【中小企業】このチャンスを見逃すな!コロナウイルス対策としてIT導入補助金(特別枠)を使う方法



この記事は「コロナウイルス対策でテレワークを導入したいのですが、何か良い補助金はありませんか?」といった疑問に答えます。



コロナウイルス対策としてIT導入補助金(特別枠)を使う方法

国が行なっている民間企業の生産性向上のための支援策に「IT導入補助金」があります。

この補助金は毎年3回の公募があり、これまでも定例的に出ているものなのですが、 今回の新型コロナウイルスへの対応として急遽「特別枠」が設けられることとなりました。

この特別枠では中小企業を支援するために、補助対象範囲の拡大と補助率の引き上げが発表されています。また、通常求められる生産性向上・賃上げの成果は少なくとも年内は求められることがありません。

緊急対策ではあるのですが、別の見方をすれば、中小企業にとって国のお金でIT投資を行う絶好の機会が来ています

この記事では「特別枠」の概要について説明し、補助金の使い道(特に会計システムの刷新)について説明しています。 





IT導入補助金「特別枠」とは

(1)補助の対象となる投資内容

実は、記事執筆時点で正確な補助の対象や要件はまだ公表されておらず2020年4月末を目処に公表される予定です。

一般的な補助の対象としては、サプライチェーン毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、またはテレワーク環境の整備を目的とした「ソフトウェア費、ソフトウェア利用に必要となるハードウェアのレンタル費用、導入関連費等」となっています。 

つまり新型コロナウイルスの影響を受けて、その対応のためのソフトウェアやハードウェアの導入費用ということになります。ここで新鮮なのはパソコンなどのレンタル導入費用が補助の対象となっているという点です。これは従来はなかったことです。

また、ソフトウェア費にはホームページの制作費用は通常入りませんので注意が必要です。あくまで業務の生産性を改善するためのアプリケーションソフトウェアの導入が対象となります。ホームページの制作費用は下記記事で説明した小規模事業者持続化補助金のほうでカバーされます。



(2)補助額

45万円以上の投資が補助の対象となり、30万円から450万円までの範囲で補助されます。

また、補助率は通常は1/2なのですが、特別枠として2/33/4という大きな枠が設けられています。

例えば120万円の投資に対して通常は60万円までの補助ですが、特別枠では80万円まで補助されます。この差は中小企業にとっては結構大きいです。

追記(5/28):5月22日に特別枠が2/3から3/4に拡大されました。また追加で「事業再開枠」として50万円の別枠が創設されました。これは、マスクや消毒液の準備など事業の再開のために使うことができます。



(3)スケジュール

記事執筆時点で分かってることとしては、2020年4月下旬までに総務省から公募要件の確定情報が公表されます。

次に5月中にどのような投資を行うか利用の検討を行い、6月に申請、7月に交付決定、という流れです。 申請は導入支援事業者を通じて行うため、注意が必要です。

また、利用しようとする企業はあらかじめ「gBizID」という行政サービス用のアカウントを取得しておく必要があります。この取得に3週間くらいかかりますので、うっかりすると間に合いません。この点もご注意ください。



補助金の使い道

上述のように、補助金の使い道はある程度限定されており、何でもよいという訳ではありません。45万円以上の投資というラインもクリアする必要があり、次のような「テレワーク環境の整備のため」の使い道が考えられます。

  • ノートパソコンをレンタルする
  • クラウド会計システム 「freee」を導入する
  • 「Google G Suite」または「Microsoft 365」を導入する

以下にそれぞれについて説明します。



ノートパソコンをレンタルする

会社のパソコンがデスクトップの場合には、テレワーク導入にあたって自宅に持ち帰るということも考えられますが、社員にとっての利便性を考えればノートパソコンをレンタルして提供する、というのが理想です。

パソコンレンタルはスペックや業者にもよりますが、1台1ヶ月あたり8,000円程度からあります。仮に社員10人で6か月間のレンタルなら、48万円で45万円以上のラインを超えます。

ただし、現在レンタルパソコンはすでに「品薄」状態と聞きます。下記のページなどを通じてレンタル可能な業者を探す必要があります。

また、長期戦を覚悟して、中古パソコンを購入するという手もあるかと思います。



クラウド会計システム freeeを導入する

freeeはクラウド会計として国内最大手で、旧来のパソコンにインストールして使う会計ソフトではなく、クラウドのアプリケーションとしてその使いやすさ・生産性・安全性・拡張性が高く評価されています。

今回のIT導入補助金の使い道としておすすめしているのが、「会計freeeプロフェッショナルプラン 」を導入することです。

会計freeeプロフェッショナルプランは従業員20人程度までの中小企業向けで、この規模の会社が通常必要とする経理・会計の機能を網羅しています。導入費が年間477,600円となっており、45万円以上をクリアしています。

法人向けにはより安価なベーシックプラン(年間47,760円)もありますが、ベーシックプランでは「配賦計算」という中小企業でよく使う機能が制限されており、結局プロフェッショナルプランに移行する、ということが良くあるのです。

配賦計算とは、例えば水道光熱費をA部門とB部門に配賦してそれぞれの部門の経営成績を正しく評価するものです。2以上の事業部門がある場合には、配賦計算が使えないと困ることになります。

 freeeの導入により経理担当者や管理者、経営者が自宅に居ながらにして、一連の経理・会計・報告・監査といった業務に対応できるようになり、出社の必要をぐっと減らすことが可能になります。また、税理士や監査法人など外部との連携も容易ですから、メリットしかありません。

また、freeeは導入支援事業者ですから、補助金申請もスピーディーに対応可能です。詳しくは公式サイトよりご確認ください。 



「Google G Suite」または「Microsoft 365」を導入する

多くの中小企業では現在においても「紙」を使った業務がメインとなっています。パソコンがあっても印刷してファイル保管したり、取引先に郵送したり、といった非効率な仕事のやり方となっています。

今回のコロナ禍は、ある意味こういった旧来からの習慣を打破して、より効率的なやり方へ代えるチャンスでもあります。なぜなら世界中で同じインパクトを受けていますので、取引先に対して「今後は紙の郵送ではなくPDFのメール送信や共有にしましょう」と言いやすい雰囲気になっているからです。一企業だけで主張しても相手にされませんが、今回は「お互い様」なので、意外とすんなり「そうしましょう」となりがちです。

最初からあきらめずに言ってみることが大事です

このようなペーパーレスを支えるのが「Google G Suite」または「Microsoft 365」といったオフィスで使うアプリケーションです。Microsoft 365であればExcel、Wordといった標準的なツール群やクラウドストレージがクラウドで提供され、テレワーク環境への移行を容易にします。G Suiteにも同様の機能があり、多くの企業が採用しています。

Google G Suite」の場合は、法人向けの標準的な「ビジネスプラン」が1ユーザーあたり月額1,360円です。セキュリティを強化した「エンタープライズプラン」なら1ユーザーあたり月額3,000円となっています。

「Microsoft 365」の場合は、法人向けの標準的な「Microsoft 365 Business Standard」が1ユーザーあたり月額1,360円です。セキュリティを強化した「Microsoft 365 Business Premium」なら1ユーザーあたり月額2,180円となっています。





以上、このチャンスを見逃すな!コロナウイルス対策としてIT導入補助金(特別枠)を使う方法、という話題でした。このIT導入補助金「特別枠」は、過去のIT導入補助金と比べてもかなり太っ腹なものです。この機会を活かしましょう。

なお、IT導入補助金に関する最新情報は、IT導入補助金事務局のサイトで確認するようにしてください。

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