この記事は「コロナ不況で失業してしまい、マンションの住宅ローンが払えない!どうしたら良いでしょうか?」といった疑問に答えます。
目次
長期的な不況が来る予想
2020年新型コロナウイルスの世界的な蔓延によって、長期的な不況の到来が予想されています。いったん分断されたヒト・モノ・カネの流れはなかなか元には戻らないでしょう。
場合によっては、購入したマンションの住宅ローンが払えなくなり、売却せざるを得ないという方もいるかもしれません。銀行も任意売却を迫ってくる可能性があります。
今回はそのような状態になった場合に考えるべきチェック項目をお伝えします。
ローンが払えないため売却する状況になったら必ず考えたい5つのこと
次の5つです。
- 本当に「売却」しないといけないのか?
- 「売却」にかかる費用は?
- 引っ越しした場合の問題点
- リースバックという選択肢を検討する
- 自己破産という選択肢を検討する
以下に、それぞれについて説明していきます。
本当に「売却」しないといけないのか?
住宅ローンの場合、その住宅(マンション)そのものに抵当権を設定し、土地・建物を担保としてお金を借りています。このため、ローンの返済が滞れば、銀行は抵当権を実行して土地・建物を競売にかけ、貸したお金を回収します。
ところが、この競売は手続きが面倒で時間もかかるため、銀行は「任意売却」を勧めてきます。任意売却とは文字通り、任意に(自らの意思で)売却してその代金でローンを一括返済します、という意味です。
任意売却のほうが市場価格での売却となり、一般には競売よりも高く売れるというメリットがあります。
ですが、売却してしまえば、次の「売却」にかかる費用や引っ越しした場合の問題点をどうするかという問題があるため、後述する第三者へ任意売却しない選択肢も考えに入れると良いです。
「売却」にかかる費用は?
任意売却する場合には、通常任意売却を専門に扱う業者が間に入って、売却代金の分配について住宅ローンの債権者(銀行)と交渉します。簡単に言えば、ローン残債の全額が回収できなくても回収できる金額で納得してもらうのです。それでも銀行からすると、競売よりも早く一定の金額が回収できるメリットがあります。
その他の費用には通常次のようなものがありますが、こられも売却代金の中から支払われるので、普通持ち出しで追加費用がかかることはありません。全てを精算してなお残金があれば、それは自分のものになります。
- 任意売却業者への手数料
- 不動産会社への仲介手数料
- 司法書士へ登記の抹消費用
- マンション管理会社へ滞納管理費の精算
- 市役所などへ滞納税金の精算
当然ながら、引っ越し費用や次の住むところの敷金などは自分で負担する必要があります。
引っ越しした場合の問題点
任意売却した場合には、当然次の住居を探す必要があります。
この場合、単に引っ越しなどの費用だけでなく、仕事の関係や子供の転校の問題があり、なかなか簡単には決められないものです。また、元のマンションで事業所登録をしていると、これも変更しなければならない、といった問題も生じます。
リースバックという選択肢を検討する
そこで、同じマンションに住みつつ、住宅ローンの問題を解消できる方法は無いのか?ということになります。これを実現するのが「リースバック」という手法です。
リースバックは聞きなれない言葉かもしれませんが、いったんマンションを業者に売却して、その業者から不動産賃貸契約で借り戻す、というイメージです。つまり、所有権は業者に移転しますが、同じマンションに住み続けることができます。
この同じマンションに住み続けることができるという点が最大のメリットです。
業者から受けとる売却代金で住宅ローンを返済し、業者に対しては毎月家賃を支払います。
「売却」にかかる費用は任意売却と基本同じなのですが、少なくとも「引っ越し費用」が不要となります。また、住所は変わりませんので、事業所登録や子供の転校の問題も解決することができます。
さらに、リースバックにしておくと、将来もし資金に余裕が出来たら、そのマンションを再び買い戻すということも可能です。
このようにリースバックには様々なメリットがありますが、はじめの一歩は自宅マンションの資産価値の算定です。リースバックが成立できないと意味がないからです。
【総合マネージメントサービスのリースバック】 といった専門業者に算定してもらい、リースバックの選択肢がアリかナシか、まずは見てもらう必要があります。
自己破産という選択肢を検討する
住宅ローンを払えない場合に、「自己破産」すると借金が帳消し(免責)になります。自己破産は裁判所による手続きで、住宅ローンだけでなく他の借金や滞納税金も帳消しにできます。
ただし、結局のところ自宅マンションは手放して退去することになります。残債の存在や借金取り立てのプレッシャーから解放されますが、裁判所が定める生活のために最低限必要な財産しか残らないので、不動産は手放すのが普通です。
また、一度自己破産すると原則7年間は再免責を受けることができませんし、少なくとも5年間くらいは再び住宅ローンを組むこともできません。
このような制限から、自己破産するというのが必ずしも正しい選択肢ではないかもしれません。ただ、精神的に極度に追い込まれるのを避けるために選択肢の一つとして知っておくことは必要です。
以上、宅建士が教えるマンションのローンが払えないため売却する状況になったら必ず考えたい5つのこと、という話題でした。失業してローンが払えなくなると、心理的にプレッシャーが強くなりがちですが、見てきたような選択肢が幾つかあり多くの人が過去に利用している道ですので、あまり心配し過ぎないことです。
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