「不労所得」にはいろいろなやり方があります。そのひとつは「お金にお金を稼いでもらう」というものです。この記事では投資の初心者に向けてお金にお金を稼いでもらう方法について説明します。
目次
投資と投機の違いを知ろう
お金はただ置いておいても増えることはありません(後述しますが減ることはあります)。ですが、お金を誰かに預けると増えて返ってくることがあります。これが広義の投資です。人にお金を貸して利子がついて返ってくるとか、銀行に預金して利子がついて返ってくるとか、そいういうことです。ひょっとすると返って来ない確率もそれなりにありますので、その確率の大きさによって利子の大小が決まります。
この確率の大きさのことをリスクといいます。ハイリスク・ハイリターンとはお金が返ってくる確率が小さければ(リスクが高ければ)、たくさんの利子が付く(リターンが大きい)という意味です。逆にリスクが小さければ、リターンも小さくなります。これがローリスク・ローリターンです。
従って、誰にお金を預ければ、自分にとってちょうど良いリスクとリターンのバランスになるのか?ということが問題になります。
もし、あなたが手っ取り早く大金を手にしたいと思うなら、ハイリスク・ハイリターンを採用するでしょう。そういうお金の預け方を投機といいます。投機はお金が返って来ない確率が大きいですので、ギャンブルと一緒です。先日の報道で日本のパチンコ市場は19兆円(世界のカジノ市場は18兆円なのに)とありましたが、これは全部投機です。勝つかもしれないし、負けるかもしれない。預けたお金が返って来ないかもしれないけど、まあいいか。そうして胴元が確実に儲かるシステムになっています。
そういう意味ではデイトレ、FXも投機に近いでしょう。株価や為替の値動きはインサイダーでもなければ、誰にも予想がつきません。チャートを使った様々な手法も最終的にはギャンブル的な「当たるも八卦、はずれるも八卦」の世界です。一日中ネットを監視して情報収集したとしても、機関投資家のコンピューターが行うアルゴリズムを使った自動売買には適わないです。それゆえに個人投資家はしばしば「イナゴ」と呼ばれたりします。もちろん中にはヒーローのような勝負師がいて大成功したりしている訳ですが、一般人に横展開できるような話ではありません。
では一般人である私たちはどうしたら良いのか?投機ではなく投資をしましょう、ということになります。置いておくだけでは増えないお金をリスクとリターンのバランスが取れた場所に預けて、長期的にみて堅実に増やしていくのが目指すべき投資です。
お金が目減りする?お金の時間価値
投資を考えるときにリスクとリターン以外にもうひとつ重要な概念が「時間価値」です。
もし誰かがあなたに(1)今日100円くれるのと、(2)明日100円くれるのと、どちらがよいですか?と聞いてきたらどう答えますか?
自分なら迷わず今日100円もらいます。なぜか?明日の100円は今日の価値に換算すると100円ではないからです。100円よりわずかに目減りした99.9999…円になります。これはどういうことかというと、今日100円もらえば今日100円の価値のものと交換できますが、明日100円もらっても今日99.9999…円の価値のものとしか交換できないということです。わかりにくいですが、物価全体が上がることを前提に、将来のお金の価値は現在の価値に直すと時間価値の分だけ割り引かれてしまう、ということです。
ここから得られる教訓はなにか?タンスにお金を入れておくということは、時間価値の分だけ価値が目減りする、ということです。お金は置いておくだけでは目減りしてしまうのです。だから、目減りを上回る程度のリターンをもたらすような投資をしましょう、ということになります。
では目減りとはどの程度発生してしまうのか?いろいろな考え方があるのですが、インフレ率と考えておけば良いでしょう。IMF(国際通貨基金)の統計によると日本の2018年4月時点のインフレ率は1.12%だそうです。放っておくと1年で1%くらい減ってしまうと考えましょう。100万円が99万円の価値に減ってしまうということです。
バランスの良いリスクとリターンの方法
一般人の初心者が手出しして、比較的バランスの良いリスクとリターンをとれる投資には何があるでしょうか?経験上、現時点でお勧めできるのは「バリュー投資」、「NISA (ニーサ)」、「iDeCo(イデコ)」の3つです。
バリュー投資
バリュー投資とはアメリカの著名投資家バフェット氏が実践して成功したとされる投資法で、割安株を買って値上がりしたら売りましょう、というとてもシンプルなものです。バリュー投資は多くの人が実践している堅実なリターンを得る比較的リスクの小さい投資法です。私もかれこれ9年ほどバリュー投資を行っていますが、平均の年間利回りは約9%という実績ですから、仮に元手が100万円でスタートしたとすると現在は200万円を越す結果となっています。
100万円を短期間に1000万円にするような投資(投機)法とは違い、堅実にコツコツ増やしていくものです。しかもこの9年間、数回投資銘柄を変えていますが、それ以外は何もしていません。チャートに張り付いて一喜一憂とか無縁の世界です。まさにお金がお金を稼いでくれました。
バリュー投資は理屈は簡単なのですが、まず割安株を見つけるというところが少し難しいです。そもそもこの世に割安株なんてあるのか?と思ってしまいますが、いつの時代もいくつかはありますので、その中から自分が好きな銘柄・応援したい企業の株を買って気長に値上がりを待ちます。割安株の見つけ方を含むバリュー投資のやり方については、スキルのフリーマーケット「ココナラ」のサービスを使って1,000円で情報提供しています。よろしければ、下記ボタンよりご検討ください。
NISA(少額投資非課税制度)
NISA(ニーサ)とは国が預貯金などに眠っている個人のお金をなんとか投資に回してもらって、市場を活性化させたいということで始めた制度です。「カネは天下の回りもの」ですが、回ってないお金が余りに多いので、なんとか引っ張り出したい、その代わりに税金面で優遇しますよ、という制度です。
どのような優遇かというと、毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税になる、というものです。NISAでなければ配当や譲渡益には20.315%の税金が課されますので、これがゼロになるのは大きいです。ただし、投資できるのは2023年まで、さらに投資してから最大5年間(ロールオーバーして10年間)の期限付きです。
NISAは証券会社の口座にNISA口座を開設して始めることになります。通常の口座とは区別して配当や譲渡益を非課税にするためです。もしこれから証券会社を選ぶ場合には、SBI証券をお勧めします。私もずっとSBI証券を使っています。こちらのメリットはネット証券ですので、売買手数料が安いこと、また取り扱い株式・投資信託等の数が多く選択の幅が広いことです。
一番良いと思うやり方は上述の「バリュー投資」をNISA口座で行うことです。120万円までの制限があること、10年以内に精算しないといけないこと、のデメリットもありますが、値上がりによる譲渡益に課税されないことは大きいです。割安株の場合、2倍・3倍の株価になることもありますので、譲渡益課税を回避できるのはありがたい制度です。効率よくお金がお金を稼ぐのをサポートしてくれます。
もしあなたが、全くの投資初心者なら、2017年から始まった「積立NISA」という制度も選択肢になります。金融庁が選んだ投資信託から好きなものを選んで積立投資しますので、安全性がより高いです(その分リターンも低くなる傾向がありますが)。また年間40万円までしか投資できません。絶対にヤケドしたくない人向けのお試し商品です。
イデコ(個人型確定拠出年金)
イデコ(iDeCo)もお金がお金を稼ぐ投資の中で、一般人が手を出しやすいリスクとリターンを備えています。そもそもイデコは「年金」ですので、本来の投資とはちょっと意味が違うのですが、一般人の投資の目的は大抵の場合「将来(老後)の備え」でしょうから、本質的に同じですね。
イデコではそれぞれの立場(会社員か、自営業者か、専業主婦かなど)によって決まっている上限金額以内で60歳までの間に一定の金額(掛け金)を出して、その掛け金で投資信託や定期預金、保険などの金融商品を選んで運用することになります。
自分で運用先を選ぶところがちょっと難しいですが、定期預金のような元本保証のものもありますので、リスクを取りたくない(リターンは少なくてよい)人はこういった運用先を選ぶと良いです。もちろん、もっとリスクの大きな投資信託を運用先にしてリターンを期待するのも良いです。
イデコのメリットは運用益は非課税とされ、掛金の全額が所得税の計算上、全額所得控除になるということです。また、受取金(一時金)は退職金等として扱われますので、将来の節税効果もあります。これらの節税効果によって、お金がお金を稼ぐということが実質的にできていることになります。
その反面デメリットとしては、運用先によっては結構高い運用手数料が取られる、原則として60歳まで引き出せない、といったことがあります。運用先をどこにしたら良いのかは、リターンだけでなく、手数料も見て考えるようにしましょう。運用先は複数選んで分散することも、後から変更するこも可能です。いろいろ試してみると良いでしょう。
私自身の場合は、証券会社はやはりSBI証券を選択してイデコ口座を開設しました。運用先は掛金が小さいこともあり、執筆時点では100%「ifree8資産バランス」としています。やはり年金という性格上、様々な資産にバランス良く投資しているものが良いかと考えた次第です。もちろん元本割れのリスクもありますが、リスクとリターンのバランスから人気も安定して高いものです。
なお、イデコの開始手続きは書類を揃えるのも面倒ですし、非常に時間がかかりますので、ご注意ください。私の場合は、最初の資料請求から運用開始まで4ヶ月くらいかかりました。今年の所得控除に使いたいという方は早めに行動開始することをお勧めします。
以上、お金にお金を稼いでもらう方法、という話題でした。
不労所得の作り方については、こちらのベストセラー「寝ながら稼ぐ121の方法」も合わせてどうぞ。
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