この記事は「マイナポイントって何ですか?損しないためにどんな準備をすれば良いですか?」といった疑問に答えます。
目次
マイナポイント事業とは?
マイナポイント事業とは国が「キャッシュレス決済」と「マイナンバーカード」の普及を一石二鳥で狙った施策です。2019年10月の消費税増税に伴う「キャッシュレス消費者還元事業」とは全くの別ものです。
「キャッシュレス消費者還元事業」では5%還元や2%還元などのステッカーやのぼりが街にあふれていますが、この事業は2020年6月末をもって終了となる予定です。本来であれば、その後7月と8月で東京オリンピックの好景気があり、そのあとの景気の落ち込みが心配される2020年9月から「マイナポイント事業」による還元が開始される予定でした。
新型コロナウイルスの影響で、今後どうなるか予断を許さない状況ですが、国会で予算承認される前提で、「マイナポイント事業」の準備が進んでいます。
マイナポイント事業の公式サイトはこちらです→マイナポイント事業
また概要説明の動画もあります。
マイナポイント利用準備
「マイナポイント事業」ではキャッシュレス決済で25%という還元率(最大で5,000円まで)が魅力です。ですが、これを活用するためには、なかなか大変な次の準備を乗り越える必要があります。
- ICチップ付きのマイナンバーカードを作る
- 「特定のスマホ」または「カードリーダライタ」を用意する
- マイナポイントの「マイキーID」を設定する
- マイナポイントで使うキャッシュレス決済を1つ選んで登録する
以下に、それぞれ説明します。
マイナンバーカードを作る
最初の大前提として、「マイナンバーカード」を発行する必要があります。これは紙の通知カード(2020年5月末で廃止予定)ではなく、プラスチックで顔写真とICチップが入っている本来のマイナンバーカードです。
現在特別定額(10万円)給付金のオンライン申請でもこのマイナンバーカードが必要とされ、役所の窓口が大混雑していますが、まだマイナンバーカードを作っていなければ、まずはここを乗り越える必要があります。また、時間も相当かかるでしょう。
「特定のスマホ」または「カードリーダライタ」を買う
マイナンバーカードを読み取りのために、特定のスマホまたはカードリーダライタを接続したパソコンを用意する必要があります。対応機種については、公式サイトに記載があるので、確認しましょう。
私の場合は、スマホがiPhone 11で対応機種でしたが、古いスマホでは対応していません。ご注意ください。
カードリーダライタなら、こういったICチップ対応のものが必要です。ただし、当面は品薄状態と思われます。
「マイキーID」を設定する(予約する)
公式サイトに「マイナポイントを予約する」とあって、何のことか分かりにくいですが、要するにスマホであれば「マイナポイント」アプリをインストールして、マイキーIDというID番号を発行します。マイキーIDとキャッシュレス決済を紐づけることで、買い物の際にマイナンバーカードを持ち歩かなくて良い仕組みになっています。
このマイキーID発行までは現在でも既に行うことができます。早めにやっておきましょう。
マイナポイントで使うキャッシュレス決済を1つ選んで登録する(申し込む)
予定では2020年7月から、「どのキャッシュレス決済でマイナポイントを使うか」を1つだけ選んで、登録する必要があります。以下のとおりWAONやNanacoといった電子マネー、PayPayのようなQRコードが選べるようになります。
(出典:マイナポイント事業公式サイト 2020年5月8日発表(一部))
ここまでが準備作業です。老若男女がここまで無事たどり着けるかどうか、がまず問題です。
マイナポイントもらい方と使い方
準備が終わったら、いよいよ2020年9月から2021年3月末までマイナポイントを貰ったり、使ったりすることができます。マイナポイントはキャッシュレス決済手段への「チャージ」か「購入」の際に付与されるとなっています。
ここで注意すべきは、「チャージ」の場合はこれまでの「キャッシュレス消費者還元事業」とは順番が逆になる、という点です。
つまり、「キャッシュレス消費者還元事業」では先にキャッシュレス決済して、決済金額の2%や5%が何らかの方法で返ってきました(もしくは値引きされました)。まさに還元です。ところが、先にチャージした段階でプレミアムとしてポイントが付与される、ことになります。
例えば、Suicaに1万円をチャージすると25%の2,500円が上乗せされて、12,500円がチャージされるといったイメージです。上限金額の5,000円は「チャージの都度」ではなく、「事業期間全体」でという理解で、1人の利用者が事業を通じて最大5,000円までプレミアムポイントを取得できるという意味です。
付与されたマイナポイントはそのまま1ポイント=1円として決済時に使用することになります。この使い方は通常の支払と同じです。
また、「購入」の場合については、まだ詳しい情報が出ていません。例えば、選んだクレジットカードで2万円以上使えば、5,000円がそのカードに還元されると予想していますが、まだはっきりしていません。事業者ごとに付与タイミングが異なる可能性もあります。
いずれにしろ、「準備が大変な割に5,000円ですか・・・」というのが正直な感想です。タダで貰えるので贅沢を言ってはいけませんね。この仕組みが今後のコロナ対策で使われる可能性もあり、可能であれば準備されると良いです。
(2020年8月4日追記)私個人は「WAON」を選択して申し込みました。WAON専用の申し込みアプリもありますが、なぜかエラーで動作せず、結局はマイナポイントアプリから申し込みました。WAONを選んだ理由は国からの5000円に加えてイオンから2000円分のWAONポイントがもらえるから(10月以降ですが)、です。こういった付加サービスは事業者により異なるので、好きなものを選ぶと良いです。
店舗事業者側の準備
店舗事業者にとっては、2020年6月末までの「キャッシュレス消費者還元事業」に引き続き、集客のために是非利用したいでしょう。特に、外出自粛で客足が遠のきましたから、再びお客様に来ていただくために、9月以降加盟事業者となることをおすすめします。
記事執筆時点では、PayPayのようなキャッシュレス事業者の参加募集が行われており、今後最終的な事業者リストが発表されるはずです。
店舗事業者については、「加盟店は登録の対象となりません」との表記があり、特別な登録手続きは不要と解釈しています。ただし、キャッシュレス事業者によってはなんらかの申し込み手続きが必要となるかもしれません。
もし、そもそも「キャッシュレス消費者還元事業」に乗り遅れてしまい、まだキャッシュレス決済をまったく導入していなかった、という場合には、この機会に導入を検討されると良いです。ウイルス感染防止の観点から現金に触りたくないと考える人もいるようです。
キャッシュレス決済の導入方法は以下の記事に詳しく書きましたので、ご参照頂ければと思います。
以上、最大5,000円がもらえるマイナポイント事業とは?という話題でした。5,000円をもらってマイナンバーカードを作りましょう、という色彩が強くなっていますが、実際問題としてマイナンバーカードがあると何かと便利です。身分証明書として使えますし、税金の確定申告、今回の特別定額給付金などで利用価値があります。そろそろ作っておいて損はありません。
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