【キャッシュレス】「現金はコスト」とはどういう意味か?消費者もお店もキャッシュレス化に対応しないと損しますよという話



現金信者の日本人

コンビニやスーパーでレジ待ちをしているときに、前のお客さんが支払う様子を何気なく見ていると、「現金払い」の人が多いことに驚きます。日本人は本当に「現金信者」が多く、社会全体として無駄なことをしているな、と感じます。

下図は各国の1人あたりGDPと現金決済の比率との関係を表したものですが、先進国の中では日本が現金決済の比率が飛びぬけて高いことがわかります。

現金決済比率

(出典:みずほフィナンシャルグループ 2018年1月)


確かに昨年ヨーロッパに行った際にも、こちらの記事に書いた通り、タクシー利用がほぼ100%キャッシュレス化しており、非常に便利かつ安全でした。



現金は何故コストなのか?

(1)支払いに時間がかかる

例えば代金1089円の89円を現金でぴったり出そうとして財布と悪戦苦闘している人がいます。コインがうまくあったとして、全部で9枚のコインを財布から拾い出して払うわけですが、この時間が無駄です。払っている本人だけでなく、お店の人、後ろに並んでいる他のお客さんなど全ての人の時間を使ってしまっています。クレジットカードや電子マネーなら一瞬で完了するのに、なぜなのか?と考えてしまいますね。おそらくこの便利さを経験したことがないだけなのではないでしょうか。

例えば「楽天カード」であれば、満18歳以上の方なら個人事業主はもちろんパート・アルバイト・専業主婦・年金受給者などほとんどの方が作成可能です(ただし、もちろん審査はあり例外的に落ちる場合があるようです)。カードは多種多様ですが、比較検討が面倒なら、「楽天カード」を作って現金払いを止めることをお勧めします。


(2)お店の管理コストがかかる

お店の側に立つと現金ほど厄介なものはありません。まず数える必要があります。一日の始めと終わりにレジの現金を勘定して、売上データ(帳簿)と数字が合っているか、確認します。1円でも違っていると問題です。なぜ違うのか理由を調べる必要があります。

また、あってはならないことですが、盗難などの心配もあります。こういった対策が非常に手間暇がかかります。現時点でなかなか「現金お断り」とは行かないでしょうが、なるべく取り扱いを減らす努力をした方が良いです。



キャッシュレス化に対応しないと損する理由

そんなに無駄ばかりなのに、なぜ現金を持ち歩いて使ってしまうのか、というと、クレジットカードや電子マネーを使えないお店や場所がまだ多いから、ということでしょう。

こういうお店はこれから危機に瀕するものと思われます。その理由は次のとおりです。

(1)お客様から選ばれないから

「現金しか使えないから行かない」と敬遠されてしまい、機会損失となるという訳です。この典型例は「サイゼリヤ」です。外食チェーンの中では珍しいですが、いまだに現金オンリーという状況のようです(記事執筆時)。私もカードが使えないのでなんとなく足が向かなくなりました。そんな折、これだけが原因では無いでしょうが、業績不振が伝えられています。

サイゼリヤ、1Q決算は約20%減益 「全面禁煙化」に向けた費用かさむ
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1901/09/news101.html

これからは店舗経営ではクレジットカードや電子マネーへの対応は必須でしょう。


(2)消費税のポイント還元に対応できないから

ご存知のとおり、2019年10月から消費税が10%になります。8%になったときの反省を踏まえて、政府も景気の落ち込みを食い止めようと、あの手この手の施策を考えているようです。中でも注目されているのが、「ポイント還元」です。

クレジットカードや電子マネー、QRコード決済(「なんとかペイ」というやつです)を使った場合だけ、ポイントでキャッシュバックしますよ、という話です。中小企業など小規模なお店の場合であれば5%、大手コンビニでも2%を国が還元してくれます。つまり、2%増税して5%帰ってくる訳ですから、3%減税のような効果があります(ただし期間限定で)。その概要は下図のようになっています。

(出典:日本経済新聞電子版 2019/3/24)

こうなりますと、普通に考えて、2020年6月末まではお店を選べるならクレジットカードや電子マネー、QRコード決済で払えるお店しか行かない、という消費行動になりますね。

つまり店舗経営者は、これに乗り遅れたら経営が危機に瀕してしまうかも、ということになります。生き残りのために、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済に対応しましょう。今からでも遅くありません。古いレジをSquare(スクエア)などのタブレットやスマホを使ったレジに置き換えて、おしゃれにカード決済に対応してしまいましょう。

レジに置き換えについては、国から補助金も出ます。下記記事で説明していますので、ご覧ください。

QRコード決済であれば、下記記事に書いた通り、各社各様ですので、良いと思うところ、もしくは全部採用してみる(無料なので)というのも手です。


以上、「キャッシュはコスト」とはどういう意味か?消費者もお店もキャッシュレス化に対応しないと損しますよという話題でした。