【小さなビジネス応援】これは使わないと損!無料の経営診断システム

経営診断

自社の経営を自己診断できるシステムが無料で利用できることをご存知でしょうか?独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が運営している経営自己診断システムがそれです。

経営自己診断システム
http://k-sindan.smrj.go.jp/crd/servlet/diagnosis.CRD_0100

中小機構は国の中小企業政策の実施機関として経営者のサポートを行っているところです。日本の企業のうち企業数では中小企業が99.7%という状況ですので、国としても力が入っています。中小機構は様々な情報やツールの提供を行っており、その中のひとつとしてこの「経営自己診断システム」があります。



何が診断出来るのか?

ズバリ、初期的な経営診断と「経営危険度」の点検です。経営危険度とは、要するに倒産のリスクがどの程度あるのか?ということです。

本システムは、中小企業信用リスク情報データベース(略称CRD)に蓄積されている200万社以上の中小企業の財務データを活用しています。

(経営自己診断システム)

との説明があるとおり、過去の経営破綻した企業またはそれに近い状態の企業(デフォルト企業という言い方をしています)の財務データと自社の財務データを比較検討して、経営診断を行い「危険度」を割り出してくれます。

中小機構が蓄積しているデータですので、品質は信頼できるものと思います。200万社という量もすばらしいです。



どのように診断するのか?

詳しくは上記サイトの操作説明に書いてありますが、全部で26項目の数字を入力して、診断する仕組みになっています。

例えば、貸借対照表からは「受取手形」、「売掛金」、「長期借入金・社債」など、損益計算書からは「売上高」(2期分)、「営業利益」、「経常利益」など。また、手形の「割引高」や「裏書譲渡高」、「期末従業員数」なども入力します。

経営自己診断システム1

(出典:中小機構 経営自己診断システム)



診断結果の読み方

診断結果は、まず「収益性」「効率性」「生産性」「安全性」「成長性」の5つの観点から示されます。

経営自己診断システム2

(出典:中小機構 経営自己診断システム)

このうち、「収益性」「効率性」「生産性」「成長性」の4つについては同業種の他社の過去データから求めた中央値との比較で点数化したものが示されます。5点が中央値付近の平均的な企業、10点は上位5%に入る企業、逆に0点は下位5%以下となります。

つまり同じ業種の他社と相対的にみて、どこが強いのか弱いのか、データに基づいた客観的な推定を行うことができます。この理解に基づいて、次の改善施策へとつなげることができるでしょう。

また、「安全性」は信号機のアイコンで3段階で示されます。青が「安全ゾーン」、黄が「警戒ゾーン」、赤が「危険ゾーン」です。これはデフォルト企業の過去データと比較して経営破綻のリスクがどの程度なのかを示したものです。

「資金繰診断結果画面」⑤に進むと、下図のようにその細かい評価内容を確認することができます。

経営自己診断システム3

(出典:中小機構 経営自己診断システム)

上図の例では、デフォルト企業や業界標準と比較しても高い点数であり、判定結果⑧は「安全ゾーン」とされています。また、具体的にどこが良いのか悪いのか指標ごとの比較(①)もできるようになっており、この情報は次の改善施策へのヒントとなります。



まとめ

見てきましたとおり、無料であるにもかかわらず、初期的な経営判断に使える便利なシステムです。点数が低く出たとしても、それはあくまで過去の同業種データとの比較においての点数付けであり、皆さんの現在の事業が悪いという訳ではありません。

ですが、客観的なデータに基づくアドバイスとして参考になりますし、今後どのような取り組みをしていったら良いか、の示唆を与えるものです。ぜひ活用してみて頂ければ、と思います。

場合によっては最初の26項目の入力データの準備がすこし大変かもしれません。もし自分では分からないようであれば、税理士の先生から数字を提供してもらうか、私のようなコンサルタントに声をかけて数字の整理から始めると良いでしょう。


以上、これは使わないと損!無料の経営診断システム、という話題でした。


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【小さなビジネス応援】なんとかペイがたくさんあってややこしい。店舗でQRコード決済をする場合のおすすめ

最近「なんとかペイ」という決済手段がいろいろ出てきていてややこしいです。これらはQRコードを使った決済手段で中国やアジア諸国で当たり前になったものが日本に遅れて入ってきたということはご承知のとおりです。

QRコード決済


QRコード決済の主要4社比較

スマホだけで支払いが済み、キャッシュレス社会の到来という訳ですが、コンビニのレジを見ていると未だに多くの人は現金払いであり、果たしてどうなるのか?という感じです。

個人的にはSuica(PASMO)とWAONが使えれば十分ですし、これに加えてクレジットカードですでにキャッシュレス社会を体現しており、新しくQRコード決済を使う意味がないです。が、コンサルタントの立場では一通り概要を把握しておく必要があり、導入をサポートするお店側の関心事にフォーカスして、執筆時点での情報を各社(主要な4社)の公式サイトよりピックアップして整理してみました。

事業者の立場では導入と運用にいくらかかるの?という費用の面がまず気になります。その他の各社の特徴はざっくり以下のとおりです。


サービスOrigami PayPayPayLINE Pay楽天ペイ
初期コスト無料無料無料無料
運用コスト最大3.25%無料(サービス開始日より3年間)無料(2021年7月末まで)3.24%
決済パターンA
iPadがあればBも
AA
POSを改修してBも
A
B
良い点利用者がポストペイ方式を選べる

独自のクーポン配布
入金手数料無料(ジャパンネット銀行なら)

翌日入金(1万円以上ジャパンネット銀行)
利用者にポイント還元(2019年7月末まで)

LINE@との連携ができる
翌日入金(楽天銀行なら)

利用者に楽天ポイントが貯まる

楽天の集客支援に参加できる

(2019年1月時点)

決済の仕組みは、下記AとBの2パターンがあります。

Aパターン: お店側がレジ横などに表示したQRコードをお客様がアプリで読取支払

Bパターン: お客様がアプリ上で表示したQRコードをお店がアプリで読取決済

Aパターンはお客様にスマホ操作の負担があり、Bパターンはお客様とお店側と双方でスマホ操作の負担があります。





自分ならどこを勧めるか

もしも自分がコンサルティングでクライアントに勧める状況になったとしても、それぞれに一長一短があり、この一択という状況ではないようです。各社得意な点が異なりますので、自社のニーズに照らして判断することになるでしょう。

(1)資金管理の観点ではPayPay

PayPayの場合、ジャパンネット銀行に口座を持てば、当面の間は入金手数料が無料ですし、1万円以上で翌日入金してくれますので、資金管理の点では有利と言えます。やはり入金が迅速でコストが低いことが重要です。

(2)インバウンド客期待ならOrigami PayやPayPay

そもそもQRコード決済を導入しようとするのは、中国やアジア諸国からのインバウンド客の需要を期待している面があるでしょう。そういった意味では、Alipayと提携しているOrigami PayやPayPayが選択肢になるでしょう。

(3)総合判断としては楽天ペイ

もし1社に絞るとすると、総合力では楽天ペイのアプリ決済でしょうか。運用コストが無料ではありませんが、無料のところも期限付きですので、いずれは有料になります。また、楽天銀行であれば回収も速いですし、楽天ポイントの付与など利用者がそもそも多いと考えられます。

(4)全部導入するという手も

別の考え方としては、この4社すべて導入してみる、という手もあります。導入だけなら各社とも無料ですので、特に負担はありません。利用者に幅広い決済手段を提供できることになります。ただしレジ横のQRコード表示が幾つもごちゃごちゃして見苦しいということはあるでしょう。



まずはクレジットカード対応が先

もしまだ現金決済のみのお店であれば、クレジットカード対応を先に導入する方が良いです。前述のとおり、インバウンド客でなく普通の日本人が主なお客様であれば、多くの場合は依然として現金決済ですし、キャッシュレスの場合でもクレジットカードやSuicaなどの電子マネーが主流です。

この場合、小さな店舗にとっては、大掛かりな専用機のレジを導入するよりは、スマホやタブレットを使った「モバイル決済」を導入する方が費用の点からお勧めです。代表例としては「スクエア」があります。スクエアの場合、アカウントを作成してすぐにカード決済を導入できますし、国内銀行への入金手数料が無料となっています。





もう一つは、ここでも「楽天ペイのクレジットカード決済」や「楽天ペイの電子マネー決済」がお勧めです。楽天ペイの場合、専用のカードリーダーと組み合わせることで主要クレジットカードのほかSuicaやPASMOといった電子マネーの導入も可能になります。

以上、店舗でQRコード決済をする場合のおすすめ、という話題でした。QRコード決済は各社各様であり、自分が重視するもので選ぶしかありませんが、その前にクレジットカードや電子マネーの対応のほうを先に検討した方が良いです。


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【ビジネスで使う統計学】業務分析可視化のためにアンケート調査をする場合のサンプルサイズの決め方

アンケート

最近ではコンピューティングのコストが下がって、ビッグデータ分析の技術が進んだために、何かを調べる場合に対象となるデータを全て使って調べることも可能となっています。昔はコンピューターを使うコストも高く、また計算に時間がかかったため、いわゆる全数調査というよりは、「サンプリング」による調査が行われました。今でもコンサルティングの現場では、サンプリングしたほうが良い(せざるを得ない)という場合がたくさんあります。



サンプリング調査とは

「サンプリング」調査とは対象となるデータの全体(母集団ともいいます)から、一定の標本を抽出して、標本を調べることで全体の特徴を推定しようというものです。正しいサンプリングを行えば、安いコストで調査をしつつも、それなりに正確な全体の特徴を結論づけることが可能です。

全数調査ではないので、完璧に正確ではありませんが、私たちの実務上不具合が無いレベルでの精度があれば事足りるという場合には便利な方法です。

従って、現在でもサンプリング調査を理解して使えるようになると、ビジネスにおいても大いに有用です。私の場合も様々なプロジェクトの業務分析の方法として使っています。全数調査が可能な場合でもあえてサンプリング調査を選択することもあります。


サンプリング調査を選択する理由

その理由は「コストが安く業務にかかる負担が少ないから」です。業務分析のための調査では、業務に携わる人に直接データ取得をお願いすることがあります。業務システムからデータが抽出できれば良いのですが、必ずしも必要なデータが取得できず、そのような場合はエクセルなどで記録用紙を準備してスタッフのみなさんにデータ記録をお願いします。このため、スタッフのみなさんにとっては余計な仕事が増えてしまうことになります。この負担を最小限におさえるためにサンプリング調査を選ぶのです。


サンプルサイズはどのように決まるか?

それでは、必要かつ十分なサンプルサイズはどのように決めたら良いでしょうか。実は統計学の理論上はサンプルサイズは全体(母集団)の数とは関係なく、調査で期待する正確さ(誤差・信頼度)と調査対象の性質(母比率)で決まる、ということになっています。

つまり、全体がどれほど多かろうが、これらの条件でサンプルサイズが決まるのです。この感覚が違和感になって業務の現場から理解が得られないことがありますが、理論上は正しいのです。


実際にサンプルサイズを計算してみよう

例として業務分析を考えます。作業者が毎日どんな仕事にどのくらい時間を費やしているのか、1時間おきの単位で分析する、と仮定します。この場合、どのくらいのサンプルサイズを取得したら良いか?ということが問題になります。もちろん作業者全員に全時間分の記録をとってもらう(全数調査)でも良いのですが、これでは肝心の作業が滞ってしまい、邪魔になります。したがって、必要最小限のサンプルで調べたいということになります。

サンプルサイズの算出に必要な数字は3つです。まず「母比率」。データ全体のうち一定の条件を満たすものの比率です。業務分析を行う場合は、業務担当者が全員全く同じ仕事をしていれば100%ですが、実際には少しずつ違っているはずです。現場を見てほぼ同じと判断できれば90%などとします。推定できない場合は、安全のため50%とします(母比率50%でサンプルサイズが最大になるからです)。

次に「誤差」です。誤差はどの程度のサンプリングのエラー(誤り)を許容できるか?ということです。通常は5%とします。業務分析のためのサンプリングであれば十分でしょう。

そして「信頼度」です。こちらはサンプリングが正しい割合(エラーが発生しない割合)ですので、通常は90%から95%など高く設定します。ここでは95%とします。

誤差・・・5%

信頼度・・・95%

母比率・・・90%

以上から、こちらの数字を下記のような計算ツールに入れると、必要なサンプルサイズが出てきます。

母比率の区間推定における必要なサンプルサイズの計算フォーム
https://bellcurve.jp/statistics/blog/14347.html


計算結果の読み方・導入方法

上記の例では「139」と出ます。これの意味は、139時間分のデータ記録を取得すれば、統計学的に業務全体の特徴を結論づけることが出来る、ということです。139時間というと1ヶ月の記録時間を80時間として、作業者1人では約1.7ヶ月分のデータですが、仮に作業者が2人いれば1か月程度のデータ記録で集められることになります。

例えば、同じ作業をしている人が10人のチームの業務分析を実施するのであれば、そのうち2人選抜して2日に1日くらい1ヶ月間データを記録してもらうと必要なデータが集まります。

さらに、人による偏りを避けるため、この2人は10人の中でランダムにローテーションさせたり、また、記録のタイミングは月の上旬、中旬、下旬にバランスよく振り分けて時期による偏りが出ないように工夫します。

このように139時間を超えるデータを取得して分析すれば、そのチームの業務の特徴や問題点をある程度結論づけることができるでしょう。


まとめ

上記の例でも必要なサンプルサイズは思っていたより小さいと感じるはずです。サンプリング理論に基づいて必要なサンプルサイズを決めることで過剰なデータを集めて、調査対象(作業者)に負担をかけるということが無くなりますし、データを集めて集計分析する作業も効率化することができます。

以上、業務分析可視化のためにアンケート調査をする場合のサンプルサイズの決め方、という話題でした。ちゃんと勉強してみたいという方は、こちらの本などお勧めです。




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【2019年 所得税確定申告】個人事業主が2以上の事業を営んでいる場合の申告方法

ダンス

知り合いの個人事業者で2つの事業を営んでいる人がいまして、そういう場合の確定申告ってどうなっているのかな?とふと疑問に思い、調べてみました。


事業の数の考え方

2以上の複数の事業を営んでいる場合の考え方としては、基本的には「同じ職業なら1つと考えてしまう」とよいです。例えば、ダンス教室をA市とB市の2箇所で運営しているような場合、自分が複数の事業と認識していたとしても、ダンス教室経営というひとつの職業と考えられますので、事業の数としては1つとして申告して大丈夫です。

この例とは異なり、例えばA市ではダンス教室を、B市では喫茶店を経営しているとすると、これは2つの職業であり、事業の数としては2つになります。


確定申告書の書き方

個人事業主である(会社にしていない)限り、提出する申告書は所得税の確定申告書のみ、ということになります。事業が2つなので2つの確定申告書を出すということではなく、あくまで事業主個人の確定申告書が1つだけ必要です。

事業から生じた所得は「事業所得」ですから、複数の事業があっても事業所得は合算して確定申告書に書きます。確定申告書のフォーマットとしては、「確定申告書B」を選びます。

「収入金額等」の「事業 営業等」の欄にその年の収入金額を記載します。また、「所得金額」の「事業 営業等」の欄にその年の所得金額を記載します。収入金額や所得金額は別途作成する「青色申告決算書」(青色申告の場合)または「収支内訳書」(白色申告の場合)から合算して転記します。その後の計算もすべて1つの事業所得として計算します(青色申告特別控除は65万円です)。

また、「職業」を書く欄に、2以上の職業を書きます。上記の例では、「ダンス講師、飲食業」のようになります。




決算書は複数必要となる

「青色申告決算書」(青色申告の場合)または「収支内訳書」(白色申告の場合)は事業ごとに作成することになります。ただし、複数の決算書や内訳書があると、国税庁ホームページの確定申告書作成コーナーからは提出できません(システムの仕様上、1つの事業についてしか提出できない)。従って、「紙」の申告書で記載して税務署に持参するか、郵送するというということになります。この点は注意が必要です。


納税地は住所地

複数の場所(事業所)で事業を営んでいたとしても、所得税の納税地の原則は住所地(住民票がある場所)となります。事業所の場所が税務署の所轄が異なるほど離れている場合でも、住所地を所轄する税務署に申告書を提出することになります。ただし、必要に応じて納税地の変更届を出して事業所のある場所を所轄する税務署で申告することも可能です。


消費税は合算ベースで

消費税については、納税義務の有無の判定、税額計算においても複数事業の売上・仕入れを合算して行うことになります。1つの申告書を納税地に提出して申告します。納税義務の有無の判定については下記の記事もご参考にどうぞ。


地方税は手続き不要

地方税(住民税・個人事業税)については別段の手続きは不要です。所得税の確定申告をすると、税務署から自治体に連絡が行ってそれぞれ納税通知書が送られてくる仕組みになっています。

以上、個人事業主が2以上の事業を営んでいる場合の申告方法、という話題でした。ややこしいときには、税理士の先生にお願いしてしまった方が手っ取り早いということもあります。税理士ドットコム などで近所の税理士の紹介を受けることをお勧めします。


関連記事は下記ご参照ください:
【2019年 所得税確定申告】ふるさと納税をした場合
【2019年 所得税確定申告】 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)を始めた場合
【2019年  所得税確定申告】サラリーマン大家さんの場合
【2019年 所得税確定申告】ビットコインで儲けがある場合
【2019年 所得税確定申告】国税をクレジットカードで決済する方法 
【2019年 所得税確定申告】持株会で株式を取得した場合
【2019年 所得税確定申告】外資系企業の従業員がRSUをもらった場合
【2019年 所得税確定申告】作家や漫画家なら個人事業税が非課税に
【2019年 所得税確定申告】新年になったので去年の経理をして確定申告に備えよう

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浅野忠信のドローイング作品展「TADANOBU ASANO 3634 浅野忠信展」を見て考えたこと

浅野忠信展

(出典:ワタリウム美術館 ウェブサイト)

アート鑑賞が好きです。特にこの手のやつが。俳優浅野忠信さんがこれほどの画力で大量の作品(3634というのは作品の数)を描いているとは知りませんでした。ほんとうにびっくり。コピー用紙の裏紙や封筒の裏などにボールペン書きがほとんど、ということですが、俳優というか表現者なのだな、と思った次第です。

特に印象に残ったのが次のようなことかと。

体の動き

風の表現

建物の描き方

視点(高さ・位置)

YouTubeにご自身が解説している(質問に答えている)動画がアップされていますので、こちらも楽しめます。本人は「癖で絵を描いている」「気分転換」と言っていますが、それが才能というものなのでしょう。


こういうのを見るとアート魂に火がついて自分も描いてみようかなと思います。自分の場合は、iPadのお絵描きアプリ(Procreate)ですが。


「絵を描く」というのは、コーピングの一種としても有効だと思います。コーピングというのは心理学でストレスに対する対処方法で、一定のストレスを感じたときにその対処を行うことで、ストレスを軽減するテクニックです。

こちらの本に書いていることですが、コーピングはたくさんのバリエーションを用意しておくことが望ましく、様々なストレスに対して、このストレスを感じたらこれ!というものを複数用意しておくと良い、とされています。



仕事にしろ、何にしろ、ストレスを感じた時に対処するためのコーピングの一つとして、「絵を描く」ということがとても良いと感じます。おそらく、浅野さんも「描き出すと止まらなくなる」「描いているときは何も考えない」ということから、無意識にコーピングを行っているのでしょう。

もちろん絵を描くこと自体がストレスになるという人もいる訳なので、万人に有効ということではなく、結局「人による」のでしょうが、没頭できるものを持つことは重要です。結果的にコーピングとなって、心の健康を保つのに役立ちます。

上述の本ではコーピングの手段を100くらい持ちましょう、ということが言われています。「絵を描く」をコーピングの一つに加えてみてはいかがでしょうか。よければ下記からどうぞ。




ワタリウム美術館の「TADANOBU ASANO 3634 浅野忠信展」は2019年3月31日(日)まで、です。まだ見ていないという方はお急ぎを。最新の画集はこちらです。素晴らしいですよ。



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【小さなビジネス応援】融資の新しい考え方「事業性評価」とは?【無料テンプレート配布】

お金


金融機関の融資に対する考え方が変化している

金融機関の従来の融資希望者に対する審査基準は主に財務諸表を使った「外形的な」ものでした。これまでは自己資本比率など数字を用いて標準化した定量評価が行われており、この結果、企業に対して「信用格付け」を行い、格付けが低い場合には融資を断ったり、また銀行側で高い貸倒れ引当率が設定されたりしていました。これは要するに積極的に融資したくない顧客という意味です。

したがって、融資を申し込む側からするとこれらの財務諸表の数字がどうなのか、が主な関心事でした。ところが、時代が変わって、金融庁の指導により最近では「金融機関は、財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し(「事業性評価」)、融資や助言を行い」、という考え方に方向転換してきました。

このため、金融機関は従来の標準化された「信用格付け」を行うというマニュアル的対応を廃止して、「事業性評価」に基づいた融資判断を行うように変化してきています。これは監督官庁である金融庁の指導ですから、有無を言わず従わざるを得ないという状況になっています。


事業性評価についての金融機関の本音

ところが、この「事業性評価」は言うほど簡単ではなく、充分にその企業の中を理解・分析し、かつその企業だけでなく業界全体など市場環境も踏まえる必要がありますから、金融機関にとっては荷が重い話です。金融機関も利潤を追求していますから、事業性評価のために多くの工数を割いたり、ましてや専門家を採用または育成する余裕もありません。

したがって、金融機関の本音としては、「融資を申し込む企業のほうで事業性評価を終えて結果だけ持って来て欲しい」ということになります。つまり、企業のほうで自力でもしくは専門家に依頼して事業性評価を行い、結果を出してから来て欲しいということです。そうでなければ、金融機関が事業性評価を行うか、専門家に依頼する必要があり、この手間やコストを嫌っている訳です。

逆に言うと、融資を受けたい企業が事業性評価を行い、最初からこの結果を持参できれば、融資を受けやすいということです。もちろん内容が伴っていなければダメですが、一定の事業性が証明できれば融資OKとなる可能性が高くなります。


事業性評価の内容

では何を準備すれば良いか?というと金融機関で「事業性評価シート」と呼ばれているものに相当するものを準備していけば良い、ということになります。具体的には下記のような事項を含む資料です。

(1)当社の製品・サービス・ビジネスモデル

(2)市場環境(規模・成長性)、競合分析

(3)融資を希望する理由(新分野・新技術への取り組み)

(4)自社の強み弱み分析(SWOT分析)

(5)以上を踏まえた業績見込み(営業計画、損益計画、返済計画)

これらの項目は、「事業計画書」に含まれる内容ですので、普段から事業計画書を作成・更新していれば良いだけ、ということになりますが、なかなかそういう企業のほうが少ないと思いますので、融資をきっかけとして整理してみるのも良いでしょう。


無料テンプレートのダウンロード

私のほうで準備した「事業性評価テンプレート」がこちらより無料でダウンロード可能です。テンプレートを埋めることで上記の各項目を効率よくまとめることができますので、よろしければご利用ください。

一人で作成するのが不安、という場合には、私のようなコンサルタントにご依頼頂くか、もし顧問契約している税理士がいれば、相談すると良いです。本業の傍らなかなか時間を割くのも大変だと思いますので、外部の力を借りるというのもひとつの考え方です。


以上、融資の新しい考え方「事業性評価」とは?という話題でした。事業性評価についてもっと勉強したいという方は下記の本もお勧めです。



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変動費、固定費、限界利益、営業利益を分析シミュレーションして値引きするかどうか判断する方法

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【小さなビジネス応援】値決めは経営。変動費、固定費、限界利益、営業利益を分析シミュレーションして値引きするかどうか判断する方法

値決めは経営

値決めは経営、と言いますが、値段を決めるくらい難しいこともありません。多くの場合、値段は適当に決まってしまいがちですが、これをやっていると「儲からない」につながります。「儲ける」ためには、値決めを理論的に行う必要があります。



変動費と固定費

値決めを理論的に行うためには、値段の要素を理解する必要があります。値段の要素には原価、マージン(利幅)や競合の価格など、様々な見方がありますが、ここでは自社の「固定費」と「変動費」に注目して考えるやり方を紹介します。

「固定費」とは商品が売れようが売れまいが、毎月発生する費用をいいます。例えば、人件費です。人を雇うと今月販売不振だったから給料半分ね、とは言えません。営業マンに歩合制で払うことも可能ですが、基本的には固定部分があります。その他にも、事務所の家賃や水道光熱費なども固定費です。

一方「変動費」は商品の販売に応じて発生する費用です。例えば、梱包費、送料、などです。

売上から変動費を引いたものを「限界利益」といいます。限界利益から「固定費」を引いたものが「営業利益」です。営業利益は本業からの「儲け」ですので、営業利益がしっかり出るように売上(売値)、変動費、固定費のバランスをとる必要があります。



値引き(値上げ)をすると利益がどう増減するか?

単純に値引きをすると売れるため、すぐに値引きをしたくなります。ですが、わずかな値引きでも、変動費や固定費が変わらなければ、利益の減少幅は大きくなります。このことは多くの経営者にとっていまひとつピンとこないものです。そこで具体例を使って見てみましょう。

具体例

1個の販売について変動費2000円の商品を固定費7000円の前提で販売する場合、販売数の増加によって、営業利益は下図のようなものになります。

graph1

販売数が7個のときに売上7000円x7個ー変動費2000円x7個ー固定費7000円=0となり、営業利益がゼロになります。要するに損益がトントンです。この販売数を損益分岐点といいます。

このとき販売数に関わらず、一律2%値引きするとどうなるでしょうか。下図のグレーの線のように値引きした分、販売数が増えても利益が増えなくなります。

graph2

このとき利益の減少幅をグラフにすると、下図のようになります。当然ながら、販売数が大きいほど値引き額が大きくなります。

graph3

では、この値引き額が当初の営業利益に対してはどの程度の影響があったでしょうか。値引き幅÷営業利益でみると、次の図のようになります。本来は損益分岐点で無限大になるのですが、そこは省略しました。

graph4

ここから分かることは、わずか2%の値引き販売なのに、この例では販売数がある程度大きい場合には、利益の減少幅は10%にもなる、ということです。ここが値引きの怖いところです。うかつに値引きすると、思った以上に利益を削ってしまい、赤字に転落するということがあります。

損益分岐点付近では、もともとカスカスのビジネスだったわけなので、わずか2%の値引きでも利益は大きく削られます。30%とか40%の利益を失うこともあります。



まとめ

値決めをする際に、基本的には極力値引きはしない方が良いです。取引先との関係や競合との関係でやむを得ず値引きをする場合には、上記のような変動費、固定費、限界利益、営業利益の分析とシミュレーションを行って慎重に行いましょう。「数パーセントくらいなら、まあいいか」といって何も考えずに値引きすると後で痛い思いをしますので、ご注意を。

また、値引きの場合以外でも、例えば「アウトソーシングによってある費用を固定費から変動費に変えると利益がどう増減するか?」や、「現在の売り上げで人を雇うこと(固定費を増やすこと)が出来るか?」といった重要な経営判断において、上述の分析とシミュレーションは有効です。直感や思いつきで判断せずに、数字で納得してから行動に移すようにしましょう。

以上、経営は値決めがすべて。変動費、固定費、限界利益、営業利益を分析シミュレーションして値引きするかどうか判断する方法、という話題でした。この話題について理解を深めたい場合は下記の本が分かりやすくてお勧めです。



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【ビジネスで使う統計学】アンケート結果のコメントを無料で分析する方法を分かりやすく解説

ビッグデータ


アンケートをビジネスに生かすには

ビジネスの現場において「アンケート」をとる、ということが割と頻繁に行われます。例えばセミナーなどを開催すれば、必ず最後に参加された方にアンケートを回答していただきます。セミナー以外にも展示会でブースに立ち寄ってくれたお客様にアンケートを書いていただいたり、もしくは「顧客満足度調査」と称して相当な分量のアンケートをお客様に回答して頂く、ということもあります。

問題はこういったアンケートの回答をどのようにビジネスに活用するのか?ということです。これまでの経験では、大抵の場合、次のような処理がなされます。

● 点数が付いている項目は平均点を出す。平均点が高い・低い、上がった・下がったという。

● コメントによる回答については主催者からみて顕著な例がピックアップされる。次に向けての改善点などが話し合われる。

浅薄な対応です。小学生並みという感じがします。もちろん、これでもそれなりにPDCAは回るので、何もしないようりはましですが、もう一歩踏み込みたいところです。


「統計学的に」踏み込む

どう踏み込みたいかというと、「統計学的に」踏み込みたいということになります。上記のような対応では、主催者の主観に過ぎず、真実の一端しか掴めません。いったい何が起きているのか、真実の全体像は統計学的な分析によって、見えてくるようになります

点数が付いている項目の分析は「T検定」を使いましょう。T検定を使うと平均値の変化に意味があるのか、たまたまの変化なのか、が分かります。見た目だけで主観的に平均点が高い・低い、上がった・下がったと言うのではなく、統計学的な意味付けを行うことにより、分析結果に説得力が増します。「T検定」のやり方は、次の過去記事に書きましたので、ご参照ください。

【ビジネスで使う統計学】リード・クオリフィケーションの努力が報われたかどうかの検定方法を分かりやすく解説

コメントによる回答は、いわゆる自然言語で書かれており、数値化されていないので、分析が難しくなります。このような自然言語の数値化は、従来はあらかじめキーワードを決めておき、その出現数を数える、という方法がありました。数え方は漢字の「正」の字を書いて数えたり、エクセル上の処理としてカウントしたりしていました。いずれにしてもマニュアル作業で、時間もかかりますし、見落としも多く楽しい作業ではありません。


テキストマイニングが無料で使える

ところが最近「テキストマイニング」(英語ではVerbatim Analysis)という技術が発達してきまして、アンケートのコメント欄に記載された文書を分析し数値化できるようになってきました。これにより「正」の字を書いたりすることなく、瞬時に大量のデータが分析できるようになりました。

以前はテキストマイニングを実施するには自分でプログラムを作るか、高価なサービスやソフトウエアを購入する必要がありましたが、最近はテキストマイニングを無料で提供している下記サイトがあります。

ユーザーローカル社 テキストマイニング無料ツール

https://textmining.userlocal.jp/

こちらのサイトでは、無料にもかかわらず、100,000文字までのデータを分析して下図のようにワードクラウドの作成や頻出後のカウントを行ってくれます。使い方も簡単で、アンケート結果がExcelなどで整理されているのであれば、テキスト形式に落としてツールにデータロードするだけです。

テキストマイニング

(出典:ユーザーローカル社)


テキストマイニングの結果の見方

ワードクラウドというのは、英語ではWord Cloudですが、見た通り頻出語をひとまとまりに書いたもので、頻度が大きな言葉ほど大きな文字になっています。上記無料ツールの場合、名詞は青字、動詞は赤字、形容詞は緑字になっており、ぱっと見で判別しやすようになっています。

こんなに優秀なツールが本当に無料で良いのか?非常にありがたい限りで、私もいくつかのデータ解析においてお世話になっています。

また、このツールが優れいている点は、頻出語について「スコア」を計算してくれることです。スコアについては、ウェブサイト上に次の通り説明書きがあります。

単語ごとに表示されている「スコア」の大きさは、与えられた文書の中でその単語がどれだけ特徴的であるかを表しています。通常はその単語の出現回数が多いほどスコアが高くなりますが、「言う」や「思う」など、どのような種類の文書にも現れやすいような単語についてはスコアが低めになります。

つまり、このスコアに注目して分析することで、より意味のある解析が可能となります


時系列のアンケートならさらに良い

もしアンケートを「顧客満足度調査」のように、定期的に時系列でとっているのであれば、ワードクラウドの頻出語がどのように変化しているのかを比較検討することで、自社が行った施策が期待通りお客様に届いているかどうか、または意図しない変化が起きていないかどうか、分析することができます。

さらに、頻出語のカウントについて「検定」をかけることで、統計学的に意味のある(有意な)違いが生じているかどうか、調べることも可能となります。


パワフルなプレゼンが可能に

このように統計学に踏み込んだ分析を行うことで、同じアンケート結果からより多くの内容を読み解くことができ、また「統計学」という言葉を出すことにより、クライアントや上司に対して分析結果を説明する際によりパワフルなものとなります。

以上、アンケート結果のコメントを分析する方法を分かりやすく解説、という話題でした。テキストマイニングは一見難しく見えてもやってみると意外に簡単です。ぜひお試しください。何かお力になれることがあれば、ご連絡ください。




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【消費税】10%への増税で転嫁対策、便乗値上げ、消費税還元セールなどやって良いこと・悪いこと

消費税10%へ

2019年10月1日よりいよいよ消費税率が10%(軽減税率対象を除く)に上がります。このときに何をやったら駄目で、何をやっても良いのか、まとめてみました。



「消費税価格転嫁等」とは

「消費税価格転嫁等」とは、おおまかに言うと、取引において有利な立場にある者(大企業その他の法人)が不利な立場にあるもの(納入業社、小規模事業者、個人事業主など)に対して、消費税の増税に関して何らかの不当な圧力をかけてくることを言います。

不当な圧力とは、例えば次のような内容です。

(1)消費増税前と同じ価格になるように、本体価格の値引きを要請すること。増税分をそちらで負担してくれ!という話です。

(2)消費増税分だけ別のものを買ってくれと要請すること。「行って来い」の関係にしてチャラにしようという話です。

(3)税抜きの本体価格で取引価格の交渉をすることを拒否すること。税込価格で交渉して増税分を無かったことにしようという話です。

(4)消費増税分を上乗せして請求した業者に報復すること。報復をチラつかせて(1)と同じことを強要することを含みます。

今どきこんなひどいことをする会社があるのか?と思いますが、消費税が5%から8%に上がった際は結構このような事例があったそうで、今回の8%から10%についても公正取引委員会や内閣府が立ち上げた「消費税価格転嫁等総合相談センター」が窓口になって、適切な取引が行われるように監視・指導しています。万が一、このような不当な圧力を受けたらこれらの窓口に相談すると良いでしょう。


「便乗値上げ」はOK

消費増税分以上に値上げしてしまう「便乗値上げ」という行為があります。消費税が5%から8%に上がった際は消費者保護の観点から「禁止」とされていたのですが、今回8%から10%に上がる際には一転してこれが「容認」に変わっています。政府が消費者保護よりも増税の反動による景気の落ち込みの方を心配しているからです。

このため、2019年10月1日は値上げを考えている事業者にとっては良いチャンスかもしれません。消費税を口実にして何気に値上げする、ということです。これまで原材料の高騰でも値段据え置きで頑張ってきた、というなら考えてみても良いでしょう。


宣伝広告の文言は注意

消費増税の前に確実に「駆け込み購入」が発生するでしょう。5%から8%に上がった際にも発生しましたし、今回私もその気満々です。

問題は消費増税の後、どのように宣伝広告すれば良いかということです。駆け込みの反動で買い控えになりますので、そんななかでお客様の財布を開いてもらうにはどうしたら良いか、となります。

この時に注意が必要なのは、消費増税が無かったことにするような直接的な表現を用いた宣伝広告はNGだということです。例えば、「消費税還元セール」「消費税はいただいていません」といった表現はアウトになります。

これらの消費税と直接関連させた宣伝や広告の表現はこれまで通り禁止で、事業者が各自の経営判断で行う値引きセールや「10月1日以降2%ポイント付与」などの直接的でない表示はOKとなっています。


以上、消費税の10%への増税で転嫁対策、便乗値上げ、消費税還元セールなどやって良いこと・悪いこと、という話題でした。そもそも消費税って何?という方は、こちらの本がおすすめです。




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【読書】「ふろむだ」さんの本を読んで考えが広がってしまったウソの構造


「ふろむだ」さんの本

年末年始に久しぶりの大風邪をひきまして、本ばかり読んでました。そんななか読んだふろむださんの「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」。久々におもしろい本を読みました。


特にこういう考え方が好きです。運をコントロールする力というのは、こういうことを言うのでしょう。

“自分に才能があるかないか? を悩む時間があったら、その時間を、単純に、試行回数を増やすのに投資したほうが、はるかに成功確率が高くなる。悩んでる暇があったら、1回でも多くサイコロを振ろう。”

“ある程度の実力が身についたら、まだCVRが低くても、じゃんじゃんPVを増やしてしまう戦略のほうが、結局、効率がいい。 バカにされても、コケにされても、見下されても、大量のPVさえ稼いでしまえば、結局は、チャンスをつかめる。 CVRが 10 分の1でも、PVが 10 倍なら、コンバージョン数は同じ だから”



「勘違いさせる力」と「ウソ」

それで、「勘違いさせる力」と「ウソ」がなんとなく似ているというか、どう違うののだろうか?と考えが広がりまして、このエントリーを書いています。

「ウソも方便」と言うように、すべてのウソが悪いものでは無いのですが、「ウソは泥棒のはじまり」というように、ウソはやっぱり悪いとする考え方もあります。そうしますと、ウソには「良いウソ」と「悪いウソ」があるようです。

「良いウソ」から「悪いウソ」までにはいくつかの段階があり、自分の考えでは次の5段階の構造になっていると思う

(1)事実隠し
(2)粉飾
(3)虚偽
(4)捏造
(5)詐欺

(1)事実隠し

本当のことを言わないことです。例えば、A、B、Cという3つの事実があって、AとCは相手に伝えて、Bについては黙っている、という状態です。この場合、Bという事実を隠しているわけですが、これが「ウソをついている」のか?といえば、少なくとも自分の感覚ではウソはついていません。

別に尋ねられないことまで話す必要はなく、自分で伝えるべき事実を選んで伝えているのですから、これはこれで正当ではないか、と考えます。

ですが、この事実隠しというウソの第一段階が結構いろいろな場所で使われているのを目にします。例えば、企業のトップやマネジメント層が社員向けにメッセージを発したり、社内報に記事を書いたりしますが、かなりの確率で普通に事実隠しが行われています。つまり、その会社にまつわる事実のうち、不都合な事実は従業員に伝えられることはなく、従業員が気分よく仕事できるように都合の良いハッピーニュースだけが伝えられたりします。これも「錯覚資産」のひとつのように感じます。

重要なことは、従業員の側で、そのようなコミュニケーションが行われていることを知っておくことです。事実隠しによる従業員のコントロールは日常的な手段に過ぎないのですから、従業員は言われたことだけを鵜呑みにしてはいけませんし、自分で数字を読んだり考えたりして隠されている事実も読み解くようにすることが必要でしょう。


(2)粉飾

粉飾はいわゆる「盛ってしまった」状態です。小さな事実にお化粧を施して、大きな事実に誇張していることです。会計の数字などで粉飾をすれば、上場会社であれば上場廃止など社会的なペナルティを受ける大ごとですが、背が高く見えるように底の厚い靴を履いたり、スリムに見えるように縦縞の服を着たり、ちょっと盛ってしまった程度であれば、ウソをついている!と糾弾されることはないでしょう。(1)の事実隠しと同様に軽い罪ですし、「錯覚資産」のひとつの形態といえるでしょう。


(3)虚偽

虚偽は完全なウソです。事実と違うこと、事実でないことを言うことです。このあたりから「悪いウソ」の色が出てきて、犯罪に近くなってきます。ですが、「ウソも方便」のウソとは、たとえ虚偽でも、人を幸福にするもの、人に錯覚を与えて幸福感や救いをもたらすものであれば、100%ダメという訳ではない無い、という理解も成り立ちます。たぶんですが、ふろむださんの言う「錯覚資産」は(1)からこの(3)までを含むもののように思われます。



(4)捏造

捏造は事実を作ってしまうことです。何もないところに意図的に事実を作ります。世の中を見る限り、「良いウソ」のために事実を捏造する、というのはあまり無いように思います。つまり、たいていの場合は「悪いウソ」を企図して事実を捏造します。ただし、この「悪いウソ」は人を騙すためだけという訳ではなく、いわゆる「ドッキリ」のように人をびっくりさせたり、単に注目を集めるためであったりもして、もっとも結果的にそれで何らかの金品を得るためであれば、悪いことには違いありませんが、「完全なる悪」というほどの邪悪さはありません。


(5)詐欺

詐欺は完全に犯罪です。悪い意図をもって特定の他人を騙しにかかっていますので、完全に邪悪な「悪いウソ」です。詐欺罪で有罪になれば執行猶予が付かず、即収監となるように、人を騙すような人間は社会に置いておけない、ということになります。従って、有効活用すべき「錯覚資産」とは別次元の話でしょう。ですが、先日の大和ハウスの地面師事件のように、詐欺の技術というか舞台装置の構築についてはモノを考えたり仕事でコンサルティングするうえで勉強すべき点があるように感じます。それはもちろん自分が巻き込まれないようにするため、技術の応用のため、であって、有効活用するためではありません。こちらの本も読み始めまして、これまたおもしろいです。


以上、「ふろむだ」さんの本を読んで考えが広がってしまったウソの構造、という話題でした。「分裂勘違い君劇場」も楽しみにしております。



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