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核家族化時代の老人ホーム
核家族化が進んだ結果、子供たちが皆家を出てしまい、親だけが実家に住んでいる、というパターンが多いです。年金暮らしで成り立っているうちは良いのですが、介護施設等に入居せざるを得ない場合に、経済的にどのように成立させるか?という問題があります。
今回はこの疑問に答えます。
いわゆる「老人ホーム」の費用は、公的なもので月額10万円前後、民間のものですと月額15~30万円程度が相場と言われています。民間の場合はこれに入居時の費用が500万円くらい必要です。
問題はこの資金をどのように工面するか?ということになります。
この場合、子供などからの支援が期待できなければ、次の3つの方法があります。
- 自らの預貯金や年金で賄う
- 実家を担保にして資金を借り入れる
- 実家を売却して資金を得る
自らの預貯金や年金で賄う
潤沢な年金や十分な預貯金があれば、自分で払うことができるでしょう。「子供に迷惑をかけたくない」として、老後の資金を蓄えてきたのであれば、自分で賄うことができます。そうありたいと願っている人が多いはずです。
ですがすべての人が自分で賄えるとは限らず、預貯金も乏しく、年金も足りないというのが最も困るパターンです。経済的に厳しい場合は生活保護を受けるという手段も考えられます。
各自治体には「地域包括支援センター」があり、経済的に厳しい場合の相談に乗ってもらえます。問題が顕在化する前にこのような公的な支援サービスの拠点に相談して、準備することも大切です。
もしくは以下の方法を検討します。
実家を担保にして資金を借り入れる
もし実家に住む人が他にいないのであれば、実家を担保にして資金を借り入れる、という方法があります。
これを「リバースモーゲージ」といって、最近増えてきた銀行借入の方法です。リバースモーゲージでは、住宅の担保価値を銀行が算定して貸付金を出してくれます。このため最初にまとまったお金を手にすることができますので、施設に入る場合の費用の一部にすることができます。
その後毎月利息のみを銀行に支払い、元本は住宅の所有者が亡くなったときに、住宅を売却することで一括して回収する仕組みになっています。
亡くなった時に売却する契約なので、住宅は相続の対象にもなりませんし、残された家族が空き家問題を抱え込んでしまうこともありません。このため「終活」のひとつの考え方として人気があり、今では多くの銀行でリバースモーゲージを商品化しています。
例えば下記は、新生銀行グループのアプラスが提供しているリバースモーゲージです。
https://www.aplus.co.jp/loan/house/reverse-mortgage/
リバースモーゲージのデメリットは、担保価値がそれほど高く算定されない、という点です。これは銀行側のリスクを考えるとやむを得ない感もありますが、思ったより借りることができない、というのが現実のようです。
銀行から資料を取り寄せて検討されることをお勧めします。
実家を売却して資金を得る
リバースモーゲージは家の所有権は持ったまま、担保を設定することで借入金を得る、という方法でしたが、これに対して家の所有権を譲渡して(住宅を売却して)代金を得て、かつその家を賃借して住み続ける、という方法もあります。
これを「リースバック」と言います。
リースバックでは、いったん売却してしまうので、所有権は業者に移りますが、その業者からそのまま賃借しますので、住み慣れた家から出ていく必要はありません。同じ家に家賃を払って住むというイメージになります。
こうすることで売却代金としてまとまったお金を手にすることができますので、施設に入る場合の費用の一部にすることができます。
その後家賃を払い続け、賃借人である元の所有者が亡くなったときに、賃貸契約が終了するということになります。すでに所有権は業者側にありますので、業者は取り壊して別の住宅を建築したり、または他の賃借人を探したり、といったことをします。
リースバックを使った方法でも住宅は相続の対象にもなりませんし、残された家族が空き家問題を抱え込んでしまうこともありません。このためやはり「終活」のひとつの考え方として最近注目されています。
リバースモーゲージより新しいので、まだ取り扱い業者は多くありませんが、ハウスドゥ が有名です。資料を入手して検討してみると良いでしょう。
以上、親が施設に入ることになりお金がかかる場合、経済的にどのように成立させるか?という話題でした。この問題は多くの人にとって切実な問題ですね。早めの準備を心がたいものです。まずはこういった本で勉強するのがお勧めです。
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