不労所得として様々な手当をもらう
不労所得のもう一つの考え方は、他人に養ってもらうということです。と言っても、「ヒモになれ」という訳ではなく(もしなれるならそれでも良いのかもしれませんが)、ここでは公的な機関に生活を支えてもらえる仕組みについて説明します。
目次
失業手当で暮らす
失業手当というのは雇用保険の失業給付のことで、次の職を見つけるまでの間、雇用保険から支給されます。失業といっても事情は様々ですので、会社都合によるものか自己都合によるものか、また前職に何年勤めていたか、などの条件で受給期間が異なります。
例えば、10年勤めた会社を自己都合で辞めた場合は、約3ヶ月後から120日間支給されます。支給額は失業前6ヶ月の給与を元に計算され、その日額の50%から80%ほどが支給されます。ただし、日額上限があって、たとえば45~59歳であれば日額7,810円が上限です。
雇用保険料の支払いは労使折半です。つまり、もともと自分が払っていた保険料が戻ってくるだけという面があり、厳密には不労所得ではないのですが、せっかくいただけるものなので、フルに活用しましょう。
あまり焦ってブラック職場に行くよりは、半年くらいのんびりして、じっくり職探しをすれば良いのです。
年金で暮らす
年金も不労所得と呼ぶのは語弊がありますが、「高齢」や「障害」など収入を得るのが困難になった時に、生活を支えるために働かなくてももらえるお金です。社会的なセーフティネットとして重要ですが、年金ほど複雑で分かりにくいものはありません。
年金は人によりケースバイケースで違いますので、日本年金機構の相談窓口に問い合わせるか、私のようなファイナンシャルプランナーに相談しましょう(お問い合わせはこちら)。有償になりますが、個別の事情に踏み込んでアドバイスが可能です。
全国の相談・手続き窓口|日本年金機構
http://www.nenkin.go.jp/section/soudan/
そこまでしないまでも「ねんきん定期便」が送付されて来たら、おおよそどのくらいの年金がもらえそうか、の把握をしておくようにしましょう。現時点では原則として65歳から受給開始ですが、この少子化・高齢化の折、この年齢が引き上げられたり、定期便に書いている金額より少なくなったりする可能性もあります。
したがって定期便の内容を鵜呑みにするのではなく、自分の老後は自分で守る、という積極的な姿勢が若い世代ほど大事です。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)などを活用して計画的に資産形成しましょう。下記の過去記事も確定申告の方法ですが、参考にどうぞ。
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を始めた場合
http://cinqplans.com/finance/20171208
再雇用給付金をもらう
多くの会社では60歳が定年ですが、本人が希望した場合は雇用者は65歳まで雇用する義務があります。ですが、定年後の再雇用という形になり、多くの場合は給与が定年前より少なくなります。
いろいろな会社の人事の人に伺うと、大体20-30%程度は少なくなるようです。定年間際に市場価値より高く貰っていたものが、市場価値に合わせた給与になるため、このような減額が生じるのでしょう。技術者など高度な市場価値があれば、再雇用でもそれほど下がらないはずです。
ですが、生活する方からすると、この減額は痛いです。急に家計を縮減することほど難しいことはありません。そこで雇用保険から再雇用給付金(正式にはは高年齢雇用継続基本給付金)をもらって減額を補填するという制度があります。
もし75%未満に低下した場合に、60歳以降の各月に支払われた賃金額の、最大で15%が給付金として支給されるのです。誰も教えてくれないので意外とこれを知らない人が多いのですが、不労所得の一種なので、損をしないように覚えておきましょう。
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傷病手当金・保険金で暮らす
万が一病気になって仕事できなくなったら?というのは常にある不安です。民間の医療保険などに加入していれば、入院や手術に対して保険金が支払われます。これに加えて、会社員であれば、健康保険から「傷病手当金」の給付を受けることができます。
傷病手当金は医師の証明により給料の3分の2程度が1年半程度の期間支払われる制度です。金額や期間はその人が所属している健康保険組合によって違うので、自分の場合どうなのかは確認するようにしましょう。
個人事業主の国民健康保険では、残念ながらこの制度が無いので、医療保険(個人的には県民共済の医療保険がコスパが良くてオススメ)や商工会議所や業界団体の休業補償に加入しておくと良いでしょう。
休業補償プラン – 商工会議所の保険制度 – 日本商工会議所
https://hoken.jcci.or.jp/leave-compensation
私も傷病手当金を受けた経験があるのですが、長い人生では意外と万が一の事態が発生するものです。普段は保険料が高くて文句を言っていても、これほどありがたいものはありませんでした。不労所得というのんびりした話とは違いますが、良い時ほど悪い時を想定して備えておきましょう。
生活保護で暮らす
生活保護制度は「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的」(厚生労働省ホームページより引用)としており、事情により扶養義務者からの扶養を受けられない場合に個人個人の状況に応じて扶助するものです。
それぞれの地域を管轄する福祉事務所を通じて申請すると生活費、家賃、教育費など内容に応じて扶助が支給されることになっています。年金やその他の収入で足りない部分を補うように支給されます。
生活保護は不労所得といえば不労所得ですが、当然ながらこれを積極的に活用しようという性格のものではありません。中には悪用を考える人もいてたまにニュースにもなります。ですが、本当に必要であればためらうことなく申請して活用すべきです。平成28年1月の統計では保護率は1.71%となっています人口100人あたり1.7人が生活保護制度を利用している計算になります。まったく恥ずかしいことではないでしょう。
以上、不労所得をもらって他人に養ってもらう、という話題でした。不労所得のヒントはこちらの本「週4時間だけ働く」にも。よかったらどうぞ。(画像をクリックするとアマゾンのページに移ります)
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