【中小企業向け】リモートワーク歴10年の私が教えるテレワーク導入方法



リモートワーク歴10年の私が教えるテレワーク導入方法

コロナウイルスによる新型肺炎の拡散が止まりません。過度に恐れる必要がないという意見もあるようですが、警戒しない訳にはいかないでしょう。 

このため、すでに多くの大企業では従業員の一部在宅勤務が始まっています。

ですが、中小企業ではなかなかそうもいかず、まだ出勤を続けているところが多いようです。人の命に関わることですから、「そろそろリモートワーク(テレワーク)の導入を考えたい・・・」と考える経営者も多いでしょう。

「でも、どうやって?」が問題です。中小には情報システム部なんてありませんから、みなさん悩まれると思います。そこでこの記事では、これで10年以上リモートワークの経験がある私が、中小企業向けに割と簡単でコストをかけずに導入可能なリモートワークの方法について説明します





導入ソリューションのポイント

中小企業の場合は大企業のようなコストをかけたシステムの構築や導入は難しいでしょう。なるべく、既存のサービスなどを活用してなるべく安く、かつ明日からでもさっと導入できることが大事です。

そのような観点で以下にいくつかのソリューションを紹介します。

  • ネットワーク環境(WIFI)の整備
  • ノートパソコンの準備
  • VPNの準備
  • 連絡手段の導入
  • 会議システムの準備
  • 勤怠管理について


ネットワーク環境(WIFI)の整備

自宅など会社以外の場所から仕事するとなると、最初に問題になるのはネットワーク回線です。多くの人は自宅にットワーク回線を契約して、WIFIルーターを設置していますが、全員がそうだとは限りません。

最近ではスマホ1つでいろいろなことが用が足りるため、別途ネットワークを引いていない人も多いです。また、仮にネットワークがあったとしても仕事で使うとなると、費用の負担は個人と会社でどうするのか?といったややこしい問題があります。

この問題について一番簡単な解決策は会社でモバイルタイプのWIFIルーターを契約して従業員に貸し出すことです。特に最近は「クラウドSIM」というタイプのWIFIルーターが1台あたり月額3000円程度で出ており、契約期間の縛りもなく、工事も不要ですから、簡単にリモートワーク用のネットワーク環境を提供することができます

クラウドSIMを使ったタイプで代表的なものは次のとおりです。

  • クラウドWi-Fi :利用制限なし。契約縛りなし4/21より新規申し込み停止中
  • どんなときもWIFI:最近テレビCMでもおなじみ。利用者が増えている4/3より新規申し込み停止中


ノートパソコンの準備

ベストなのは会社でノートパソコンを支給することですが、普段会社でデスクトップパソコンだったりすると、どうするのか?持って帰るのか?ということになります。

今ではノートパソコンは低価格化が進んでおり、1台5万円前後でそれなりの性能のものが買えますので、この際古いデスクトップパソコンを置き換える意味でも購入すると良いでしょう。

例えば、アマゾンには「5万円前後で買えるノートパソコン」が数多く販売されていいます。こちらのHP製パソコン(執筆時45,980円)くらいのスペックがあれば、普通の事務仕事で困ることは無いでしょう。



VPNの準備

VPNはバーチャル・プライベート・ネットワークの意味で、家のWIFIを使って会社のサーバ(LAN)などにアクセスするために、より強固なセキュリティ(暗号化)を行うものです。家のパソコンからの会社のサーバーまでのデータ通信についても安全なネットワーク通信をすることが出来るようになります。

もともと会社のデータも【Google G Suite】などでクラウド化しておけば、こういったものはあまり必要はないなのですが、現実には会社のLANにアクセスしないと仕事にならないということがあるでしょう。

コロナ問題の長期化を考えると、会社にとって重要なデータを守るために「あった方が良い」ものです。

もし未導入であれば、こちらの【どこでもLAN】などご検討を。大企業が使うようなVPN専用ルーターを設置しないので、比較的安価に導入可能です。



連絡手段の導入

顧客との連絡や、同僚どうしの会話をどのように行うか?も問題となります。すでに会社からスマホを支給しているのであれば、それを使えば良いですが、そうでなければパソコンで動作する通話ソフトを使うという手があります。

上記のとおり、ネットワーク環境さえ提供できれば以下のようなソフト(アプリ)を使って連絡を取り合うことができます。

  • Discord無料で複数人通話できる
  • Skype無料で複数人通話でき有料で固定電話や携帯電話にもかけられる
  • Slack無料でも使えるビジネスチャットツール。有料なら複数人通話も可
  • Chatwork基本Slackと同じ。日本製
  • Teams基本Slackと同じ。有料版はOffice365に含まれている

「えっ?メールでいいでしょ」と思われるかもしれませんが、最近ではメールよりもこういった手軽なチャットがコミュニケーションの主流になっており、慣れればメールに戻りたくないくらい効率的かつ効果的なのです。

また、お客様から代表電話などにかかってくる電話をどうするか?という問題がありますが、音声ガイダンスを流すなどして、「在宅勤務体制のためすべてメールでの対応に切り替えています」といったメッセージを流して、メールに導くのが良いです。自社のWebサイトに「お問い合わせフォーム」があれば、Webサイトに誘導するという手もあります。

リモートワーカーにとって電話対応は難しく効率が悪いので、そもそも無くす方向に行くのが正解です。





会議システムの準備

普段のちょっとした会話や通話といった用件であれば、上記のようなソフト(アプリ)とメールがあれば事が足ります。ですが、どうしてもみんなで集まって「会議」がしたい!という人もいるでしょう。リモートワークに馴染めない人ほどそういう傾向がありますので、そのような人の精神衛生も考慮して準備しておくという話です。

また、客先に提案内容を説明したりといった、電話会議よりもすこしフォーマルな打合せを設定したいという場合もあります。

このような時は会議システムが使えます。最近では割とZoom」の一択になっており、多くの利用者がいます。人気の理由は扱いが簡単なことです。Zoomが使えなくて困ったという人を知りません。

ZoomはWeb会議システムで、複数人で音声・映像(パソコンのカメラ)・画面を共有して会議することができます。Zoomの良い点は、無料プランの場合、3人以上の会議に40分の利用制限があることです。

この利用制限は悪い点ではなく良い点です。このため全員集まっての「会議」は40分まで!と決めて始めるとだらだらすることが無くなり、非常に効率が良いからです。重要なことから先に話し始めて、時間切れしたらあとはチャットアプリやメールでフォローする、といった流れで進めると、拘束時間が短くて済みます。

むろん、有料プランに入ってもっと長く会議することもできますし、客先へのプレゼンなどであれば40分で失礼という訳にはいかず、有料プランが必要でしょう。

  • Zoom無料でも1対1なら無制限でWeb会議できる

(4/6注記追加)Zoomのセキュリティ問題が報道されており、信頼性が低下しています。Zoomの代替えとなるWeb会議システムについて以下の記事で説明しています。





勤怠管理について

リモートワークの課題の一つが従業員の「勤怠管理」です。裁量労働制が適用されない職種の場合には、法令上も管理者は労働者の勤怠を管理する責任があります。

ある意味においては「長時間労働になっていないか?」ということですし、別の意味では「”定額さぼり放題”になっていないか?」ということです。

それで、会社によってはPCの内蔵カメラを使って「仕事しているかどうか監視する」といった、馬鹿げたことをしているようです。これではプライバシーの侵害の可能性もありますから、もうちょっとマイルドな方法が良いです。

そこでおすすめなのはiruca」のような在席管理ツールを導入して使うことです。ツールを導入するとチームのみんなが仕事中かどうか、席を外していたり、休暇だったり、といった状況を見ることができます。

もちろんここでウソをつかれてしまえばそれまでですが、自分の経験でもお互いを信じて運営するということで十分に仕事が進みます。

  • iruca:無料。ユーザー登録さえ不要ですぐに使える

以上、リモートワーク歴10年の私が教えるテレワーク導入方法、という話題でした。コロナウイルスの問題は厄災に違いないですが、ピンチをチャンスに代えて、この際リモートワーク(テレワーク)できる体制・環境を整備すると良いです。

そうすれば、平時に戻った際に生産性向上だけでなく、リモートワークができる会社として人材確保面でもアピールすることができ、メリットが多いからです。

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