先日ニュースにてマイクロソフトの日本法人が週休3日制を導入すると知りました。詳しくはこちらの記事にあります。
マイクロソフトが「週休3日制」を導入するわけ | ワークスタイル | 東洋経済
週休3日制といっても恒久的なことではなく、2019年8月の1か月間トライアルということのようです。ですが、野心的な取り組みには違いありません。
記事を読んで分かる通り、仕事の量そのものが減るわけではなく労働日数だけが減るということですので、マイクロソフト の社員は生産性の向上をを求められているということになります。
問題はその生産性の向上をどうやって実現するか?という点です。この記事では老婆心ながら自分だったらこうすると言う、生産性の向上方法を検討してみたいと思います。
目次
ワークライフバランスの現実とは
そもそも日本の労働者については、労働時間が長い割にはアウトプットが少ないという現実があります。下図は2015年のデータですが労働時間と余暇時間の年代別のバランスを示しています。労働時間は単純に仕事してる時間です。これに対し余暇時間はレジャー以外の通常の生活時間(食事やお風呂など)も含んだものです。
(出典:長時間労働の現状 – 内閣府)
これを見ると男性の30代から50代で労働時間が異常に長いことがわかります。それに見合ったアウトプットが出ていればいいわけですが、経済の実態や国際競争力を見ると必ずしもそうではありません。
誤解を恐れずに言えば、「だらだら仕事して結果が出ていない」ということです。邪推ですが、恐らくマイクロソフトでさえも同様な問題意識があり、今回の8月のトライアルを使って生産性を強制的に上げる挑戦を行っているのでしょう。
これは マイクロソフトに限らず世の中一般の日本企業にも当てはまる問題です。
どうやって生産性を向上させるか?
ではどうやったら具体的に生産性を向上できるでしょうか。もちろん星に願うばかりで具体的な行動を起こさなければ、生産性を向上することはできません。
マイクロソフトの事例を見ると、クラウドアプリケーション等を活用して生産性を上げてほしいと言ったことが書いてありますが、おそらく不十分と思います。なぜなら、すでに Office 365をはじめとして充分にこれらの先進的なツールが使われているはずで、今更ツール的な解決策は機能しないはずです。
自分の時間の使い方を分析しよう
私は生産性の向上には現状の分析が不可欠であると考えています。
毎日1日24時間の時間の使い方を細かく分析して、どこに問題があるのか検証することが重要です。1日24時間はすべての人に公平に与えられていますので、生産性が高い人と低い人の違いがあるということは、時間の使い方に違いがあるということになります。
私自身が実践している分析のやり方は、1日のうちの睡眠以外の時間を1時間おきに区切って、それぞれの1時間に主に何をしていたか毎日記録することです。これによって何にどのくらいの時間をかけていたか後から分析することができます。
具体的な方法については、こちらの記事に書きましたのでご参照いただければと思います。
私はこの生産性分析を2年近く続けていて、生産性改善のポイントを見つけることができています。また複数年にわたってデータを取っていますので、前年同月比の比較も可能となり、生産性改善の効果を実感することができています。
「メール処理」を改善する
生産性の改善は仕事だけでなく生活面にも及びますが、私の場合についていうと、特に仕事に関して最も大きな改善の機会があったのは、「メール処理」「会議」「通勤」の三つでした。
最近はチャットツールによる仕事のコミュニケーションも増えてきていますが、まだまだメールを使った仕事のコミュニケーションが多いです。このためメール処理の効率化は欠かせません。
メール処理の効率化で一番効き目があったのは、メールソフトを閉じるということです。以前は1日中メールソフトを使って、なるべく早く返信するの良しとしていましたが、途中でこれが誤解だと気が付きました。
メールを1日やっているということは、実は非常に生産性の低い仕事の仕方です。
今ではメールは朝と午後の1日2回しか見ていません。また返事は朝1回1時間程度でまとめて書いています。もちろんどうしても緊急なものがあれば午後メールを見た時に返事しますがそれは稀なケースです。
こんなメールレスポンスで大丈夫なのか?という心配もされるかもしれませんが、実際何も問題ないのです。むしろ余計なレスポンスをしないことにより、仕事全体のアウトプットの生産性と品質が向上しました。
騙されたと思って試してみてください。
「会議」を改善する
会議もだらだら仕事の代表例で改善の宝庫です。
会議についてはまず回数を減らしましょう。また1回あたりの時間を減らしましょう。例えば今まで一回2時間の会議であれば意図的に90分で済ませるようにします。
会議の形態も必ずし参加者が物理的に集まる必要がなければ、電話会議や Web 会議に切り替えましょう。
また、会議の参加者も減らしましょう。一言も発言がないような人はもともと必要ないので会議から除外しましょう。
さらに議事録を簡略化しましょう。これまでの定型的な議事録の書式は捨てて、簡単なメモ書きに変えます。こちらに箇条書きで決定事項とのアクションアイテムだけ記載します。アクションアイテムには誰がいつまでに何をするのか簡潔にまとめます。
「通勤」を改善する
通勤は必要がなければしないというのが基本です。毎朝満員電車に揺られて会社まで行って、ひたすらパソコンの前で仕事をして帰るのであるならば、往復の通勤時間は単なる無駄時間です。
会社には人と直接会ったり、物理的な用事がない限りは、なるべく行かないほうがいいです。自宅などで仕事できない理由があれば別ですが、そうでなければ意味なく会社に出かけて行く理由はありません。
会社に行かないことで、時間だけでなく、交通費、体力(健康)など様々なものがセーブできます(その代わり水道光熱費が自腹になりますが)。
通勤をする必要がある場合でも、通勤時間を何かの勉強にあてるとか、睡眠をとるとか、生産性の向上に役立てるように使いましょう。
以上、マイクロソフトの週休3日制導入で考える適切な生産性向上とは?という話題でした。マイクロソフトは日本人の生産性改善という壮大な問題意識にチャレンジしているように見えます。立派としか言いようがありません。ぜひ8月のトライアルの結果についても教えてほしいものです。
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