【いまさら聞けない】超初心者がExcelを効率よく仕事で使うための基本の「き」

この記事は「仕事でExcelを初めて使うことになりました。必要最低限知っておいた方が良いことを教えてくれませんか?」といった疑問に答えます。



意外と多いExcelを知らない人々

先日20代前半の方とExcelを使った仕事をする機会があったのですが、スマホのフリック入力は爆速なのですが、パソコンはあまり触ったことがなく、Excelなどほとんど知らないとった状況でした。それがスマホネイティブなZ世代ということなのかもしれません。

また別の機会に60代の方でほとんどExcelを知らないという方もいらっしゃいました。ある意味幸せな人生ですが、上の世代はExcelを知らないということは珍しくないでしょう。

どちらの世代にせよ、起業などされてビジネスに入ってきた場合はExcelは使えて損はないものです。





Excelを効率よく仕事で使うための基本の「き」

そこでそういったExcel超初心者に向けて、効率よく仕事するために最低限知っておいたら良いと思う基本操作についてまとめてみます。具体的には次のような話題です。Windows版の現行Office365(クラウド版)またはOffice2019(買い切り版)を前提にしています。

  • ファイル(ブック)を開く
  • セルに入力する(書式設定する)
  • 範囲を選択する
  • コピーして(切り取って)貼り付ける
  • 行(列)を挿入して増やす
  • 行(列)を削除する
  • シート全体をコピーする
  • 連続する数字やデータを自動で入れる
  • 最後の行に一発で移動する
  • 変更を保存する
  • ファイルを保存または別名で保存する
  • ファイルを閉じる


ファイル(ブック)を開く

Excelファイルのことをブックまたはワークブックと言ったりもしますが、まずはそのファイルの開き方です。方法は主に2つあり、ひとつは以下のようにWindowsの「エクスプローラー」というファイル閲覧アプリから目的のファイルをダブルクリックして開く方法です。

もうひとつは先にExcelを起動しておき、「Ctrl+O」(コントロールキーと英文字Oのキーを一緒に押す)を押して表示されるウィンドウの中から目的のファイルを選んで開く方法です。

「Ctrl+O」を押して表示されるウィンドウには最近開いたファイルの履歴が「最近使ったアイテム」に表示されますので、同じファイルを繰り返し使うような場合にはここから選んで開けるのが早いです。ファイル名の横に表示される「ピン」をクリックすると「ピン留め」されたファイルに表示されるようになり、わりと定期的に使うファイルはこちらのピン留めしておくと探す手間が省けます。

ファイルの置き場所はローカルのパソコン上と、クラウド上とがあります。

ここでクラウドとはマイクロソフトのOneDriveで「マイクロソフトオンライン」に利用者登録すると無料で5GBまで利用できるようになります。クラウドにファイルを置いておけばスマホのExcelからも同じファイルを開くことができるようになり、外や移動中でも同じファイルをみることができるようになります。

新規のファイルを作成する場合は、Excelを起動したあと「空白のブック」を選ぶとまっさらの新しいシートが開きます。



セルに入力する(書式設定する)

Excelのファイルを開いたら、セル(一つ一つの四角のマス)をマウスで選択して文字や数字を入力することができます。入力自体はこれだけですが、その際にセルの「書式」を気にするようにしましょう。書式は画面上部に以下のように表示されています。

書式とはそのセルにどんな性質のものを入れるかを指定するものです。初期値は「標準」となっており、標準にしておけば自動判定されるようになっています。ドロップダウン(下向きの三角)を押すと分かるように、数値、会計(金額のこと)、日付、時刻、文字列などの属性があり、そのセルに何を入れるかによって、書式を使い分けるようにします。





範囲を選択する

セルにデータを入力していくと、やがて同じデータをコピーしたり、移動したりといってセルの操作の必要が出てきます。セルを操作するにはまず操作対象のセルを選択します。この方法を説明します。

まずマウスを使った方法です。マウスで一つのセルをクリックして、そのままマウスを動かすと、以下のように選択された(グレーの)範囲が広がります。クリックを離すと選択範囲が確定します。

もう一つはキーボードの矢印キーを使った方法です。以下のようにマウスで選択開始のセルをクリックしたら、シフトキーを押しながら下向きの矢印を押していき、次に右向きの矢印を押していくと範囲を選択することができます。

マウスのやり方のほうが楽じゃない?という気がしますが、やがて慣れてくると「マウスに持ち替えるほうがかえって非効率」と分かります。キーボードだけでできることはやるのが効率アップのコツです。なので、この後もキーボードの操作(ショートカットといいます)を積極的に説明します。



コピーして(切り取って)貼り付ける

範囲を選択したら、その範囲に入っているデータを丸ごとコピーしたり、切り取って移動したり、削除したり、といった操作が可能です。

コピーする場合は選択したあとで「Ctrl+C」を押します。次にコピーしたい先のセルをクリックして「Ctrl+V」を押すとコピーしたデータが出現します(このことをペーストといいます)。

切り取って移動する場合は選択したあとで「Ctrl+X」を押します。次に移動したい先のセルをクリックして「Ctrl+V」を押すとペーストできます。

削除する場合は選択したあとで「Deleteキー」を押します。

この切り取りとペーストの応用例が行の移動です。よくデータ整理しているとある行を丸ごと移動したい、ということが出てきます。以下は5行目を9行目の前に移動するという場合です。この場合、5行目の「5」をクリックすると一行全体が選択されますので、そのまま「Ctrl+V」します。5行目が点線で囲われているのが選択中という意味です。

次に9行目を右クリックするとメニューが現れるので「切り取ったセルの挿入」を選びます。すると5行目の内容がそっくり9行目の前に挿入されます。



行(列)を挿入して増やす

Excelのデータを操作していると「間に1行挿入したい」ということがよくあります。この場合、上の例のように挿入したい行を選択して右クリックメニューから「挿入」を選べば良いのですが、これもキーボードだけで行うことができます。

挿入したい行を選択して「Ctrl++」(コントロールキーと+キーを一緒に押す)するとその選択行の前に1行挿入されます。





行(列)を削除する

上と似ていますが行を選択して「Ctrl+ー」(コントロールキーとーキーを一緒に押す)するとその選択行が削除されます。まとめて1つまたは複数の行を削除したいときに簡単に行うことができます。「+」と「ー」のセットで覚えると良いです。



シート全体を選択する

例えばSheet1に入っているデータを丸ごと全部別のシートにコピーしたいという場合があります。シートのデータをバックアップしておき、コピーしたデータに編集を加えるなどのときです。この場合、まず画面したの「+」マークをクリックしてSheet2を作成します。

次にSheet1の左上の角をクリックすると、シート全体が選択されます。

あとは「Ctrl+C」してSheet2を開き、「Ctrl+V」するとデータを丸ごと全部コピーすることができます。

同じ方法でSheet1の内容を切り取り(移動)したり削除することもできます。



連続する数字やデータを自動で入れる

例えばA列に行の番号を入れたいとします。このとき上から1,2,3・・・と数字を入れても良いのですが面倒ですね。これを自動的に行う方法があります。

まず最初に1と2だけ入れて、その2つのセルを選択します。以下のように選択されたセルの右下の小さい四角をマウスで下向きにドラックします。

するとこのように2の後に連続する数字が自動的に入ります(この機能をオートフィルといいます)。

同じように月、火、といれてオートフィルするとこのように曜日を入れることもできます。

この他にもオートフィルするやり方がありますので、規則的に連続する数値や文字の入力の場合には試してみて頂ければと思います。





最後の行に一発で移動する

行数が多くなってくると最後の行までスクロールしたり、矢印キーを押し続けたりするのは面倒です。最後の行に一発で移動するには「Ctrl+↓」(コントロールキーと下向き矢印キーを一緒に押す)します。これで一瞬で移動することができます。

この応用としては、ある列の一番上の行を選択している状態でシフトキーを押しつつ「Ctrl+↓」を押すと、その列のデータをすべて選択することができます。選択したあとでコピーしたり移動したり削除したりといった操作が可能です。

ちょっとしたことですが、毎日の作業の効率アップでは威力を発揮するものです。



ファイルを保存または別名で保存する

作業の途中でも「Ctrl+S」を押して頻繁にファイルを保存するようにしましょう。編集操作したデータが消えてしまうトラブルを防ぐためです。気がついたら「Ctrl+S」しているくらい習慣にしましょう。

Office365の場合は「自動保存」の機能があるので、画面上部の自動保存スイッチをオンにすれば変更がある都度データが自動で保存されるようになります。

またファイルの名前を変更して別名で保存することで、もとのファイルを残しつつそのデータ引き継いだファイルを作成することができます。もとのファイルを開いた状態で「F12」キーを押すと「名前を付けて保存」のウィンドウが開きますので、保存場所を選んで名前をつけ保存します。



ファイルを閉じる

Excelそのものは終了せずに、今開いているファイルだけ閉じたいという場合があります。このときには「Ctrl+W」を押すとファイルが閉じます。まだ保存されていない変更があれば保存するように求めるメッセージが表示されます。

次に作業したいファイルは「Ctrl+O」で開きます。「Ctrl+O」と「Ctrl+W」をセットにして覚えておくと良いです。





以上、超初心者がExcelを効率よく仕事で使うための基本の「き」、という話題でした。こういったExcel操作の基本を覚えると次のステップに進みやすくなります。キーボードを使ったショートカット操作には他にもいろいろあり、裏技のようになっていますので、ググって調べてみて頂ければと思います。ただし最初から欲張る必要はなくまずはここに書いたあたりから始めてみると良いです。

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