【中小企業フリーランス】税理士の探し方・選び方。顧問契約する前にチェックしておくべき10個のポイント


税理士の探し方

これから税理士を探したいという場合には、いくつか方法があります。詳しくはこちらの記事に書いた通りですが、最近では多くの方が税理士ドットコム 税理士紹介ネットワーク のようなマッチングサービスを利用して税理士を見つけています

こちらの記事では、そういったマッチングサービスで紹介される税理士の中からどのようにして自分に一番合う人を選んだら良いのか?といった疑問に答えます。





(1)経営相談ができる税理士

最も重要なポイントは、その税理士があなたにとって経営相談ができる相手かどうかということです。税理士は単なる記帳代行や税金の計算といってサービスを提供するだけでなく、中小企業の社長や個人事業主にとって、経営相談ができるパートナーでもあります。

逆に言うと、税理士以外にはそう言った普段相談できる人がなかなかいない場合が多いので、定期的には税理士が経営相談の相手として最もふさわしいということになります。

その税理士がこれまで顧問先の経営にどのようにサポートしてきたか、尋ねてみると良いでしょう。できればあなたの業界と同じ業界の他社で経営をサポートした経験があれば、さらに良いです。





(2)複数資格ホルダーである税理士

税理士のなかには、他に弁護士、社労士、中小企業診断士、宅建士など複数の資格を持って事業を営んでいる人がいます。こういった税理士はそれぞれの分野の専門家でもあり、相談することもできますし、またワンストップサービスを実現してくれる存在でもあります。

例えば事業で土地や建物の売買を行ったりすれば、普通なら別途不動産業者を探す必要がありますが、税理士兼宅建士(宅建業者)という人であれば、ワンストップで済みます。場合によっては手数料がすこし安くなるかもしれません。

複数資格ホルダーだと顧問料が高いのでは?と思われるかもしれないですが、必ずしもそうとは限りません。人や場合によりますので、あなたにとって利便性の高い人を探しましょう。





(3)料金メニューが明確な税理士

自身のウェブサイトなどで料金メニューを明示している税理士を選びましょう。

ウェブサイトを持っている税理士であれば、大抵は料金の表示がありますので、検索して確認すれば良いです。

顧問料と法人税や消費税といった各税目の決算手数料が一番重要なポイントで、次にオプション料金を見ます。記帳代行や、年末調整、税務調査の立ち合いといった付随して発生する作業の料金を確認しましょう。

なお、税理士料金には地域性があるようです。詳しくはこちらの記事に書きました。





(4)極端に安い税理士は避ける

税理士業も競争の時代になっており、人によっては相場よりかなり低い値段設定の先生がいます。依頼する方からすれば安いに越したことは無いのですが、安すぎるのは何か理由があるはずですので、避けておいたほうが良いです。

対応が非常に悪かったり、オプション料金が高かったり、1年ほどで大幅な値上げがあったり、など何かが隠されている可能性が高いので、やはり相場近辺の料金の先生を選ぶのが無難です。



(5)大きな事務所や税理士法人は避ける

規模が大きなところは、寄らば大樹としての安心感があり、様々な問題に対する対応力もあります。ですが、税理士先生がまったく対応してくれずスタッフとしか話したことが無いといった問題が起きがちです。

もちろん全てそうだという訳ではありませんが。ある程度、税理士本人と直接お付き合いできるような規模のところのほうが、中小企業や個人事業主の場合は、いろいろ相談できるメリットが大きくなるので、おすすめです。

大きなところは昔の名残で、態度が「偉そうな」人もいます。どちらがお客さんか分からないといった感じです。そういう時代錯誤な人は避けたほうが良いです。





(6)ITやシステムに詳しい税理士

税理士の世界は平均年齢が60歳を超える世界です。そうすると、ITリテラシーの問題がある先生もいて、普段のコミュニケーションがうまく行かない可能性があります。

もちろん高齢でもITやシステムに積極的な先生もいますし、若くてもITオンチという先生もいますので、年齢ではありませんが、現代のクラウドSNSのインターネット時代を考えるとITやシステムに詳しい税理士と仕事するほうが何かとベネフィットがあるでしょう。

連絡やデータのやりとりなど、いろいろとクラウドサービスなどを使う局面がありますので、お互いにそういった効率的な仕事ができるようにしたいものです。もし、ご自身のITリテラシーが心配であれば、ITに詳しい税理士先生に教えて頂く、という手もあり、そういうITコンサルとしてのメニューを持っている先生もいます。





(7)レスポンスが早い税理士

最近では電話番号非公開の税理士も増えています。電話は相手の時間を喰ってしまう、非効率デバイスですから、電話を避けたいと思う人が増えるのは自然の成り行きです。私もそのひとりです。

その場合、メールやメッセンジャーアプリでのやり取りとなりますので、レスポンスがある程度早くないと困ることがあります。初回面接のアポなどでこういった電話以外の方法で連絡してみて、レスポンスの早さを確認してみる、という手もあります。

顧問料が安い税理士の場合、顧客の数が多くレスポンスが悪いという場合がありますので、注意が必要です。





(8)地域にこだわっていない税理士

ウェブサイトやプロフィールを見ると、「地域一番を目指します!」のような地域にこだわっている税理士がいます。同じ地域ならそれでも良いですし、身近なサポートが期待できますが、その反面視野が狭くなっている恐れもあります。

税理士は今でも地域ごとの税理士会やその支部に所属する決まりになっていますが、活躍されている優秀な先生はそういう地域色をあまり出していないようです。全国どこでも対応します、という税理士のほうがより柔軟な考え方や高いネットリテラシーを持っている可能性が高いです。

これから税理士を探すのであれば、そういう先生を見つけましょう。



(9)説明が分かりやすい税理士

税理士は会計や税法の専門家ですが、その反面会計や税法についてオタクな所もあります。このため、一般の方にまったく分からないような専門用語で説明してしまう可能性があります。

当の税理士のほうもかなり気を付けて説明しているのですが、それでも話が分かりにくくなってしまう傾向があります。「分かりやすく話す」はそれ自体が立派なスキルですから、普段からそのように心がけて研鑽している税理士を選びましょう

これが一番分かりやすいのがブログです。ウェブサイトなどでブログを書いている先生であれば、説明が分かりやすいかどうか、なんとなく判断ができます。というか、ブログを書いていることで説明が分かりやすくなる、という効果があります。





(10)シミュレーションしてくれる税理士

多くの顧問契約では定期的に税理士と会って事業の状況について説明を受けることになります。この説明は「過去」の数字をもとに、現在の損益や財政状態について解説されるものです。

税理士によっては、こういった過去~現在の説明だけでなく、「将来」の数字をシミュレーションしてくれる税理士がいます。つまり、前年の傾向から予測して当期は利益がいくら出そうか、赤字になりそうか、法人税(所得税)や消費税の納税額がいくらくらいになりそうか、を教えてくれるのです。

この予測は普段やっているようでなかなかやらないので、心構えや納税資金の確保など、事前の準備に役立ちます。

決算してみないと何も分かりません、ではちょっと物足りないので、こういったシミュレーションに対応してくれる先生であれば、すばらしいです。



以上、税理士の探し方・選び方。顧問契約する前にチェックしておくべき10個のポイント、という話題でした。税理士選びは必ず複数の税理士と面談して、上記のようなポイントをチェックしつつ、最終的に自分と馬が合いそうな人を選ぶと良いです。

税理士ドットコム 税理士紹介ネットワーク のようなマッチングサービスは無料で何回でも納得がいくまで税理士を紹介してくれます。妥協せずに追求されると良いでしょう。

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