【中小企業M&A】コロナ禍で廃業を検討しているなら事業譲渡を

この記事は「コロナ禍で商売が厳しいです。今後どうなるでしょうか?廃業するしかないでしょうか?」といった疑問に答えます。



廃業を検討しているならM&Aを

コロナ禍で「廃業」を選択する中小企業が増えています。日経電子版のこちらの記事によると東京都内で1-8月の廃業数が45%増であり2020年は過去最高になる見込みということです。

東京商工リサーチは6日、都内企業の休廃業・解散の動向調査をまとめた。1~8月の休廃業・解散件数は9095件で前年同期比で45%増えた。新型コロナウイルスの影響で事業環境の好転が見込めないことから、経営継続を断念する事業者が増えているとみられる。

日本経済新聞(2020/10/6)

元々高齢化や人手不足などで「そろそろ店じまい・・」と考えていた人が意欲を失って廃業というパターンが多いと考えられます。国が開業が廃業を上回るようにする、と長年取り組んできた訳ですが、実現には遠く及びません。

こういった状況の場合、おすすめは「身売り」することです。廃業してしまうと貴重な技術や製品が消えてしまいます。それよりは他社に事業譲渡して事業のコアとなる部分を残すのです。これが最近話題の「中小企業M&A」です。例えば以下の「M&Aキャピタルパートナーズ」がマッチングサービスを提供しています。



2020年上期の倒産件数は少なかった

その一方で、倒産件数は少なくなっており3年連続の減少傾向で、2004年以来過去2番目の少なさといいます。要するに、資金繰りに窮して借入金を返済できない、という状況では全くないのです。

資金繰りの問題ではなく継続意欲の問題、コロナ禍で戦意喪失ということが現実のようです。仕方のないことかもですが、非常にもったいないことです。





2020年下期から2021年は厳しいはず

2020年下期から翌年にかけてはさらに状況が厳しくなると予想しています。その理由は(1)国の給付金・助成金の息切れ、(2)金融機関の融資審査の厳格化、です。

これまで持続化給付金や雇用調整助成金といったお金が機能して中小企業や場合によっては大企業も下支えされてきた訳ですが、国も大赤字ですからこれもそう長くは続かないはずでで、そろそろ終わるか少なくなるでしょう。日本だけでなく世界中で同じ状況です。

そうなれば「廃業」だけでなく「倒産」も増えるはずです。リーマンショックの時もショックから景気の底まで1年以上かかっているので、今回も同じように2021年から2022年くらいに底になると予想しています。今年よりも来年・再来年のほうが厳しいです。

さらに追い打ちをかけるのが金融機関の融資審査の厳格化です。コロナの初期では金融機関も体制が整わないなか以下のセーフティネット等の融資を審査してきました。

最初のうちは国の指導もあってとにかく融資する方向で動いていました。これが今後はそうもいかなくなるはずです。銀行も事業ですし自分の経営も苦しいので、しっかり審査するようになるでしょう。

この2つの理由で、今後資金繰りに問題が出てくる中小企業が増えると考えられます。



事業性評価に備えよう

もちろん本業を回復させてキャッシュを潤沢に手に出来るようになることが最良ですし、その対応策が優先ですが、そうならなかった場合のプランBも必要です。

そうならなかった場合には、給付金・助成金が切れれば金融機関の融資が必要となります。

今の金融機関の融資審査は「事業性評価」が基本なので、これに備える必要があります。

事業性評価とは何か?どんな準備をすれば良いか?はこちらの記事に書きましたので、ご参照ください。



廃業ではなくM&Aを考えよう

肌感覚としてもデータとしても「廃業する会社は生産性が低い」と言えます。

(出典:日経ビジネス)

労働生産性とは労働者1人あたり(時間あたり)の生産(成果)価値です。逆に言えば、廃業企業では同じ成果が出るまでの時間がより長くかかります。結果、競争に勝ち残れません。

これには様々な理由があり、その理由に応じて生産性を改善する方法も様々にあります。正論を言えば、そういった方法を実行に移すだけで存続企業の仲間入りができるのですが、それがなかなか難しいということになります。

自社だけでは出来ませんし、かといって外部リソースの助けを借りるだけの余裕(時間的・金銭的)も無いという負のスパイラルにはまってしまう例が多くなります。



生産性改善の手法としてのM&A

それではどうしたら良いのか?というと、冒頭にお勧めした通り「身売り」して事業譲渡することです。廃業ではなく「中小企業M&A」の諸制度を活用して事業のコアとなる部分を残すことを考えましょう。

M&Aにより生産性の高い存続企業の一部となることで、半強制的にその事業の生産性が改善されます。場合によっては痛みや苦しみを伴うものかもしれませんが、生産性を改善して事業存続できれば従業員も取引先も結果的にハッピーというシナリオを描けます。

オーナーとしても廃業ではなく事業を売却すれば売却代金が入りますので、その後の生活設計も遥かに立てやすくなります

中小企業M&Aについては国も積極的に後押ししていますし、民間のマッチング業者も増えています。もし税理士が付いていれば、どういった進め方で中小企業M&Aを考えれば良いか具体的なロードマップを一緒に考えてくれるでしょう。

そういったアドバイザーが身近にいない場合には、商工会などに相談するか、以下のような民間のマッチング業者(M&Aキャピタルパートナーズ)が無料で相談に応じていますので、話を聞いてみてはいかがでしょうか?



以上、コロナ禍で廃業を検討しているなら事業譲渡を、という話題でした。自分の会社なんか売れないでしょ、と思われるかもしれませんが、過小評価はいけません。意外とそんなことはなく買い手がつくものです。可能性だけでも検討してみたら良いです。

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