【法人設立ワンストップ】会社設立の書類手続きを自分でやる方法【ぜんぶ無料です】

この記事は「これから会社(法人)を設立するのですが、自分で手続きするにはどうしたら良いですか?なるべくネットで済ませたいのですが」といった疑問に答えます。



「法人設立ワンストップサービス」が新登場

2021年1月より国が「法人設立ワンストップサービス」というオンラインサービスを開始しました。会社を新しく設立しようとするとき、これまでは様々な役所に様々な書類を提出しなければならず、とても手間のかかる作業でした。

司法書士などに依頼して代行してもらうこともできますが、報酬が数万円とそれなりに高額で、これから起業しようという人にとっては負担でした。この煩雑さとコストが新規事業育成の妨げになっているということで、国が今回の新しいサービスを立ち上げました。 





「法人設立ワンストップサービス」でできること

法人の設立に必要となる下記の書類をオンラインで作成し提出することができます全て無料で行うことができます。

また提出処理状況をモニターすることができ、現在処理中なのか完了したのかサービスの中で確認することができます。サービスが完了するとメールも来るので常に見張っている必要はありません。 

今まで書類の作成や提出のために各役所に出向く時間などが全て省略されることとなり、生産性の改善効果がとても大きいです。また現在の状況では新型コロナウイルスの感染拡大防止にとっても役立つものです。



「法人設立ワンストップサービス」で提出できる書類

法人設立の際に提出が必要となる書類には様々ありますが、中には必須で提出するものと、状況により選んで提出するものがあります。まず必須で提出ものとして以下の書類をこのサービスから提出することができます。

  • 電磁的記録の認証の嘱託(定款認証)(公証人役場)
  • 設立登記の申請(法務局)
  • 法人設立届出(税務署)
  • 法人設立・設置届(都道府県)
  • 法人設立・設置届(市町村)

電磁的記録の認証の嘱託(定款認証)はいわゆる「電子定款」の認証です。定款は紙に代えて電子定款にすると印紙代4万円を削減することができます。 ただし、定款を受け取るための面談手続きはオンラインではできず、実際にUSBメモリなどを持って公証人役場まで行く必要があります。またその時に認証手数料5万円を支払う必要もあります。

設立登記の申請は普通は定款の認証を受けたあとに法務局に行きますが、同時に申請することができるようになっています。

後の3つの書類は国税と地方税の支払いのために必要となる届出です。自分の経験では税務署への法人設立届は出してあるものの、都道府県や市町村への届出を忘れている人が多かったので、このサービスを使うことでそういったミスの防止にも役立ちます。

次に必須に近い書類として以下のものを提出することができます。

  • 青色申告の承認申請(税務署)
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請(税務署)
  • 給与支払事務所等の開設等届出(税務署)

青色申告は必須ではありませんがメリットが大きいですので提出をおすすめするものです。源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請は、給与や報酬の支払いをする際に徴収する源泉所得税の支払いタイミングを毎月から半年ごとに変更するもので、これも必須ではありませんが事務負担を下げるために提出します。

給与支払事務所等の開設等届出は、従業員がいなくても「ひとり社長」が自分に役員報酬を払う場合に必要となります。 ここは勘違いしやすいので注意しましょう。





社会保険関係の書類も提出できる

上記のものだけでも十分に便利なサービスですが、さらに社会保険関係の以下の書類もこのサービスを使って提出することができます。社会保険関係の書類は普通なら年金事務所やハローワーク(公共職業安定所)、労働基準監督署に出向く必要がありますが、その必要が軽減されています。

  • 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 (年金事務所)
  • 雇用保険の事業所設置の届出(公共職業安定所)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(公共職業安定所)
  • 保険関係成立届 (労働基準監督署)

法人を新設した場合、健康保険・厚生年金保険については「新規適用届」に加えて「被保険者資格取得届」さらに扶養者がいれば「健康保険被扶養者(異動)届」も出しますが、これらについては現時点でオンライン提出の対象になっておらず、結局年金事務所に出向く必要があるようです。この年金事務所の手続きは「ひとり社長」の場合でも保険に加入するために必要となるものです。

あとの3つは従業員を一人でも雇ったら提出が必要となります。ひとり社長なら提出は不要です。



利用にはマイナンバーカードとカードリーダーが必要

「法人設立ワンストップサービス」を利用するためにはマイナンバーカードとカードリーダーが必要となります。これはマイナンバーカードに付随する電子証明書で本人確認するためです。

オンラインで解決で完結できることは素晴らしいのですが、マイナンバーカードの作成はそれなりに手間でに時間がかかります。政府の様々なサービスがマイナンバーカードに集約されつつあり、今後は保険証や運転免許証もマイナンバーカードに集約されるという話がありますので、もしまだ作っていないという方は会社設立を機に作成されることをお勧めします。今であれば最大5000円がもらえる「マイナポイント事業」もやっていますので、これをモチベーションにするの良いかもです。

「5000円って何ですか?」という方は以下の記事をご参照ください。

また、カードリーダーはパソコンに接続する場合は Amazon などで以下のような製品を2000円程度で購入することができます。 パソコンがない場合でも iPhone など対応機種を持っていれば、マイナンバーカードを読み込むことができます。

公式サイトはこちら

法人設立ワンストップサービスのサイトはこちらからアクセス可能です。是非ご確認頂ければと思います。

https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/

以上、会社設立の書類手続きを自分でやる方法、という話題でした。政府もなんとかデジタル政府を実現しようとして努力しているようです。「法人設立ワンストップサービス」についてもまだ中途半端な面もあり、今後さらに改善拡張されていくことを期待しています。





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