この記事は「Web会議のZoomがセキュリティの問題で心配。他に使えるものはないでしょうか?」といった疑問に答えます。
目次
Zoomのセキュリティ問題
これまでWeb会議といえば、その使いやすさと安さ(無料で40分まで複数人で使える)から、同僚や取引先とのちょっとしたWeb会議なら「Zoom一択」という感じでした。
ところが、テレワークで世界中で利用者が増えたためか、最近Zoomのセキュリティについて問題が報じられるようになりました。情報処理推進機構からも次のように警告が出ています。
なかでも会議への侵入や利用者情報の漏洩は、仕事で使うには危険です。これではお勧めできません。
ありがたいことに、Web会議は他にも使い勝手が良いものや、無料もしくは比較的安く使うことができるものがあります。今回はZoomの代替となる5つのサービスを紹介します。
Zoomに代わるおすすめWeb会議システム6選
次の6つです。
- Microsoft Teams
- Google Meet
- Webex(ウェブエックス)
- V-CUBE(ブイキューブ)
- LFV(ライト フレッシュボイス)
- Chatwork
以下に、それぞれの特徴や料金を説明します。
Microsoft Teams(5月16日更新、6月20日更新)
最初におすすめなサービスはマイクロソフトのTeams(チームス)です。
Teamsはアプリをインストールすると、ユーザー同士で音声(ビデオ)会議をしつつ画面共有で資料を共有することができます。
TeamsはMicrosoft 365 サービスの一部として提供されているため、すでに365を導入している利用者なら追加料金なしに使うことができる可能性が高いです。つまり、365の法人契約があれば、すでにライセンスを持っていますので、後はインストールして使うだけ、となります。
具体的には法人向けの料金プランでは、Microsoft 365 Business Basic(Word/ExcelなどOffice製品が使えない)なら年間契約で1ユーザー月540円、Microsoft 365 Business Standard(Officeが使える)なら年間契約で1ユーザー月1360円からとなります。こららの料金にTeamsも含まれます。
普通の会社ならMicrosoft 365 Business Standard以上で契約していることが多いので、すでにライセンスを持っているということになります。
Teamsには無料プランもあります。録画ができない(これが痛い)、Outlookとの連携ができないといった一部の機能が制限されますが、ふつうにWeb会議をするだけなら無料版でも大丈夫です。
Teamsの機能改善が続いており、最近では音質がずば抜けて良くなっています。たぶんサーバーの能力を増強しているのだと思います。
Google Meet(4月11日追加、5月16日更新)
Googleが提供しているビジネスパッケージ「G Suite」の中にもWeb会議システムがあります。それが「Google Meet」です。
もともとGoogle Meetは「G Suite」の価格体系の中でも上位となる「プレミアム」プランに含まれるサービスですが、記事執筆時点で他の料金プランの利用者でも無料で使えるように解放されています。Googleのコロナ対応のひとつということです。
最大250人が参加できるWeb会議を実施でき、Googleドライブに会議を録画することも可能です。
無料開放は「ベーシック」プラン(月額680円)も対象となっており、かなりのお得感があります。
2020年5月よりGoogle Meetも無料開放となっています(録画など一部の機能が制限されます)。一般のGoogleアカウントがあれば使えるようになりました。ただし、2020年10月以降は無料では60分までの制限付きとなります。
Webex(ウェブエックス)
Webexは米国シスコシステムズが提供するWeb会議システムで、グローバル企業に多く採用されて信頼性が高い特徴があります。ユーザインタフェースが直観的で使いやすいです。
Webブラウザーから会議にアクセスしますが、最初の1回目だけソフトウエアのインストールがあります。
Webexにはの主催者1人だけなら無料プランがあり、100 人が参加できるビデオ会議、画面共有、パーソナル会議室などを使うことができます。主催者が2人以上なら小規模チームプランで1人月額1490円からとなり、録画機能なども使えるようになります。
V-CUBE(ブイキューブ)
上の2つと異なり、V-CUBEは和製のWeb会議システムです。日本では13年連続シェアNo.1で5,000社を超える導入実績があり、企業だけでなく公機関にも導入が多いです。
それだけ信頼性が高く、機能面も過不足が無いものです。
ただし、料金は少し高くなっており、ベーシックプランなら9ID(会議の主催権限者が9人まで)で年間契約1ユーザー月2000円となっています。このID数というのは会議の主催(会議室の設定)をする権限を持つ人の数という意味です。参加者の数ではありません。
1つのID(会議室)で50人まで会議(入室)可能ですが、部署ごとに会議室を設けるような場合には複数のIDが必要となります。
ユーザーサポートなどトータルに考えて、日本企業向けとしては良いものです。
LFV(ライト フレッシュボイス)
LFVはログインもソフトやアプリのインストールも不要で、会議用のURLを作って、参加者に配賦するだけでWeb会議ができるのが特徴です。使い勝手としてはZoomに近い簡便さです。
リモート営業などで、お客様の手を煩わせたくない、なるべく簡単な操作だけで会議をしたい、といったニーズによくはまります。特に会議したい相手がパソコンが苦手な方の時に威力を発揮します。
また高セキュリティが売りで、実際に一般企業だけでなく公機関の導入も多くなっています。
ただし、料金が高めです。主催者の数と必要な会議用URL数の組み合わせで料金が決まる仕組みで、例えば5人の主催者がそれぞれ1つずつ会議用のURLを持つとすると、月額27000円となり、さらに初期費用として10万円が必要です
Chatwork
Chatworkはもともとビジネスチャットツールですが、機能の拡張が続いており、複数人でのビデオ通話/音声通話もサポートするようになりました。
ビジネスチャットツールを導入したい予定があるなら、Chatworkを採用すると比較的安価にWeb会議機能も合わせて導入することができます。
料金は、組織で導入する場合「ビジネスプラン」なら年間契約で1ユーザー月500円から、となっています。無料プランもありますが、1対1でのWeb会議しかできず、かつ広告も表示されてしまいます。
以上、Zoomに代わるおすすめWeb会議システム5選、という話題でした。
Zoomの代替案としては、Microsoft (Office) 365導入企業なら、無料で使えるTeamsが第一候補となります。もしMicrosoft (Office) 365を持っていないなら、WebexやChatworkといったところが比較的安価な代替えとなります。日本での実績やユーザーサポートを重視するなら、V-CUBEをお勧めします。
どれを選んだとしても、利用者急増に伴うパフォーマンス(遅延)の問題はあるでしょうし、セキュリティはそもそも自社の対策も重要なものです。
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