この記事は「サラリーマンとして将来に不安があります。このまま定年まで過ごしてしまって良いのでしょうか?」といった疑問に答えます。
目次
継続雇用される人が多い実態
50代も半ばに来ると60歳還暦という人生の節目が間近に感じられてくるようになります。 サラリーマンの場合は多くの会社が60歳を定年としていますが、法律で65歳まで希望する人を雇う事が義務付けられており、多くの企業で再雇用制度(継続雇用制度)を導入しています。企業によっては定年を廃止したりしているところもありますがまだマイナーな存在です。
統計調査によると、そうした継続雇用制度がある企業では85%の人が制度の適用を選択し、残りの15%の人が60歳の定年で退職しているということです。 60歳を過ぎて会社にしがみついている人が85%もいるということです。
この数字は実際に企業で観察される様子とほぼ一致しています。 ほとんどの人が60歳を過ぎて会社と継続雇用の契約を結んでいます。
継続雇用は社会的損失
人生100年時代といわれ60歳ではまだほんの半分と少しという若さなのに、なんとなくやる気を失ってただ会社にいるだけという人が多く観察されます。こういう人たちを見ていると本当にもったいないなぁ、社会的損失だなぁと思うわけです。
先日パナソニックで大規模なリストラがあるというニュースが報じられていました。そのリストの対象者にはこの継続雇用者が含まれるということが説明されていたわけですが、パナソニックでは継続雇用者のことを「ネクストステージパートナー」と呼んでいるそうで、このカタカナのキラキラ感がなおさら哀愁漂う感じになっています。
このネクストステージパートナーたちがなぜやる気がないかと言うと、パナソニックにおいてどうかはわかりませんが、一般的には継続雇用制度に入ると60歳定年時の年収の40%から50%ぐらい減収になると言われています。
仕事が大して変わらなかったとしても年収だけ半分に下がるのです。これではやる気を維持しろというほうが無理です。これは違法では?ということでいくつか裁判になった事例もありましたが、結局多くは原告敗訴つまり給与の減額は妥当なものだと考えられています。
燃えカスの5年間
こうなりますと、まあなんとなく会社で過ごして生活費を頂こうという気持ちしか起きないでしょう。会社の方も遠慮してお手伝いのような仕事しか与えないということもあるかもしれません。
私自身はこの60歳から65歳までのやる気を失った5年間を「燃えカスの5年間」と呼んでいます。 かつて大活躍で成長をリードしてきた人たちが燃えカスのようになってただ時間を過ごしているように見えるからです。
「燃えカスの5年間」に向けてどう生きるか
問題はどうしたらこの「燃えカスの5年間」を避けて、同じ5年間を人生において意味のある時間にできるか?ということです。
ひとつの考え方は60歳から65歳までも会社の中で重要な仕事をバリバリとやって行くということですが、先述の通り報酬が伴いませんので必然的にうまくいかない気がします。お金だけがモチベーションではありませんが、頑張っても半額というのはさすがにモチベーションが続きません。
もう一つの考え方は60歳でさっくりと会社を辞めてそれぞれのネクストステージへと進むことです。少なくとも自分はこちらの考え方で行こうかなと思っております。
この時に問題になるのが60歳から年金受給開始の65歳までの収入をどうするか?ということです。 この問題は収入の柱をあらかじめ増やしておくことで解決することができます。つまりなるべく早いうちから、副業と言うか複業の状態を作り準備しておくのです。
60歳に到達してから急に別の仕事をしようとしてもなかなかうまくいくものではありません。企業での経験しかない普通のサラリーマンの場合まともな転職先もないでしょう。
従って60歳以降は個人事業主またはひとり社長として自分で事業をやって行くということになります。その準備を40代とか50代のうちに開始する必要があるのです。
私自身はこの問題に37歳の時に気が付きました。それで税理士試験の勉強を開始して11年かかりましたが税理士試験に合格し、今税理士になっています。税理士の仕事は60歳以降も続けることができますので、会社にしがみつく必要がありません。
周りを見ていると会社の仕事ばかりして忙しく現在トップパフォーマーだったとしても、将来のことはあまり考えていないというタイプの方は多いです。もし自分がこのタイプだという方は「燃えカスの5年間」を避けるために、今のうちから準備を開始しましょう。
個人事業主またはひとり社長として自立して生活していけるような「何か」を探していまからトライアンドエラーを始めることが重要です。
以上、「燃えカスの5年間」に向けてどう生きるか、という話題でした。コロナ禍による在宅勤務で通勤時間が浮いたという方が多いはずで、その浮いた時間は収入の柱を増やすための時間に充てるのが合理的ですね。
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