【償却資産税】固定資産を買ったら注意していないと必ず忘れる問題について【課税の対象と対象外】

償却資産

償却資産税なる税金をご存知でしょうか?一般には馴染みが薄いかと思いますが、地方税の1つである「固定資産税」のうち、償却資産に課せられる税金をいいます。

個人事業主や中小企業で税理士の先生がついていない場合には、かなりの場合うっかり忘れてしまうので注意しましょう、というお話です。



償却資産税は何に課税されるのか?

文字通り償却資産ということになりますが、詳しくは次のとおりの資産です。

  • 構築物
  • 機械及び装置
  • 船舶
  • 航空機
  • 車両及び運搬具
  • 工具・器具及び備品

注意すべき点は、「自動車(車輛)」が含まれない点です。営業車や配達車など個人事業主や中小企業でもよくある償却資産ですが、これらは自動車税(軽自動車税)の対象とされており、償却資産税の対象とはなっていません。

また、「パソコン」は含まれますが、「ソフトウエア」(無形資産)は対象となっていません。

さらに10万円未満で損金経理したもの(経費で落としたもの)や20万円未満で3年間一括償却しているものも対象となりません

ややこしい限りです。



なぜ償却資産税を忘れやすいのか?

前年に取得した償却資産のうち、1月1日に所有しているもの(使用しているものではありません)に課税されることになり、そのような資産があれば1月31日までに県税事務所に申告書を提出する、というルールになっています。

この時期が個人の場合は確定申告前ですし、法人の決算期とも大抵ずれていますので、忘れやすいということになります。特に個人事業主の場合はノーマークになりやすいです。

おまけに正月明けで年始の挨拶とかごたごたしていることが多いのも、忘れる要因です。

忘れていたことが判明すると5年分遡って課税され、一括で納めることになります。結構痛いです。



償却資産税の賦課と納付

1月31日までに申告すると、地方自治体の「償却資産課税台帳」に登録されて、自治体側が課税標準額を決定し税額を賦課してくる(計算して請求してくる)方式になっています。

ただし課税標準額が150万円未満ですと結局課税対象外となります。少額なものは申告だけして、課税されないということになります。

課税される場合は、納税通知書が6月ごろ送付されてくるので、年4回の納期に記載された税金を納付します。資産税なので赤字でも納付する点にご注意ください。

申告さえ忘れなければ、納税通知書が来るので忘れることはありませんね。



償却資産税を忘れないようにするには?

注意して覚えているよりほかありません。身も蓋もない話ですが。

ベストな方法は税理士の先生に付いて頂いてフォローしてもらうことでしょう。会計事務所であれば、クライアントの固定資産の購入を記録して忘れないようにチェックしていてくれます。

不安な方、すでに痛い思いをした方は、税理士ドットコム で税理士の先生を探しましょう。

以上、固定資産を買ったら注意していないと必ず忘れる問題について、という話題でした。償却資産についてはこういう書籍もあります。参考まで。

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