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所得税の確定申告はいつからいつまで?
所得税の確定申告期間は法律で決まっており、2月16日から3月15日までとなっています。2024年(令和6年)の確定申告期間は2月16日(金)から3月15日(金)まで、となっています。
このように言われますと、この期間しか確定申告できないと思ってしまいますが、そうではありません。
最近利用が増えてきたネット経由での申告であれば、もっとやはく税務署が開く(開庁する)日の1月4日から申告することができます。。
確定申告はネット経由が便利
普通の納税者にとって確定申告をネット経由で実施する方法にはざっくり2通りあります。
ひとつは国税庁が開設するWebサイト「作成コーナー」で作ってそのまま申告(送信)まで済ませてしまう方法、もう一つは「作成コーナー」で作って印刷したものを税務署に持っていく(または郵送する)方法です。
当然ながら「作成コーナー」で作ってそのまま申告する方法が便利でおすすめです。実際下図のとおり、「作成コーナー」利用者は年々増えてきています。この流れに乗りましょう。
ICTを利用した所得税等の確定申告書の提出人員の状況 (出典:国税庁)
ハンコ(受領印)のついた「控え」が無いのが心配という人がいますが、そのまま申告しても「控え」はPDF形式で入手できますので、保存しておけば必要に応じて銀行に提出したり、後で利用することも可能です。
以前は、「作成コーナー」を使っての申告には「電子証明書」が付いたマイナンバーカードとパソコンに接続するカードリーダーなる機材が必要だったのですが、昨年(2019年)の申告から、「IDパスワード」方式が導入されてこの手間が無くなりました。事前に税務署に行ってIDとパスワードを発行してもらえば、マイナンバーカードは不要になっています。
ぜひ混む前に税務署に行って、IDとパスワードを発行しておくようにしましょう。
確定申告は年明け早々に終わらせよう
いつもおすすめしているのは、個人事業主フリーランスは確定申告を年明け早々に終わらせましょう!ということです。
ベストなのは、年内に売上や経費をすべて帳簿につけて、年末年始でテレビなど見ながら決算整理し、年明け早々にさらっとネット申告して「ハイ終わり」というパターンです。これができるようになるとストレスが無くて最高です。
実際には多くの方が2月に入ってから、または3月に入ってから、イヤイヤ重い腰を上げますが、帳簿の記帳もできておらずバタバタする、というパターンかと思います。自分もかつてそうでしたので、分かります。
このバタバタを避けるには次の2つの方法があります。
(1)副業のフリーランスなどで規模が小さい場合
副業でも所得(収入から経費を引いたもの)が年間20万円を超えると「事業所得」として確定申告が必要です。ただし、規模が小さければ自分で帳簿をつけて確定申告できます。
私の方で準備した「シンプル経理ツール」(無料のエクセルマクロ)など使って対応されると良いです。こちらの記事よりご確認ください。
(2)専業のフリーランスなどで規模が大きい場合
一定の規模になったら自分で対応するよりはアウトソーシングして素直に税理士に頼む方が良いです。その分自分は本来の仕事のために時間を使う方が賢明です。
特に年間の売上が1000万円を超えると消費税の納税義務もあり、消費税は専門家に任せた方が安心です(失敗の代償が大きいので)。
税理士を探す場合は、他にあてがなければ、税理士ドットコム のような無料のマッチングサービスが良いです。または当事務所にお問い合わせください。。
締切直前だと孤立無援に
3月の締切直前にバタバタすることの最大のリスクは、だれも助けてくれる人がいない孤立無援の状態になってしまい、申告期限に遅れたり、間違えて申告してしまうことです。
申告期限に間に合わないと、期限後申告となり、青色申告特別控除(e-Taxなら65万円、書面なら55万円)が使えない、無申告加算税や延滞税といったペナルティ(罰金)がかかる、など非常に不利になるので、期限内申告をしないとかなり損です。
また、締切直前になると質問があっても対応してくれる人がなかなかいない、という状況になります。「税務署で聞けばいいや」と思っても、税務署は長蛇の列で大混雑ですし、急遽「税理士にお願いしたい」と思っても、直前では受けてくれる先生はあまりいないはずです。
確定申告所要日数の具体例
一般的な統計データは無いのですが、自分の経験上、準備の開始から確定申告の完了までは、けっこうな時間を要します。
上記の「副業のフリーランスなどで規模が小さい場合」で、帳簿が既にある場合なら、たぶん1週間もあれば終わります。もし領収書の束があるだけで、帳簿からスタートするなら、いろいろなやり取りをしつつ2-3週間はかかるでしょう。
「専業のフリーランスなどで規模が大きい場合」で、帳簿が無いとさらに時間がかかり、1ヶ月は余裕を見ておく必要があります。ただしクラウド会計などのデータがあれば、もう少し短く済むかもしれません。
いずれにしても、これらのキャッチアップ作業から税理士に頼むと、それなりの費用がかかります。一般には10~20万円前後請求されるでしょう。
やっぱり早めの準備が吉
このように「のんびり派」だと良いことがありません。余計な費用がかかるばかりか、下手をすると修正申告することになったり、最悪ペナルティを食らってしまいます。
やはり早め早めの対応がベストなのです。
思い立ったが吉日ですので、早速「シンプル経理ツール」で帳簿作成を始めるか、税理士を探しましょう。
以上、個人事業主フリーランスは先手必勝の確定申告を、という話題でした。偉そうなことを言っていますが、かく言う私も一昨年までは「のんびり派」で痛い目にあったこともありました。去年から心を入れ替えて「先手必勝派」になった次第です。とても精神的に楽ですよ。