれるでしょう。

やがて病気やその他の理由で仕事を続けられなくなったら、主な収入は年金だけとなりますが、受給開始を遅らせたことで増額されていますし、前述の投資のリターンが徐々に大きくなっているはずです。これらの収入と貯蓄の切り崩しによって100歳までの生活を支えることが可能となります。

以上、40歳から考える本業+副業+年金で50歳以降お金に困らない生き方、という話題でした。大切なことは将来までよく見通して、各人の事情に合わせたライフプランを作ってみることです。そしてプランは毎年見直して少しずつ軌道修正していきます。ぼーっと過ごしていると後で苦しいことになる時代になっています。

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