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定年までの10年。50代の過ごし方
50歳を過ぎますと、サラリーマンの場合はいよいよ定年が見えてきます。多くの会社では60歳で定年、そのあと希望すれば65歳まで定年延長となります。
定年延長といっても原則1年ごとの契約ですし、定年時の給料から少なからず減額となるのが普通です。終身雇用の名残で高齢社員は給料をもらい過ぎという面がありますので、正しく市場価値を判断された結果として、給料ダウンは仕方ない話でしょう。何も無いよりマシということです。
そういう先が見えた状態で今の会社・仕事のまま50代の10年間をぼーっと送ってしまって良いのか?という疑問があります。ましてや、最近よく言われるように「人生100年時代」ということで、65歳まで仕事したとしても、そこからさらに35年間も時間があることになります。
50歳を超えたら、この35年間の生活のための準備をする、というのがオススメな考え方です。特に経済的な面をどうやって支えるのかというと、やはりできる限り長く仕事するというのが現実的な方向性です。そうすると、50歳前後で仕事を変えて人生の第2フェーズにスイッチしていくということを考えることが必要です。
シニア世代の就職・転職
就職転職の世界では50歳オーバーは「シニア」です(最近は人手不足で55歳という説もありますが)。自分にそういう意識が無いとしても、シニアと呼ばれてしまい、選べる仕事の内容がぐっと狭くなってくるようです。転職サイトなど見てみますと、シニアでも就けそうな仕事は次のようなものになります。
- 管理人
- 清掃員
- 営業・販売員
- ドライバー
- 軽作業
もちろん仕事に貴賤の別はないので、それぞれ立派な仕事ですが、「うーん」という感じです。確かにこれらの職種であれば、体と頭が続く限り働き続けることができるでしょう。
ですが、これまでそれなりの企業の一般職社員だった人がこれらの仕事に転職するのは心理的に厳しいものがあるかもしれません。自分よりはるかに年下の上司や管理者のもとこれらの仕事を続けることができるでしょうか?
スキルの掛け算でエキスパートシニアを目指せ
やはりある程度の「プライド」や「やりがい」をもって、仕事を続けていくには、特定の分野についてスキルを持ったエキスパートである必要があります。これまで大手企業で部長職でしたといっても、外へ出れば「だから何?」となってしまいます。
残念ながら過去の栄光や武勇伝は「経験」として売れるものではなく、やはり売り物になる何らかのスキルが必要です。スキルがなければ市場価値にならないと考えた方が良いでしょう。
50歳を超えた方々にオススメのスキルは何か?といえば、第1には「経理」でしょう。そして第2に「IT」です。さらに第3として「英語」。この3つのスキルがあれば、「スキルの掛け算効果」によってかなりレアな人材になれます。
1つ1つの分野で10人に1人のスキルを持てば、3つの掛け算で1000人に1人の人材となります。そういうレア人材になれば、エキスパートシニアとしての転職も可能です。
経理職は売り手市場
あるエキスパートシニア向けの転職サイトで調べたところ、人材募集のうち約40%程度のが「経理職」でした。これが上記で第1におススメした理由です。経理の仕事はクラウドサービスやRPAによる自動化などの荒波を受けて、少なくなっているのかと思いきや、実際にはまだまま必要とされている分野です。実際に現代ビジネスにこういう記事が書かれているほどです。
日本中の会社で経理不足…実はいま「簿記3級」が驚くほど価値を持つ
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57523
この記事にあるように、経理といってもそれほど難しいスキルではなく、簿記3級とか2級程度の知識でも十分に価値があります。これらの資格取得は容易ですので、是非挑戦しましょう。
そのためには下記のようなネットスクールを活用するという考え方があります。転職前準備として、比較的短期に資格取得することがでるのです。
月額980円ですので、1-2ヶ月時間をとって集中的に勉強して合格してしまう、というやり方が良いでしょう。合格したら退会してしまえばよいのです。思い立ったら即実行!です。
簿記3級は40%くらい合格するので経理職への入り口という感じですが、2級は20%前後の合格率ですので、かなり10人に1人の人材に近くなるでしょう。私も税理士試験に挑戦するまえに、3級と2級に合格していますが、わずかな勉強で合格できました。
ITはいまどきの必須スキル
「経理」のスキルをすこしでも身につけたら、次は「IT」です。「文系だからITは苦手・・」とか言っている場合ではありません。今の時代に生きるのであれば、情報システムに関する知識やスキルはどうしても必要です。
とはいえ、こちらもそんなに高度なエンジニアリングやプログラミングのスキルが必要という訳ではなく、Microsoft Officeの中級の使い方とかクラウドサービスの活用といった程度で十分です。
この記事を読んでいる時点でインターネットは使える訳ですし、スマホを使ってLineやメールなどをしているのであれば、さほど苦労せずともExcelやWordの中級の使い方はマスターできるでしょう。
特に経理職であれば、数字を扱いますので、Excelのスキルが重要です。Excelの場合、データ入力やシートの操作、グラフの作成などができれば初級です。
関数の扱い、特にvlookup関数のようなデータ集計で使うものを理解して、ピボット分析ができるようになれば中級となります。このくらいができるようになれば、十分に10人に1人の存在になれます。上級はマクロやVBAなどのプログラミングですが、ここまでは必要ありません。
中級レベルに達するには書籍による独学で大丈夫です。下記のような本を見ながら、自分でいろいろデータ集計してみて、数をこなして体で覚えるのが一番です。
英語力を磨こう
経理のスキルとITのスキルが身についたら、次は「英語」です。おそらく英語がこの中では一番ハードルが高く、きつく感じるかもしれません。
ですが、よく考えてみればほとんどの方は中学生のころから英語を勉強してきていますし、仕事のための英語という意味ではまず「読み書き」が重要ですから、それほど及び腰になる必要はありません。
TOEICのスコアでいえば、その分布から見て、おそらく750点くらい取れれば、10人に1人の人材になるようです。自分の場合、遠い昔ですが初めて受験したときは700点そこそこだったように思います。
その後真面目に勉強しまして、2年くらいで800点を超えたと記憶しています。その後留学のためにTOEFLに転向しまして610点くらいになりましたので、TOEIC換算で900点超えとなりました。
この手の英語の試験はコツがありますので、とにかく数多く問題にあたって、コツを習得すればスコアは伸びます。勉強の教材としてオススメするのは、アルクのTOEIC(R)テスト対策講座です。
英語教材の世界は色々なものが出ては消えていきますが、アルクは昔からある英語勉強界の老舗で、それゆえに信用があります。長く生き残っているのは内容が良いから、です。
経理やITと違って、英語はある程度我慢強く勉強しないと成果が出ない性質があります。したがって「飽き」が一番怖いです。アルクの教材を使ったり、そのほかにも映画やYouTubeなど世の中にある英語環境をフル活用して、じっくり上達しましょう。
以上、アラフィフの方に向けて、第2の人生に向けたシニアの転職就職を考える、という話題でした。こちらの記事で取り上げたように、人より少し差別化された10人に1人くらいのスキルを獲得し、それらを2つ3つ掛け算することで、1000人に1人とか10000人に1人とかの人材になることが、より充実した第2の人生にする処方箋です。参考になれば幸いです。
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