【小さなビジネス応援】増加するインバウンド需要への対策。英語(多言語)での接客の方法

訪日観光客


インバウンド需要が半端ない

巷で話題の通り、訪日外国人の急増が半端ない状態です。下図のとおり2016年に2000万人を超えた!と話題になっていたかと思ったら、もうすぐ3000万人を超える勢いです。最初の1000万人をクリアするのに40年以上かかったのに、です。

訪日外国人統計

訪日外国人数(出典:JTB総合研究所)

こうなってきますと、訪日外国人(いわゆるインバウンド需要)をどうやって自分のビジネスに取り込むか?という発想をすべての事業者が考えるべきです。「いやいや、自分のところは関係ないでしょ」と思っても、これほどの急増なら今後何らかの影響(波及効果)を受けるはずなので、若干飛躍したアイデアでも良いので、「風が吹けば桶屋が儲かる」的発想を準備しておいた方が良いです。先を読んで備えた者が勝つのがビジネスです。


基本的に英語はできなくても良い

特に小売や店舗経営の場合、外国人に対する接客をどうしようか?ということになります。「英語で接客なんて出来ないよ!」ということになりますが、心配いりません。基本的に英語はできなくても良いですので。この理由は2つあります。

一つ目の理由は、「身振り手振りカタコト英語でなんとかなるから」です。しばらく前ですが、テレビ番組「世界の果てまでイッテQ」で、出川さんが観覧車(英語ではFerris Wheel)を説明するために「ボーイズ&ガールズ チュウチュウボックス」と言っていまして、もちろん簡単には通じませんが、身振り手振りカタコト英語で最終的には通じていました。言葉なんてそんなものです。

もう一つの理由は、「相手(外国人)が英語を話すとは限らないから」です。下図は国別の訪日外国人の内訳ですが、ほとんどの外国人は「アジア人」となっています。彼らは日本人に比べると英語を上手に話しますが、それでもネイティブスピーカーという訳ではなく、英語よりも母国語での対応を望んでいることは間違えありません。そうなりますと、英語にこだわるよりは、彼らの母国語での「おもてなし」を考えた方がよいということなります。  

国別訪日外国人(出典:日本政府観光局)


最初のひとことは知っておこう

とはいえ、外国人が来店する度にフリーズするわけにはいきませんので、最初のひとことくらいは英語で言えるようになっておいたほうが良いでしょう。難しいことを言う必要はありませんので、次のようなことが言えれば十分です。

「Hi!」・・・笑顔で「ハイ!」。これで充分です。ウェルカムの感じを出すようにしましょう。

「May I help you?」・・・「何かご用ですか?」。お客様に声をかける場合に使います。

「Ready to order?」・・・「ご注文は?」。飲食店などで注文をとるときに使います。

「You can try it on」・・・「試着できますよ」。服やアクセサリーの販売で使います。

「Everything OK?」・・・日本ではあまり言いませんが、他に用件がないか確認するときに使います。

他にもあるかもしれませんので、調べてみて頂ければと思いますが、無理をする必要はありません。


自動翻訳を使おう

外国からのお客様にうっかり話しかけて大量の返事が返ってきてしまったらどうしよう、という不安がありますね。最初のひとことは言えても、そのあとがお手上げ状態になってしまいます。

そんなときは「Google翻訳」を使いましょう。「Google翻訳」は最初出たときは、あまりに拙い翻訳しかできず、使い物にならなかったのですが、何度かのアップデートを経て、現在ではほとんどドラえもんの「ほんやくコンニャク」かと思うくらい、高精度で便利なツールになっています。スマホがiPhoneでもAndroidでもアプリとしてインストールすることができます。

アプリ版「Google翻訳」をビジネスで活用する場合、便利な機能は(1)会話モード、(2)リアルタイムカメラ翻訳、の2つです。


「Google翻訳」会話モード

会話モードの場合、事前に何語と日本語の会話か設定しておきます。アプリの「会話」ボタン(マイクが2つのアイコン)を押して、会話をスタート。こちらの話した内容が相手の言語に翻訳されて表示されますので画面で見てもらいます。続けて、相手の返事を話してもらうと、日本語に翻訳されて画面に表示されます。この会話を続けて行うことができ、翻訳も一瞬でされます。ほとんど同時通訳状態です。確かにたまにおかしな訳になることもありますが、意味が通じないということはありません。


「Google翻訳」リアルタイムカメラ翻訳

リアルタイムカメラ翻訳では、アプリのカメラアイコンを押して対象の文字を撮影すると、 写っている文字をリアルタイムで翻訳してくれる機能です。特になにもしなくても勝手に訳してくれますが、特定の箇所だけ訳したいなら指でなぞるとそこを訳してくれます。 試しにこのトローチの箱をリアルタイムカメラ翻訳で見てみると、下の写真のような感じで見えます。

フォントなども違和感がない感じになっており、恐ろしささえ感じます。おそらくAIの技術が使われていると思います。Google恐るべし。

この機能は飲食店のメニューの翻訳にぴったりでしょう。レストランなどでわざわざ中国語のメニューを用意しなくても、スマホさえあれば、リアルタイムカメラ翻訳で日本語メニューがそのまま中国語メニューになります。工夫次第でかなり使える強力な機能です。


以上、小さなビジネスが増加するインバウンド需要への対策として英語(多言語)での接客の方法をどのように行うべきか、という話題でした。最低限の英語力とテクノロジーで波を掴もう、ということですが、どうしても英語が不安という方は、こちらの講座で勉強しましょう。

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