日本企業の競争力低下のせいか、外資系企業への転職(就職)を考える人が増えています。その場合に気になるのが「自分が外資系企業に転職して通用するのかな?」ということでしょう。
この記事では、米国系の外資系企業で30年働いた経験をもとに、転職の前後でどんなスキル(資格)を身に着けたら良いかを説明します。
目次
3つの基本スキル
外資系企業に限らず、現代のビジネスパーソンに求められる3つの基本スキルが、「IT・ファイナンス・英語」です。
どこでどういう仕事をしようが、この3つを備えておけば、周囲と差別化することができ、また、人生の質を向上することができます。外資系企業の転職(就職)においても、この3つのスキルを軸として、自己成長させましょう。
まずは英語から
外資系企業ということを考えると、まず最初に着手すべきはやはり「英語」です。仕事を進めていく上での前提条件となる場合があるから、です。
ですが、下記の記事に書いたようにそれほど心配しなくても良いです。中学~高校レベルの初歩的な英語さえ読み書きできれば、とりあえずはなんとかなります。
仕事にもよりますが、外資系だからといって決して「ペラペラ」である必要はありません。
職種に応じてスキルを身に着ける
外資系企業の場合は幅広い知識を持ったオールラウンドプレイヤーの方が有利です。有利と言うかクビになりにくいです。
スキル一本の勝負ですと、そのスキルを必要とする仕事がなくなった時にクビになる可能性が高いです。そのような場合に、どこか別の仕事に移れるように裾野を広げたスキルを身につけておくことが必要です。
エンジニアの方であれば自分が得意とするコアスキルの周辺スキルも身につけるようにしましょう。プログラム言語であれば一つをコアとして、それに関連するものをいくつか勉強するようにしておきます。
こちらのようなオンラインブートキャンプでプログラミング力をつけていきましょう。説明会は参加無料です。
事務系の方であれば自らの専門スキルにプラスしてITとファイナンスのスキルを備えましょう。どちらもコップ専門性は必要ありません。 IT であればエクセルのマクロや関数の操作まで押さえます。これにより生産性が上がるからです。
ファイナンスであれば簿記3級やできれば2級の知識をつけましょう。簿記で会計を勉強することでお金の動きや数字に強くなることができるからです。
職種に応じてこういった汎用性の高いスキルを身につけていくことが重要です。
MBAは必要か?
私たちの時代1990年代では外資系企業への転職といえば MBA は必須という考え方がありました。私も95年に27歳で MBA を取得しました。
その結果 MBA が外資系企業での仕事に役に立ったかと言われると、正直に言って直接的に役に立ったという気はしません。特に MBA だからといってそれだけを条件に給料上がったり昇進したりすることはないからです。
ただ MBA を通じて得た知識や力が普段の仕事に間接的に役立った、ということは実感としてあります。
この経験から、もしみなさんが20代や30代であるならば 、MBA を取得することは意義があると言えるかもしれません。留学で得られる経験や友人は何事にも変えられないものだからです。
ですが、すでに40代50代であれば MBA の取得にかかる時間やコスト、取得後に残された時間を考えると、取得後に必ずしも充分なリターンを得ることができないかもしれません。
今の時代であれば、もし40代や50代なら、物理的に MBA 留学をするよりは、そこで得られるはずの知識を、下記グロービスのビジネススキル動画で習得する方がむしろ効率的でしょう。
こういったオンラインスクールで得られるビジネス管理の一般知識だけはあったほうが良いです。これらの知識は外資系企業において常識とされるものだからです。
実は役立つ日本的スキル
これまで日本企業でしか働いたことがなかったとしても、日本企業の中で培ってきた日本的スキルは外資系企業でも非常に役に立ちます。日本法人であればお客様は日本企業ですので、日本的な考え方は必要です。
特に「おつきあい」とか「おもてなし」の姿勢や、長期的な視点に立った「継続的改善」のスタンスは海外の企業にはあまりないので、理解されにくいことがあります。特に接待というだけでなく、ホスピタリティとして礼儀を尽くすや、和を以て貴しとなすということがあると思いますが、これらの考え方は外資系企業であっても十分役に立ちます。
従って、これまでの日本企業での経験が活きるという局面は必ずありますので、そこは大切にしておくと良いです。
外資系企業への転職なら
外資系企業への転職にあたって自分が通用しそうかどうかというのは、自分ではなかなかわからず不安になるでしょう。そのような時は転職先を紹介してくれるエージェントに相談すると良いです。
リクルートエージェント では、キャリアアドバイザーとして専門の担当者が皆さんの相談相手になってくれます。
自分が持っているコアスキルを中心に、上記の3つのスキルを備えつつ、キャリアアドバイザーからコンサルティングを受けてみましょう。 目指すキャリアを実現するために、次にどうしたら良いかアドバイスしてくれるはずです。
以上、外資系企業をへの転職を希望するならこんなスキルを身に着けよう、という話題でした。一人で悩むことなく、他人に相談して客観視してもらう、ということも重要です。素直に耳を傾けてみましょう。