この記事は「コロナの影響でうちの会社はもうダメです。廃業するしかないでしょうか?」といった疑問に答えます。
目次
経営者高齢化とコロナのダブルパンチ
日本の企業のうち99%は中小企業ですが、以前からよく言われている通り、その中小企業の経営者が高齢化しています。
以下の図でわかる通り1995年から2015年の20年間で経営者の年齢のピークは47歳から66歳まで増加しています。 2020年ではおそらく70歳前後となり引退年齢を迎えているはずです。
創業経営者の引退にあたって後継者がいなければそのまま廃業となることがほとんどです。
この元々の状況に加えてコロナの問題が起きてしまいました。 コロナ不況により経営がうまくいかなくなることによって、さらに廃業に拍車がかかると予想されています。
このことはマクロ経済で見ても大きなインパクトになるでしょうし、ミクロ経済で見ても従業員の失業や連鎖倒産などを招き、全員が不幸になっていく流れです。この流れを断ち切る一つの方法が廃業するのではなく、会社を売ろうということです。
廃業するより会社を売ろう!
会社を売ることによって、そのものが多少形を変えたとしても存続しますので、上記のような不幸の連鎖を止めることができます。ですが、会社を売るということが一般的にはまだまだ馴染みが薄く肯定よりも否定の反応となってしまうことが多いようです。
実際のところ「中小企業のM&A市場は買い手が9割、売り手が1割」とも言われ、なかなか売り手が出てこないという問題があります。例えば、次のような否定的な考えが売り手になることを妨げていますが、 正しい認識を持つべきでしょう。
否定的な考え | 正しい認識 |
うちの会社が売れるはずがない | 買い手にとって価値・魅力があれば売れます。 技術力や取引先との人脈、優秀な従業員、知名度・ブランド・信用、業歴、シェア、店舗網、知的財産権やノウハウ、許認可など 様々な要素が評価の対象となります。 |
債務超過なのでダメです | 帳簿価額で債務超過でも時価で資産超過となるケースもありますし、他に評価すべき点があれば、債務超過すなわち売れないではありません。 |
なんとなく後ろめたい・格好悪い | 長年事業を行ってきたプライドが許さないのは理解できますが、男(女)の引き際について勇気ある決断が重要です。 |
従業員に申し訳ない | 廃業する方がもっと申し訳ないです。 新しい経営者のもとで雇用がある方が良いはずです。 |
敵対的買収「ハゲタカ」のイメージ | 古いイメージです。今では優良企業が将来のための投資として 中小企業を買う時代です。 |
どうしたら良いか分からない | 相談相手(公的・民間の専門機関)はたくさんあります(後述)。まずは顧問税理士など身近な方に相談しましょう。 |
会社を売るメリット
会社を廃業するのではなく売ることによって次のようなメリットが考えられます。
(1)引退後の生活資金が得られる
中小企業のM&Aは多くの場合、「株式譲渡」か「事業譲渡」と言われるやり方で会社を売ります。いずれの場合も、対価としての「金銭」を獲得できますので、これが引退後の生活資金となります。
廃業してしまうと、以下の記事のとおり、廃業にかかる費用がかかり、むしろ持ち出しするお金が多く必要になります。結果として引退後の生活資金を圧迫することになります。
(2) 取引先や従業員に迷惑をかけない
事業を継続することで仕入先やお客様といった取引先は、これまで通りビジネスを続けることができます。また、多くの場合従業員も新しい経営者のもとで働き続けることができます。
(3)債務の個人保証を解除できる可能性
中小企業が金融機関から融資を受ける場合に、多くは経営者本人が個人保証を行っています。 M&Aで会社を売る際に、この個人保証解除できる可能性があります。
国も事業承継をスムーズにいかせる観点から、個人保証の解除を金融機関に促しており、買収の成立によって事業の継続性や将来性が担保されることにより、個人保証を解除できる場合があります。 このことは売り手にとっても買い手にとってもプラスです。
個人保証の解除についてはこちらの記事に書きましたのでご参照ください。
(4)貴重な技術やノウハウが失われない
やはりなんといってもこれです。廃業してしまうと長年にわたって蓄積してきた貴重な技術やノウハウが失われてしまいます。以前に刺しても痛くない注射針を唯一製造できる中小企業が廃業したというニュースがありました。
こういったことは一企業だけの問題ではなく、大きく見れば人類にとっての損失です。
会社を売る方法
とはいえ、会社を売るということは簡単な話ではなく、通常1年間くらいの長い時間と多くの手間がかかります。 具体的な流れは次の図のようなものになります。
(出典:経済産業省 中小M&Aガイドライン)
確かにこの流れを社長が自分で全て行うのは無理というものです。従って社長がまず行うべきことは、身近な支援機関への相談です。具体的には商工会のような団体や、顧問税理士のような普段から付き合いのある専門家です。
こういった普段から会社のことをよくわかっている人と二人三脚となり、様々な専門家の助けを借りながら売却の完了まで進めていくという方法がベストです。もし、そういう馴染みの専門家がいなければ、公的機関の「事業引継ぎ支援センター」が最初の相談窓口となります。
上記のような流れは相当に複雑で、様々の専門家に対して手数料(着手金、月額報酬、中間金、成功報酬)も発生しますが、ある程度簡略化できる方法もあります。それが M&Aプラットフォームを使ったやり方です。
M&Aプラットフォームとは、インターネット上で売り手と買い手をマッチングするサービスです。言わば、会社版の出会い系アプリです。
M&Aプラットフォームでは「M&Aキャピタルパートナーズ」が東証一部上場で業界最大手となっています。着手金もかからずマッチングに関しても相手が見つかるまで費用はかかりません。
詳しい内容については以下の公式サイトの「無料Web問い合わせ」でお尋ねください。
M&Aでは相手が見つかるまでがまず第一関門ですので、ここまで無料で行けるのは大きいです。気軽に相談してみると良いでしょう。
ただし、相手が見つかったあとの交渉や法的な問題のクリア、契約については専門家のサポートが必要になり費用が発生することとなります。この点についても相場については上記よりお問い合わせください。
以上、廃業しようか迷っている方へ。中小企業M&Aという選択肢があります、という話題でした。コロナの影響で私の住む町でも飲食店が閉店したり、空き事務所が増えたりしています。そういった場所がすこし治安が悪い感じになっていたりして、廃業は本当に社会的損失と思います。「やめずに売る」のが最適解ですので、ぜひご検討頂ければ。
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