ここ最近の「好きなことを仕事に」の流れで、独立してフリーランス(個人事業主)になる(なりたい)という人が増えてます。
その場合、会社員時代とは異なり、様々なリスクに対して自分で備えなければなりません。具体的にはある程度保険料を負担して保険に加入しておく必要があります。
では、フリーランスになる場合どのような保険を選べば良いのか?今回はこの疑問に答えます。
目次
健康保険
会社員の場合は会社が所属している健康保険組合に加入している場合が多いです。独立してフリーランスになると健康保険組合からは脱退となり、原則として国民健康保険に加入することになります。
ただし、会社を辞めて2年間だけは全額自費で健康保険組合に加入したまま(任意加入という言います)にすることもできますし、夫や妻など家族が会社員で健康保険組合に加入していれば、その扶養に入るという手もあります。
健康保険組合のほうがメリットが大きいため、検討の余地はあります。
国民健康保険にしろ、健康保険組合にしろ、国の高額医療費制度が利用できますので、一定金額以上の医療費がかかったとしても払い戻しを受けることができます。したがって、フリーランスになった後で病気にかかり高額医療費がかかったらどうしよう、という心配はあまりする必要はありません。
むしろ、病気やケガで就業出来ない間の収入が得られなくなることが心配なので、そちらの対処をすることになります。
健康保険組合に加入していれば「傷病手当金」といって、この就業出来ない間の収入を補填してくれる制度があります。国民健康保険ではこの制度が無いため、健康保険組合に入っておくほうがメリットが大きいということになります。
所得(収入)補償
国民健康保険への加入となった場合は、上記のとおり、収入補償の制度は無いため、自分で保険を用意する必要があります。
民間ほ保険会社が様々な収入補償保険を商品として提供しています。保険商品は新しいものが出たり、出たかとおもったら募集停止になったり、内容が変更されたり、意外と変動が大きいので、その都度最新の情報を集めて検討することが大事です。
下記ディノス・セシールが運営の【保険GATE】 よりお申込み頂きFP(ファイナンシャルプランナー)と面談して各社の情報を入手されると良いでしょう。相談は無料です。
人と合って面談するのは面倒ですが、保険商品の場合ネット申し込みできるものは選択肢が限られるため、ネット申し込みでは結果的に損してしまうというということがよくあります。このため、専門家に個別に相談してアレンジしてもらう方が良いのです。
保険GATEでは保険会社の営業ではなく、独立系のFPが相談に対応しますので、しつこい営業もありません。通常2-3回面談して見直しされる例が多いです。
民間の収入補償保険は、多くの場合「死亡・所定の高度障害状態に該当」したときにその後一定金額が年金として受け取れる、というものです。つまり、自分が亡くなったりした場合に、稼ぐはずだったお金が年金として自分または家族に支給されます。
この場合、病気やケガで就業出来ない間の収入を補填する、という訳ではないので、注意が必要です。ただし、保険商品によっては「就業不能保障特約」といって、オプションを付加することで病気やケガで就業出来ない間の収入を補填することを実現できるものがあります。
記事執筆時点で、個人的にお勧めするのは、一般的な収入補償保険ならメディケア生命の「メディフィット収入保障」やFWD富士生命の「FWD収入保障」です。理由は保険料が安いからです。もしタバコを吸わない健康な方であれば、非常にコスパが高いです。
一方、就業不能保障特約を重視する場合は、チューリッヒ生命の「収入保障保険プレミアムDX」があります。ただし、こちらは前の2つと比べると保険料がやや高めです。
他にも各社各様ですので、まずは情報を集めて検討されると良いです。
なお、フリーランス協会も損保ジャパンと提携して収入補償制度を設けたようですが、他の収入補償保険と比べて保険料が高い印象です。ですが、フリーランス向けに開発されたものですので、比較検討の対象にされると良いです。
生命保険
民間の収入補償保険は「死亡・所定の高度障害状態に該当」したときに年金として支給されるものですが、では「死亡・所定の高度障害状態に該当」したときに一時金として支給される生命保険にも加入したほうが良いでしょうか?
答えは、家族構成や年齢、ライフステージによって必要な時と特に必要ない時がある、ということになります。
生命保険は「今亡くなったりした場合に将来に渡って残された家族が必要とするお金」を用意するためのものです。つまり、まだ若く子供も小さい場合には、子供が独立して巣立つまで相当の金額が必要となるため、その金額を用意するために生命保険に入った方が良いです。
一方で、子供も独立しており、今後は夫婦二人の生活だけ考えれば良いということなら、収入補償保険に入ってしまえば、生命保険は必要ない可能性もあります。
ライフステージによって要・不要が変わってきますので、現在から将来に渡ってのライフプランを立てて、生命保険が必要かどうか、必要ならいくらの保険金があれば良いか、検討することが必要です。ライフプランの立て方についてはこちらの記事で紹介していますので、ご参照ください。
医療保険
医療保険とは病気やケガで入院・通院した場合に支払われるものです。前述のとおり、日本には高額医療費制度があるので、医療保険は無理に入る必要はありません。
ですが、そうは言っても三大疾病など心配というのが人の情です。その場合には、県民(都民)生協の共済保険にある医療保険をお勧めします。保険料が安いのに保障内容が良く、毎年返戻金もありますので、非常にコスパが高いです。これ以外のテレビCMでよく見かける医療保険は保険料も高く検討する必要はないです。
賠償責任保険
フリーランスになると、意外と重要なのは賠償責任保険です。これは、自分を守るためと同時に仕事を発注してくれるクライアントを守る意味があります。
賠償責任保険ではなんらかの事情で自責によりクライアント等の他人に損害を与えてしまった場合に、その損失を保障するものです。場合によっては、相手から損害賠償請求を受けることがありますので、その備えとなります。
賠償責任保険については、フリーランス協会に入会すると自動付帯となるため、こちらでカバーされるという方が多いようです。
以上、独立したらリスクへの備えとして保険は何を選べば良いか、という話題でした。保険は人生において住宅の次にコストがかかると言われています。会社員から独立してフリーランスになると保険のニーズも変化します。必要な保険を必要な時期にかけている状態が望ましいので、そのような観点でライフプランを見直すことをお勧めします。