【事業者向け】2019年10月導入!消費税10%と軽減税率まであと1ヶ月。何を準備すれば良いか?



いよいよ2019年10月に消費税の10%への増税と軽減税率制度の導入が迫ってきました。報道によると、事業者側の準備が思ったように進んでいない、ということですが、そろそろ焦る時期です。

この記事では、そんな事業者の方に向けて「最低限どんな準備をすれば良いのか?」を解説しています。



最低限必要な準備をフローチャートにしてみた

最低限必要な準備は下図のとおりですので、まずはざっとご参照ください。

消費税 軽減税率導入

簡単に言うと、9月30日の業務終了後(閉店後)にレジや販売管理システムの税率設定を変更します。また10月から区分記載請求書等という形式での請求書(レシート)を発行する必要があります

どんなものが軽減税率対象品なのか?区分記載請求書等とはどんなものなのか?についてはこちらの記事に書きましたので、ご覧ください。

また、10月以降は売上や仕入の会計帳簿への記帳は税率ごとに区分して経理することになります。これは消費税の計算のためで、特に課税事業者であれば必須の対応となります。



この時点でパニックの方へ

もしここまで読んでいただいて、「訳がわからない。無理です」という方は、税理士等の専門家に相談されることをお勧めします。

もし個人事業主でこれまで税理士をつけてこなかった方は、税理士をつける良いタイミングかもしれません。新しく税理士を探す場合には、税理士ドットコム のような無料のマッチングサービスを使うと良いです。もう時間があまりありませんので、早めに行動しましょう。

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旧式のレジをお使いの方へ

古くから使っているレジの場合、8%と10%の複数税率や区分記載請求書等への対応ができない、というものがあります。この場合には、レジを新しいものに入れ替える必要があります。

レジの入れ替えは数10万から100万円以上するものまで、かなり高価なものですが、このコスト負担を軽減する方法が2つあります。

  • 国の補助金を活用する
  • モバイルPOSレジを採用する

消費税対応の目的でレジを入れ替える方のために、国が補助金を出してくれます。レジ購入の契約期限が2019年9月30日まで(8月28日変)と迫っていますが、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

また、モバイルPOSレジへの置き換えは導入時も運用時もコストが低いのでお勧めです。モバイルPOSレジとはスマホやタブレットをレジ代わりに使うもので、最近よくカフェやレストランなどで見かけるようになりました。

手持ちのスマホやタブレットを使えば新たに買う必要はありませんし、上記の補助金を使って新しいスマホやタブレットを買うことも可能です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。



10月1日に開始となるキャッシュレス事業への備え

すこしややこしいのですが、10月から消費税の増税に合わせて、国の「キャッシュレス・消費者還元事業」というのが始まります。これは消費税が8%から10%へ2%上がるので、最初の9か月間だけ国が5%分だけキャッシュバックしますよ、という制度です。

ただし、このキャッシュバックを受けるためには次の条件があります。

  • あらかじめこの事業に申し込んだ事業者(小規模事業者)であること
  • 支払い手段がクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスであること

ちなみに、コンビニのような大規模な事業者の場合、2%のキャッシュバックが受けられます。

問題はこのキャッシュバックの対象事業者かどうかで、この9か月間の集客力に大きな差がつくという点です。当然にキャッシュバックの対象事業者にお客様が集まると予想されますので、備えておく必要があるのです。

キャッシュレス事業については、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。

この事業に参加するためには、キャッシュレス決済に対応できるように準備することが必要となります。その意味でもモバイルPOSレジとキャッシュレス決済を組み合わせた導入が消費税増税対策と一石二鳥ですので、お勧めとなります。



自治体によってはプレミアム商品券の導入も

さらにややこしいことに、お店がある自治体によっては10月のタイミングで「プレミアム商品券」が発行されます。これは、いわゆる低所得者対策として行われるもので、全ての人を対象にした制度ではありません。

一般には対象者に対して額面25000円の商品券が20000円で販売されます。すなわち5000円を補助していることになります。

プレミアム商品券の取り扱い店となるには、事前に自治体の窓口に申し込む必要があります。商品券の発行がある自治体でこの集客も狙う場合には、申し込むと良いでしょう。

ですが、現実問題としては、前述の「消費税増税と軽減税率導入」、「キャッシュレス事業」の対応で一杯いっぱいとなるはずです。プレミアム商品券は一部の対象者に限られることから、優先順位は下がります。余力に応じて取り組むようにしましょう。



以上、2019年10月導入!消費税10%と軽減税率まであと1ヶ月。何を準備すれば良いか?という話題でした。いろいろな施策がいっぺんに来てしまい、たいへんですが、なんとかうまく活用してピンチをチャンスに変えたいですね。