建築は自分にとって全くの専門外で門外漢以外の何者でもないわけですが、なぜか昔から「アート」としての建築が好きで、建築物見物が趣味のひとつになっています。特に建築設計思想の「小難しいところ」になんとなく惹かれてしまい、今回もそういう流れでこちらの個展を見に行きました。(2018年9月30日(日)までTOTOギャラリー・間にて開催)
目次
超線形設計プロセス
今回初めて知ったのですが、建築家藤村龍至氏は独自の設計手法「超線形設計プロセス」というのを提唱されているそうで、それがいったいどんなものなのか?という興味です。紹介記事によると、「超線形設計プロセス」とは単純な形状を出発点とし、細かな与条件をひとつひとつ反映しながら、多数の模型で比較・検討を重ねていく設計手法、ということで、なんとなく分かったような分からないような、まさに「小難しい」です。
「線形」とは英語でいえばlinear(リニア)ということで、これは物事が連続的に繋がっている様かなと理解します。「線形」の反対は「非線形」で逆に連続的でないこと、これまでの流れとは全く違うことが起きること、のような響きがあります。建築方面ではきちんとした定義があるのかもしれませんが、そこまでは分かりませんので、自分なりのイメージです。
ビジネスコンサルティングで考えると
私の専門分野ビジネスコンサルティングの領域にこの「線形」と「非線形」を当てはめてみますと、「線形」とは徐々にプロセスを改善していくタイプのプロジェクトに該当します。昨日よりも明日が少しだけ良くなるような改善、連続的で予想がつく変化、という感じです。
これに対して「非線形」とはある日突然、急に大きな変化を起こすタイプのプロジェクトに該当します。別の言い方ではビッグバン・プロジェクトです。昨日のやり方と明日のやり方が全く違うという、大きくて非連続的な変化です。
この2つは往々にして比較され、どちらが良いのか?という話になりますが、それぞれに良い点・悪い点があり、どちらを選ぶにせよ、リスクを正しく予想・把握して、事前に手当していくというアプローチが欠かせません。これまで両方のパターンを経験していますが、コンサルタントとしてどちらを推奨するかは、「場合による」というすこしずるい言い方になってしまいます。
「超線形」をビジネスの世界で言うと
では「超線形」とは何なのか?という話になります。「単純な形状を出発点とし、細かな与条件をひとつひとつ反映しながら、多数の模型で比較・検討を重ねていく」とありますので、PDCAをくるくる回しながら軌道修正を重ねていくようなやり方のようです。
このような方法論もビジネスコンサルティングの現場ではよく使われるもので、確実に成果へと導く、失敗しにくい方法論です。ただし、だからといって簡単という訳ではなく、説明して頭では分かっても行動に落ちてこない、ということを何度も経験しています。要するに実践が難しいのです。
「超線形」思考のススメ
考えてみれば、私も現在の自宅を建てる時に自分でデザインした(設計は当然設計士さんが行いました)のですが、この「超線形」的な発想は無かったですね。もう少し「超線形」的な発想を取り入れれば良かったと後悔しています。思い切り「線形」または「非線形」な考え方で走ってしまいました。これから家を建てる人は「超線形」的な発想を大事にした方が良いですね。
建築物は一回作ってしまうとなかなか取り返しがつかないですが、ビジネスの現場ではそうでもないので、「線形」「非線形」「超線形」の3つをバランスよく配合調整して目的を達成したら良いのでは、と思った次第です。
以上、藤村龍至氏の個展「ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用」を見て考えたこと、という話題でした。建築の素人が勝手に考えただけですので、解釈が間違っていたらご容赦ください。下記は藤村龍至氏の最新刊です。ぜひ、どうぞ。
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