この記事を執筆している時点で、消費税が増税となる10月1日まであと10日あまりです。いよいよカウントダウンという感じです。
テレビなどの番組でも消費税の増税に関する取り扱いが増えてきたようです。中でも注目されているのが、新しい消費税に対応するためのレジの入れ替えが間に合わない事業者です。
この記事では、レジの入れ替えをギリギリ間に合わせる方法、間に合わなかった場合の対処方法、さらには間に合わなかったお店から購入してしまった場合の対処方法について説明します。
目次
軽減税率対応レジの導入が間に合わないお店が続出
テレビやネットのニュースによると、レジが古いため特に軽減税率に対応できないというお店が多くあるようです。今回初めて複数税率の導入となりますので、税率がひとつしか設定できないタイプのレジでは、飲食業などでは10月以降使うことができない場合があります。また決まった書式のレシートを発行できなければいけないのですが、 これができないタイプのレジも多く存在します。
このためレジ業者には注文が殺到しており、現時点でも相当待たされるという状態になっています。9月にレジの交換を申し込んでも、実際に交換されるのは11月頃という話を聞きます。
そうなると、10月1日の時点で軽減税率対応レジが間に合わなかったお店が続出する見込みになっています。
ギリギリ間に合うかもしれないモバイルPOSレジ
最近では従来型のレジに代えて、タブレットやスマホをレジの代わりとして使う「モバイル POS レジ」の導入が進んでいます。すでにカフェや美容院などでこういったレジを見かけることが多くなりました。
モバイル POS レジであれば、自分がすでに持っているタブレットやスマホを使ってレジとして使うことできますので比較的導入まで短期間で済みます。単純にアプリをインストールして設定すれば良いだけです。
この方法であれば今からでもギリギリ間に合うか、もしくは10月に入って数日で準備ができる可能性があります。モバイル POS レジはスクエアやAirペイ といったところか大手になりますので、ご検討頂くと良いです。
ただし、モバイル POS レジと連動して使うレシートプリンターや、現金を収納するドロワーと呼ばれる装置は品薄になっている可能性があります。早く動く事に越したことはありません。
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間に合わない場合の対処方法
もし10月1日までにレジの入れ替えが間に合わなかった場合でもなんとかなります。
この場合の対処方法は、あまり美しいやり方ではありませんが、電卓で計算をして複数税率に対応するということになるでしょう。幸いなことに電卓メーカー各社から軽減税率(複数税率)に対応できる電卓が発売されています。具体的には次の各ショッピングサイトにてご確認ください(こちらも品薄という話もあります)。
極めて面倒ではありますが、このような電卓を使って10%対象品と8%対象品のそれぞれの合計額を計算してレシートや領収書を発行します。
領収書は本来であれば、下図のように品目ごとにどちらの税率適用かを明示し、最後に10%対象と8%対象を分けて合計する必要があります。
区分記載請求書等の例(出典:国税庁ホームページ)
しかし、品目ごとまでの記載が間に合わないなら、お品代として10%対象と8%対象の合計金額を記載するようにします。氏名(名称)や年月日などの基本事項はこれまでと同様に必要です。
間に合わなかった相手から購入した場合の対処方法
以上は販売を行う事業者の立場での話でしたが、軽減税率の導入に間に合わなかった事業者から仕入れをするという可能性もあります。つまり、仕入れとして食料品等を購入しレシートや請求書をもらったものの、そこに10%対象と8%対象の区分がされていない、という可能性があります。
取引の相手が軽減税率対応レジの導入に間に合わなければ起こり得る話です。
こうなると、消費税の仕入税額控除の証拠書類として認められないのではないか?という疑問があります。
ですが、このような事態もあらかじめ想定されていまして、実は購入した側でレシートなり請求書なりに「追記」して良いというルールになっています。つまり買った側で勝手に書き込んで良いという意味です。
勝手にと言ってももちろんデタラメということではなく、自分で10%と8%対象品の合計金額をレシートの上に書いて良いということです。
従来は考えられなかったことですが、このような対応を行っても正式な証拠書類として認められ、仕入税額控除の適用を受けることができます。もし相手方の事業者が区分ごとに記載したレシートや請求書を発行できなかった時は、このように自社の側で対応することができます。
以上、消費税の軽減税率対応レジの導入が間に合わない!どうしたら良いか?という話題でした。私もいろいろなことがギリギリになるタイプですので、他人事ではありません。皆さんのお店が無事にこの混乱期を乗り切れることを祈念しております。
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