【消費税】4月から値段の表示方法が変わる!「総額表示」の義務付けにご注意を

この記事は「値段の表示方法は消費税込と税抜とどちらが正しいのでしょうか?令和3年4月から表示方法が変わるというのはどういうことですか?」といった質問に答えます。



消費税額の表示方法

消費税が導入されて以来、商品やサービスの値段の表示方法として様々なものを目にするようになりました。税込価格で表示しているものもあれば、税抜価格の後にカッコで消費税額が書いてあるものや、税抜価格で表示して「別途消費財がかかります」とコメントがあるものなどなど、実に様々です。

実は消費税額の表示方法は消費税法で決まっています。その第63条(価格の表示)に次のようにあります。

第六十三条 (価格の表示) 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等(第七条第一項、第八条第一項その他の法律又は条約の規定により消費税が免除されるものを除く。以下この条において同じ。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡等を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。





総額表示の原則

つまり消費税額を含めた「総額で表示」しなさい、という訳です。これを総額表示の原則といって、単に税込金額だけ表示すれば良いということになっています。

逆に言えば、税抜価格の後にカッコで消費税額が書いてあるものや、税抜価格で表示して「別途消費財がかかります」とコメントがあるものなどは本来は全部法律違反なのです。



総額表示義務の特例

そうなると今まで見てきたこれらの紛らわしい表示は何なの?という話になる訳ですが、実はこれらは全て「総額表示義務の特例」として事業者に便宜をはかってきたものなのです。

価格表示の方法はたいていの場合、販売システムや製造システムなどでシステム化されていたり、またはその他の事業者側の成約があって、そんなに急に変更できないという事情がありました。また、税込の総額表示をすると「値段が高く見える」ことからなんとなく二の足を踏んでしまう、といった実情もあります。

そこで国は「総額表示義務の特例」を設けて、以下のような誤認を防止する表示方法なら総額表示でなくても大目にみますということを決めたのです。

総額表示義務の特例

(出典:国税庁ホームページ)



令和3年4月1日からは原則に戻る

ところがこの総額表示義務の特例が令和3年3月31日までで期限切れとなります。

令和3年4月1日からは特例による価格の表示方法が使えなくなり、全部原則の総額表示が強制されるようになります。令和3年4月といえばもうすぐそこですよね。

従って、もし皆さんの価格表示が総額表示でないなら、3月31日までに表示を改める必要があります。記事執筆時点でこの期限が延長になるという話は伝わっておらず、結構慌てる必要があります。

どういった表示方法ならOKなのかというと、国税庁ホームページには次の例がOKとして出ています。

11,000円

11,000円(税込)

11,000円(税抜価格10,000円)

11,000円(うち消費税額等1,000円)

11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)

要は「11,000円」の表示は譲れないということです。姑息なことをして安く見せる方法はNGとなりますのでご注意ください。

令和3年4月1日以降に総額表示していない場合にどうなるのか?というと、急に罪に問われたりすることはなく、おそらく何も起こらないかと思います。ですが、抜き打ち的に当局から指摘を受けて変えさせられる可能性はあります。そうなる前に早めに総額表示に代えておくことをお勧めします。





以上、4月から値段の表示方法が変わる!「総額表示」の義務付けにご注意を、という話題でした。私も自分の「サービスメニュー」の価格表示を総額に変更したところです。面倒ですが、最初から総額表示が原則ですから、粛々と対応しましょう。

★★★ 人気記事 ★★★