中小企業や個人事業の経理を見ていると、事務用品や消耗品の購入は実店舗で買って現金払いしている、というパターンが多いです。確かにホームストアや100均のような店で買うと安いから、ということがありますが、本当にそうなのか?という疑問があります。
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現金=コスト
まず現金の扱いはそれ自体がコストである、ということがあります。日本で生活しているとニセ札をつかまされる心配もないせいか、現在においても圧倒的に現金派が多くなっています。下図のとおり日本ではキャッシュレスは全体の18%に過ぎません。
各国のキャッシュレス決済比率(2015年)(出典:経済産業省キャッシュレスビジョン)
しかし、ことビジネスに関することになりますと、現金の扱いは高くつきます。事業用と個人用の現金を分けて管理したり、「レジ締め」といって1日の終わりにレジの現金を勘定したり、それで1円足りないとか騒ぎになったり、従業員に盗難されたり。大変な手間ひまがかかります。これらはすべて現金の取り扱いコストです。
したがって、なるべくクレジットカードや電子マネー、最近ではQRコード決済といったキャッシュレス手段へ移行した方が良いです。これは、事務用品や消耗品の小口購入においても同様です。
その場合、有効な選択肢が通販の利用であり、通販といえばアマゾンということになります。アマゾンでは、このようなビジネス客の事務用品や消耗品の小口購入に対応する新しいサービスとして「Amazonビジネス」を開始しています。
Amazonビジネスのメリット
Amazonビジネスには下記のようなメリットがあります。
(1)法人・個人事業主様向けのビジネス購買専門サイトであり、ビジネス向けの特別価格や数量割引が多数の商品に適用されているのが特徴です。例えば、法人価格の人気商品、などにあるとおりです。
(2)個人用のAmazonのアカウントとは別に「Amazonビジネス」のアカウントを作って分けて使うことが可能です。従来Amazonでは1人1アカウントでしたので、業務用と個人用の購買が混在してしまう問題がありましたが、これが解消されます。
(3)法人向けクレジットカードのほか、請求書払い(銀行振込)にも対応。請求書払いの場合は1ヶ月間に購入した商品の代金について翌月1日に請求書(PDF)をEメールで受けることになります。
(4)同じビジネスアカウントに複数ユーザーが登録可能。さらに購買グループを設定し、支払い方法の共有することができます。また、任意のユーザーに金額に応じて発注承認がないと購買ができないように設定することもできます。購買承認のワークフローがAmazonで実現できてしまいます。
(5)Businessプライム会員プランは、「Essentials」が 最大 3 ユーザーまで 年会費3,900円(税込)、「Small 」が最大 10 ユーザーまで 年会費13,500円(税込)。プライム会員になれば個人の場合と同様に送料や配送時間指定が無料になります。会員にならなくても、Amazon.co.jpが発送する商品の通常配送では、2,000円(税込)以上の購入の場合で日本国内の通常配送料が無料となります。
正直、至れり尽せりの内容になっており、現金取り扱いコストの低減だけでなく、購買プロセス全体の省力化でトータルとしての経費節減に大きく貢献してくれるでしょう。Amazonはそのほかにも小さなビジネスに役立つサービスをたくさん提供しています。下記の記事よりご参照ください。
クラウド会計サービスも導入しよう
Amazonビジネスを導入したら、合わせて「クラウド会計サービス」の導入も検討しましょう。クラウド会計のメリットは、「記帳(帳簿つけ)の自動化」です。これにより、次のように変わることになります。
これまで: お店で買って現金払い → レシートを保存しておいて後日記帳
これから: Amazonで買ってカード払い → なにもしない
Amazonで買ってカード払いすると、データが自動でクラウド会計に飛んで、記帳してくれます。Amazonのデータを直接取り込みクラウド会計が仕訳に変換して記帳します。カード払いの記録も設定によりクラウド会計に取り込まれてきますが、Amazonの支払い分を「振替」として認識しスキップしてくれるので支払いが二重で記帳されるということはありません。うまく出来ていますね。
この自動取り込みは記事執筆時点(2019年2月)では、マネーフォワードとfreeeが対応していますが、freeeのほうは「Amazonビジネス」アカウントには未対応(個人アカウントのみ対応)となっています。最新の情報をチェックしてご確認ください。また、自動取り込みは未対応でも購買履歴からCSV形式で取り込むとか、やりようはあります。
以上、アマゾンビジネスのメリットを紹介。現金払いをやめて、調達にかかるコストを削減しよう、という話題でした。これからキャッシュレス時代ということで、小さなビジネスであっても備えが必要です。こういった本を読んでおくことをお勧めします。