安全なシニア起業の方法はこれだ

週刊東洋経済の2017年9月30日号に「定年後の仕事選び」という特集記事が出ていて、興味深いものでした。

まず、ここ最近は企業希望者も実際に企業する人も、だんだん若い人からシニア世代に移ってきているとあります。少し古いですが2014年の中小企業白書によると下図のとおりとなっており、2012年に起業した人の3人に1人は60歳以上です。

理由は金銭的な問題(年金だけだと足りない)がまず第一にあると思います。平均余命が80歳としても、定年後まだ20年近くもあり、この間の家計ファイナンスをどうするのか?という問題があります。人口構造が少子化・高齢化ですので、公的年金が減っていくのは当然のシナリオで、それに備える人が増えてきたと考えられます。

60歳というと現代ではまだまだ元気で活躍できる人も多く、そういう意味でもチャレンジしたい人が増えているのだと思います。

起業希望者と起業家の年齢別構成の推移 (出典:中小企業白書2014年)

ではどういう仕事で起業しているのか、というと、下図のとおり60歳以上の場合4割近くが「サービス業(他に分類されないもの)」で、次に多いのが「不動産業・物品賃貸業」となっています。要するに、これまでの経験や知見を生かしたコンサルタントのような仕事だったり、資格を生かした仕事だったりするのかと思います。不動産業というのはいわゆる賃貸アパート経営とか大家さんのような仕事でしょうか。

性別および年齢別の起業分野(出典:中小企業白書2014年)

ではこういった定年後の仕事を開始するにあたって、どのように始めれば安全で失敗しにくいでしょうか?

東洋経済の記事によると、そのひとつの方法は会社に勤めているうちから準備を始めることと、とあります。つまり、会社から安定した収入があるうちに、その会社を辞めることなく準備を始め、試行錯誤を開始するのです。これは副業を行うということなので、その会社が副業を認めてくれることが前提ですが、実際に業を営まずに様々な準備をするだけなら副業禁止の会社でもできるはずですので、有効な考え方だと思います。

もし副業が可能であれば、実際に仕事をするということになりまが、これまでの経験を生かした仕事といってもなかなか難しいかと思います。資格がなにかあれば、それを生かした仕事を始める、またはクラウドソーシングのようなサービスを使って単価発注ベースの仕事をするという方法も考えられます。まさに、上記データの「サービス業(他に分類されないもの)」に該当するような仕事です。

クラウドソーシングについて言えば、市場には各種サービスがありますが、東洋経済の記事では、特にシニアが経験を生かして働ける環境を提供できるものとして、経済産業省の関東経済産業局が運営している「マネジメントメンター登録制度」と、「ビザスク」というサービスを紹介しています。

マネジメントメンター登録制度は、公的機関が退職(予定)者とその経験を生かしたい中小企業をマッチングさせる制度で、登録すると企業との個別面談会に参加することができます。面談を通じて自分がもっている経験スキルが生かせる企業と契約して仕事することになります。退職予定者でも登録できますので、うまく仕事が見つかればスムーズに退職後のキャリアに入っていけると思います。

一方、ビザスクは「日本最大のスポットコンサル」とあるように、企業側から単発の仕事を募って、アドバイザーとして登録した人とマッチングするサービスです。企業としては特定の経験スキルを持った人材を単発で活用することができるため、より柔軟な人事を採用することができます。退職予定のシニアにとってもアドバイザー登録によって仕事を紹介してもらえるメリットがあります。

シニアが起業する場合、最初の難関はどうやって集客・営業するか?ですので、最初はこういったマッチングサービスを使って、個人事業主としての経験を積みつつ、これまで勤めた会社とは違う人的なネットワークを広げていく、という意味で意義があるものと思います。