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ソーシャルレンディングが急成長
ソーシャルレンディングの市場が急成長しています。ソーシャルレンディングとはインターネットで個人投資家から資金を集め、ファンドに投資し、その利息や配当金を投資家に分配する投資の一形態です。言わば、ネットを使った金貸し(レンディング)です。
下図のとおり、緑がソーシャルレンディングですが、急激に伸びていることが分かります。もし、余剰資金の投資先を探しているなら、2019年時点ではソーシャルレンディングが一番でしょう。
そこで、この記事では、ソーシャルレンディングを始めるにあたってどこの事業者が良いのか?大手5社を比較して説明します。
(出典:価格.com)
ソーシャルレンディング5社を比較
ソーシャルレンディングの事業者として有名な大手5社を選んで次の通り比較してみました。いずれも記事執筆時(2019年9月)時点での情報です。
事業者 | 投資対象 | 特徴・実績 | リスク | 手数料 |
【SBIソーシャルレンディング】 | 不動産担保ローン事業者 カンボジア技能実習生支援ローン 個人向け無担保ローン | 1万円から投資可能 名目利回り3-10% 融資残高355億円 登録者38000人 | 債務者の債務不履行 利益は毎月配分されるが保証はされていない 途中キャンセル可だが、一部のファンドは不可 | 登録/出資は無料 分配収益から管理手数料を控除する |
【クラウドクレジット】 | 海外成長国の資金需要者 個人・事業者向けローン | 1万円から投資可能 顧客全体の利回り平均6.3% (2019年9月) 登録者36000人 | 債務者の債務不履行 為替相場の変動 投資国の政情 運用中のファンドがあると退会不可 | 登録は無料 出資金から所定の運用手数料を徴収 |
【OwnersBook】 | 不動産(マンション・商業ビル)事業 | 1万円から投資可能 不動産への小口投資 募集中案件の利回り3-5% (2019年9月) | 債務者の債務不履行 担保不動産リスク 満期まで途中解約不可 | 登録/出資は無料 振込手数料のみ |
【クラウドバンク 】 | 不動産事業 太陽光事業 マイクロファイナンス 海外を含む | 第1種金融商品取引業者 1万円から投資可能 応募金額560億円 実質平均利回り6.99% (2019年9月) | 債務者の債務不履行 為替相場の変動 運用開始後の中途解約は不可 | 登録/出資は無料 入金時の振込手数料のみ |
【SAMURAI】 | 不動産事業 社債 | 第1種金融商品取引業者 1万円から投資可能 目標利回り4-8% | 債務者の債務不履行 運用開始後の中途解約は不可 | 登録/出資は無料 入金時の振込手数料のみ |
以下に、これらの5社からどれを選ぶか、そのポイントを示します。
規模の大きなところで選ぶ
「寄らば大樹」はどんな時も有効な人生の戦略です。大きなところへ行ったほうが安全というのは常にあります。
ソーシャルレンディングの投資先を選ぶ時にも同じことが言えるでしょう。その意味では、【SBIソーシャルレンディング】や【クラウドクレジット】 、【クラウドバンク 】と言ったところが無難と言えます。
登録者数や投資金額が大きいからです。これらの数字が公表されていないところは、規模がまだ小さいと考えて良いでしょう。
これまでの実績の良いところで選ぶ
投資会社の規模はともかく自分さえ儲かれば良いという考え方もあります。その点では、過去・現在の利回りを比較することになります。
上記の5社で見た場合、「平均」の利回りとしてはそんなに大きな違いはありません。おおよそ5-6%で横並びという印象です。
ただし「平均」というのは分布の真ん中であり、「ばらつき」が問題です。「ばらつき」が大きい場合は、大儲けする可能性も大損になる可能性もある、ということになります。
そのようなギャンブル性を嫌うなら、比較的短期リターンが安定していると考えらえる不動産投資案件を中心にしている 【OwnersBook】 や【SAMURAI】が良いでしょう。
事業者区分で選ぶ
ソーシャルレンディングの事業者には金融庁の認可区分により、「第一種金融商品取引業者」と「第二種金融商品取引業者」とがあります。それぞれの定義は次の通りです。
第一種金融商品取引業者
証券業、金融先物取引業等のこと。流動性の高い有価証券の売買・勧誘、引受け、店頭デリバティブ取引、資産管理などを行う業務のこと。
第二種金融商品取引業者
信託受益権の売買、売買の媒介、募集の取扱い(媒介)など、又は、ファンドの自己募集、募集の取扱い(媒介)などを業として行うこと。
(出典:日本証券業協会)
ぱっと見ではよく分かりませんが、第一種のほうが「証券会社」でより厳しい要件をクリアしており、第二種はそれ以外、という感じです。一般には第一種金融商品取引業者のほうが安全性が高い(簡単に倒産したりしない)、ということになります。
このような投資会社自体の倒産リスクを避けたければ、第一種である【クラウドバンク 】や【SAMURAI】が良いでしょう。
ただし、第二種だから倒産リスクが高いということでは全くありません。少なくとも金融庁の認可を受けて監督下にあるのですから。
情報公開が進んでいるところで選ぶ
各社のWebサイトを見て頂くと、一目瞭然に情報公開に対する姿勢が分かります。積極的に情報を公開している会社はサイトの作りも丁寧で、かつ投資家からみて見やすい・使いやすいように工夫しています。
この観点では、上記5社のうちでは、【クラウドバンク 】と【クラウドクレジット】 の情報充実度が群を抜いているように見えます。投資家にとって扱いやすいサイトです。
窓口がWebサイトである以上、サイトに投資して利便性を向上させている会社には好感が持てますね。
リスクが低いところで選ぶ
ソーシャルレンディングは基本的に預貯金と違って、「元本が保証されない」投資です。その意味では、やっぱりリスクが低いに越したことはありません。
「債務者の債務不履行」というのは金貸し(レンディング)である以上、どうしても付いて回りますが、それ以外のポイントで見ると 【SBIソーシャルレンディング】 がバランス的にも、前述の規模の観点からもはやりリスクが低いと感じます。
特に海外に投資しているファンドの場合、どうしても為替相場の変動リスクがあります。円高基調になると円でのリターンが減ってしまうため、注意が必要です。
ただし、クラウドバンクの場合は米ドルのまま償還金を受け取ることもできる、となっており、これができれば円安になるまでドルのままホールドする、という手もあります。
結局のところ最も安全な投資方法とは?
いろいろ見てきましたが、結局のところ最も安全な投資方法とはどういう方法だろうか?という話です。
その答えはズバリ「分散投資が最も安全」ということになります。
そもそもソーシャルレンディング自体が分散投資のひとつであるべきです。安全性の高い定期預金や株式や投資信託への投資、iDeCo(イデコ)などをメインとして投資した上で、その次の選択肢としてソーシャルレンディングがあります。
従って、そもそもが余剰資金の運用としても分散投資という位置づけになっている必要があります。その分散投資をさらに分散させてリスクを下げるのです。
例えば、100万円の余剰資金をソーシャルレンディングに入れるなら、最も安全な方法は上記の5社に20万円ずつ分散させます。さらに、各社の20本のファンドに1万円ずつ分散させます。
つまり、1万円の投資が100本です。ちょっと極端ですが、このくらい分散させれば相当安全なポートフォリオとなり、平均利回りに近いリターンが安定的に期待できます。
各社に会員登録したり、手続きの方の煩雑さが増してしまうかもしれませんが、最も安全な投資方法には違いありません。もちろん、「そんなに堅いやり方でなくて良いよ」ということであれば、分散の度合いを下げれば良いのです。
以上、急成長のソーシャルレンディングはどこの会社が良いか?という話題でした。一定のリスクはあるものの、年利回り5-6%というのはこの低金利時代にかなり魅力的と言えるでしょう。正しく理解して分散投資でチャレンジしてみましょう。