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「半年だけ働く。」
「半年だけ働く。」(村上アシシ著)を読みました。こういう生き方があるのかということを知ることが出来て、とても新鮮な内容でした。
著者の村上さんはPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス) のプロで、短期的にフリーランスとしてクライアント企業のプロジェクトのサポートを請け負っています。その働いてる期間以外の期間は、サッカー観戦やその他のスポーツイベントの観戦のために世界中を旅して歩くという生活をしています。
つまり一年のうち半分ぐらいプロジェクトの仕事に携わり、残りの半分ぐらいは世界中を旅しているという生活パターンになっています。稼いでは旅に出て、お金がなくなってきたらまた帰国してプロジェクトで稼ぐ、の繰り返しです。従ってタイトルにあるように「半年だけ働く。」ということになっています。
村上さんはコンサルティング会社の出身で、元々コンサルタントとしてプロジェクトの運営を行なっており、その知識・経験を生かして独立し、フリーランスとして企業のプロジェクトを請け負うことを仕事とされています。
新しい発見
まず第一に、そういう仕事のやり方があるということに驚きました。つまり、PMOを外注する、しかも個人事業主に外注すると言う需要があるということにびっくりしました。
確かに、これまでの自分の経験でも PMOを コンサルティング会社に発注するということはよくある話で、本の中に出てくる通り何人ものコンサルタントがコンサルティング会社から派遣されてプロジェクトのサポートにあたるというのは見てきました。ですが、これを個人事業主が請け負って一人でやっているというのは知りませんでした。さらに、そういう個人事業主の派遣を仲介しているエージェントの会社があるということも今回初めて知りとても有益でした。
企業から見ると、コンサルティング会社への発注は、人件費ではなく外注費ですので、長期的には割安ですが、コンサル費用はそれなりに高額です。プロジェクトの予算があまりない場合、もしくは企業の規模がそれほど大きくない場合には個人のコンサルタントに発注するというニーズがあるのでしょう。
私自身も企業でプロジェクトの仕事をもう20年以上やっており、そういう意味ではこういった働き方は魅力的に感じます。本の中でも紹介されている下記のようなエージェントの会社のホームページを見ると、それなりに稼働率の低い案件もあり、今後これらのプロジェクトの仕事を副業として行える可能性があるのではないかと思うようになりました。
ですが、仕事の内容自体は PMO であるとか IT コンサルティングのような一定以上のスキルが要求されるものであり、誰でもできるような話ではないと思います。PMO と聞いて「何それ?」と思う方は村上さんが言ってるように、まずコンサルティング会社に入ってプロジェクトの経験を積むことが必要になると思います。
リスクも大きい
本を読むと、人生を謳歌されており羨ましい気持ちになりますが、その反面それなりにリスクもあるかと思います。
第1にフリーランスということになりますと、そもそも仕事があるのかどうなのかということがあります。また、会社員ではないので厚生年金ではなく国民年金の扱いになりますし、健康保険も企業の健康保険組合ではなく通常は国民健康保険の扱いになります。いずれも社会保険のセーフティネットが弱くなります。
このため将来について不安があるかと思います。おそらく30代ぐらいまではこのモデルで行けたとしても、その後家族を持ったり、あるいは自分が病気になったりというシナリオを考えるとなかなかリスクが大きいです。
自分のように50代にもなりますと、さすがにこのモデルはリスクが大きすぎると感じた次第です。もっとも、40代になったらまた企業に再就職する、という手も使えますので、ライフステージに応じて自分の人生を生きるのが良いでしょう。
第2のリスクは、外注としてPMOを請け負うと、雇った企業から見ると「使わないと損」ということになり、ワークロードが相当高くなる予感がします。つまり、ブラック職場の懸念がある、ということです。実際にコンサルティング会社から派遣されてくるコンサルタントは皆ハードワークで、下手をすると土気色の顔をしている(本人の問題もあるでしょうが)、というイメージがあります。
最近は「働き方改革」の時代ですので、そういうことも無いのかもしれませんが、特に個人で請け負うと、現実にはワークロードのコントロールが難しい・効かないという面があると想像します。
「半日だけ働く」というコンセプト
現在の自分は「半日だけ働く」を実践しています。前述のとおり、私も企業でプロジェクトの仕事をしているわけですが、最近は仕事の効率化にめちゃくちゃ取り組んでおり(ほとんどヲタクの領域)、結果として1日4時間程度の仕事で1か月分の成果が出せるまでになりました。1日8時間労働が標準とすると、その半分くらいです。それにはPDCAを使ったサイクルを活用しており、詳しくは以下の記事に記載しました。
最近「高度プロフェッショナル」(高プロ)の是非の議論がにぎやかですが、私の場合もう10年以上前からそうなっていて、きわめて快適にに過ごすことが出来ています。「定額働かせ放題」を心配する人もいるわけですが、それは本人のやりようでしょうし、雇う側からみれば「定額サボり放題」のリスクもある訳なので、一方的に労働者が不利という話でもないでしょう。
半日だけ働いて、残りの時間をどうするか。もちろんさらに会社の仕事をやる、という選択肢もあるのでしょうが、自分の場合は好きなことをやる時間に充てています。複業・ブログ・読書・体のケア・家族との時間などのほうへ時間を振り向けて、なるべく人生が充実するようにと考えている次第です。世界中を旅する訳にはいきませんが、別の方向性で人生を謳歌したいものです。
不労所得のモデル
もっとも、最終的に目指しているのは以下の本のような「週4時間だけ働く」、「寝ながら稼ぐ」といった不労所得のモデルです。無論難しく一足飛びには行かない訳ですが、世の中そういう人もたくさんいますし、不可能ではないです。年齢とともにハードワークからスマートワークへ移っていくというのが理想ですね。
以上、半年だけ働く vs 半日だけ働くという話題でした。
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