【所得税】税金を取り戻そう。更正の請求と還付申告のやり方



更正の請求とは

更生の請求とは納める税金が多過ぎた場合などに「更正の請求書」を税務署長に提出することにより、減額更正により税金を還付してもらう手続きのことを言います。ただし、請求すれば必ず還付される訳ではなく、税務署長が相当と認めた場合だけになります。





請求できる場合

所得税の場合にどのようなときに更正の請求が可能かというと、確定申告書を出してある場合で、所得控除や税額控除の漏れ(申告忘れ)があったり、個人事業主の経費の計上漏れがあったりしたとき、です。

よくありがちなのが、「扶養親族の扶養控除の漏れ」です。自分の親を仕送りで扶養しているのに、扶養親族に入れるのを忘れていた!といった場合です。親が70歳以上であれば同居していない場合でも48万円の所得控除が受けられます(常に生活費、療養費等の送金が行われている事実が必要です)。これを忘れてしまうわけです。

あと、 個人事業主の経費の計上漏れもありがちです。申告した後で領収書が引き出しの奥から出てきたので経費にしたい、といった場合です。

これらの場合には、原則として法定申告期限から5年以内なら、税金を還付してもらうことができます。ただし、手続きはそれなりに面倒なので、戻ってくる税額とそのための努力(コスト)を天秤にかけて、判断することになるでしょう。

「更正の請求」を行う場合には税理士に支援してもらう方が安心です。もし税理士を探す場合には、こちらの記事も参考にどうぞ。





還付申告との違い

更生の請求と間違えやすいのが、還付申告です。還付申告というのは、サラリーマン・アルバイトなどで確定申告の提出義務がない人が、適用漏れになっていた所得控除を申告し、払い過ぎた税金が還付になる場合に行います。つまり、確定申告書を提出していない場合の話なのです。

サラリーマン・アルバイトのような給与所得者は会社に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出して、会社はこれに基づいて扶養控除を計算しています。したがって、これが間違っていた(記載漏れがった)場合などは、自分で税務署に還付申告して税金の還付を受けることができます。

特に普段確定申告をしない人の場合、医療費控除の適用を受けるのを忘れたとか、住宅ローン控除の適用を受けるのを忘れたとか、うっかりミスがあるかと思います。そのような場合でも還付申告で税金を取り戻すことが可能です。

還付申告は確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。簡単に諦めないようにしましょう。





更正の請求書の書き方

雛形のPDFファイルは国税庁ホームページ(平成29年以降版はこちら)からダウンロードできます。基本的な書き方は雛形ファイルに書いてあります。そのとおり書くだけなので簡単です。請求理由なども事例からコピペでOKです。

肝心の計算書部分は、下図のようになっています。



過去に提出した確定申告書を見ながら、「申告し又は処分の通知を受けた額」の欄に数字を転記していきます。「請求額」の欄にも同じ数字が並びますが、修正したいところ(所得から差し引かれる金額など)が多くなり、結果として「納める税金」が少なくなります。この差額が還付される金額となります。差額は税務署が計算して還付してくれることになります(還付が決まると振込前に通知があります)。





還付申告のやり方

還付申告は「還付申告書」という書面がある訳ではなく、確定申告書を作って出す手続きと変わりません。計算の結果、最後に納付ではなく還付となるだけです。

したがって、請求対象年の源泉徴収票を準備のうえ国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を使って作成するのが良いでしょう。

マイナンバーカードを使うやり方か、パスワード方式でインターネットで提出までで行うことができます。そうでなければ、申告書を印刷して税務署へ持参(または郵送)することになります。

以上、税金を取り戻そう。更正の請求と還付申告のやり方、という話題でした。特に「更正の請求」を行う場合には、税理士に支援してもらったほうが間違えが無くて良いでしょう。税理士をお探しの場合は、下記の記事もどうぞ。

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