【所得税】税金の納付に関する疑問に答えます

申告所得税に関する5つの疑問に答えます

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所得税の確定申告をした場合、誰がいつどのように税金を納付すべきでしょうか。今回はよくある質問について整理してみたいと思います。


疑問1:所得税はどこでどのように納めることができるか

国税の納付には原則として次の4つの方法があります。

(1)納付書を添えて現金で金融機関または税務署で払う。納付書の見本とその書き方は下図のようになっています。旧来からのやり方で、手数料はかかりませんが、金融機関まで出向いたり、現金をもって税務署まで出向いたりしなければならず、手間もかかり安全性も疑問なやり方です。納付書も書き間違えたりして、2度3度出向くことも。ですが結局のところ定番の方法になっています。

納付書

(国税庁ホームページより引用)

 

(2)金融機関から振替納税する。国税庁ホームページでは「ダイレクト納付」という名称で呼ばれています。あらかじめ納税の期限までに税務署に口座振替の依頼書を提出しておく必要がありますが、現金を扱う必要がなく、手数料もかからないため利便性が高いやり方です。e-Taxの確定申告書作成コーナーから申告書を作成・送信して、そのまま口座振替できる(即日または期日指定で自動引き落としされる)ので、インターネット上の手続きで完了し手間もかかりません。ただし、マイナンバーカード等による電子証明書やこれを使うためのカードリーダーなどの準備が必要です。

(3)電子納税する。Pay-easy(ペイジー)を使った方法です。金融機関のインターネットバンキングなどのメニューとしてPay-easyがありますので、こちらから登録して納付します。事前にe-Taxの「利用者識別番号」「納税用確認番号」「納付区分番号」を取得して、それをPay-easyの「納付番号」「確認番号」「納付区分」にそれぞれ入力し納付します。Pay-easyはATMやコンビニからも支払い可能で、手数料もかかりませんが、それなりに面倒なものです。ただし、Pay-easyであれば電子証明書やカードリーダーといったものが不要です。

(4)クレジットカードで納付する。手数料がかかるデメリットがありますが、個人的にはこちらをおすすめします。その理由は、支払手続きが簡単でインターネット上で完了できる(確定申告書作成コーナーから申告書を作成・送信して続けて手続きできます)こと、電子証明書やカードリーダーといったものが不要、クレジットカードのポイント(マイル)が貯まること、実際の引き落としまで1−2ヶ月あること(資金繰りの観点で有利)、といったメリットがあるからです。

また、クレジットカードであれば生計を一にする家族(例えば配偶者)の所得税を払うことも可能です。クレジットカード納付については以前こちらの記事でも紹介していますので、ご参照ください。

国税をクレジットカードで決済する方法



疑問2:所得税は誰が納めるべきか

当然に確定申告をした本人が税金を納付します。ただし、上述のとおりクレジットカードであれば生計を一にする家族(例えば配偶者)の所得税を払うことも可能です。同じクレジットカードに集中させてポイント(マイル)を貯めるという考えができます。

 

疑問3:所得税はいつまでに納めるべきか

税金には法定申告期限というものがあって、申告所得税の場合は通常3月15日(年によって曜日の関係でずれる可能性あり)が期限となります。ですので、上述(1)から(4)のいずれの方法にせよ、納付手続きを3月15日までに済ませる必要があります。ただし、クレジットカード納付であれば、クレジットカードの引き落としで一緒に引き去りになるので、しばらく時間差があります。


疑問4:納付手続きを3月15日までに済ませることが出来なかったらどうなるか

うっかり忘れてしまった、と言った場合どうなるかというと、「延滞税」という利息が別途発生することになります。つまり、本来納付すべき金額を国から借金していたというのと同じことになり、納付すべき金額に利息を付けて払うことになるのです。

その利率は原則として年2.6%(2ヶ月を超える延滞はなんと年8.9%。いずれも平成30年について。年によって変動します)となっており、かなりの高利です。期限までにちゃんと払った人との優劣をはっきりさせるための罰金のニュアンスがあるためです。これを日割り計算した金額を払うことになりますので、納税資金の準備をしっかりして、スケジュールを間違えないようにすることが大切です。

 

疑問5:分割払いはできないのか

申告所得税には延納という手もあります。どうしても納税資金のめどがつかず、3月15日に間に合わないので先延ばしにしたい、という場合も考えられます。この場合は「延納」の手続きをします。延納の手続きは、確定申告書の「延納の届出」という欄に記載して行います。期限までに納付する金額、延納届出額、の2回に分けて納めます、という届出になります。確定申告でこれを書いてないと期限後はできなくなります。

この際、納付すべき税額の2分の1以上は期限までに納付しなければなりません。残りの税額は5月の末日(例:平成30年5月31日)まで延長することができます。ただし、延納期間中は年1.6%の割合で利子税がかかります。延滞してしまうよりは負担が少ないですので、緊急措置としては延納をするようにしましょう。

以上、税金の納付に関する疑問に答えます、という話題でした。下記のような書籍で税金の勉強をおすすめします。

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