夫婦間の贈与で注意すること

夫婦の間で資産を贈与した場合の扱いについて考えてみたいと思います。夫が働く会社からの給与振込は通常夫名義の銀行口座になっていますので、ふだん家計のやりくりを夫名義の銀行口座で行っているという家庭は多いでしょう。そのうち、一部を妻名義の銀行口座へ移すというのはよくある話しだと思います。

 

夫婦間でも贈与税がかかる

こういう場合でも夫と妻は別人と考えて、夫から妻に贈与があったと考えます。そうすると、年間110万円の非課税枠を越えると贈与税がかかることになります。

これが夫が亡くなって、妻に相続ということですと、相続税には配偶者控除という制度があって1億6千万円までは非課税となります。つまりよほどの資産家で無い限り、夫から妻への資産移転には税金がかからないのです。これは、そもそも夫と妻が協力して形成した資産であると考えれば、当然の話です。

ところが、相続ではなく生前に贈与しておこうとすると、贈与税がかかってしまう、若干矛盾した制度になっています。贈与税にも配偶者控除の特例があるのですが、これは居住用不動産(夫婦で住んでいる家)の贈与で婚姻期間が20年経っているのであれば2000万円まで課税しません、というもので、ちょっと趣旨が違います。

 

非課税枠の範囲での贈与

現実問題としても、例えば先に夫が亡くなると夫名義の銀行口座が凍結されてしまい、しばらくは妻であっても引き出すことができず、お金に困るということが起きる可能性があります。

それで、年間110万円の非課税枠を使って少し妻名義に移しておこうか、という話になります。年間110万円を越えなければ贈与税の申告も不要なので、少しずつ移そうということになります。

 

夫婦間贈与で注意すべきこと

このときに注意しないといけないのは、税務署からみて連年贈与と判断されないようにすることです。連年贈与とは、例えば最初から1000万円の贈与を意図して、毎年100万円ずつ10年間続けて贈与することです。連年贈与と判断されると一括で贈与したものとして贈与税が課税される可能性があります。

連年贈与と判断されないためには、次のような対応をしておくと良いでしょう。

(1)現金で渡したりせずに口座振込にして記録を残す。

(2)贈与契約書を作成しておく。毎年作成して、自筆のサイン、実印の押印、を行う。

(3)定期的に実施しない。同じ時期に贈与しない、1年あいだを空ける。

(4)たまに110万円を越える金額(例:120万円)で贈与をして贈与税の申告納税を行う。

夫婦間の贈与など普段あまり考えないことかもしれませんが、もしものときに困らないように長期的なプランが必要ですね。

生前贈与について勉強したいということであれば、こちらがおすすめです。

以上、夫婦間の贈与で注意すること、という話題でした。

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【これから当たりそうなビジネス】高齢者の居場所

近所のスポーツクラブに週に数回通っています。そこで見ていて思うですが、とにかく非常に高齢者が多いわけです。ほとんどそういう施設なのかなと勘違いしてしまうぐらい年配の方で溢れかえっています。

平日の昼間などは特にそうで、引退されておそらく仕事をしていない年代の男性や女性が運動している状況をよく目にします。皆さん年金生活者でしょう。

 

スポーツクラブは高齢者の居場所

それで思うのですが、皆さん他にやることがないのかなと。家でゴロゴロしていたり、テレビを見たりするぐらいしかやることがなくて、スポーツクラブに行って運動すれば健康的ですし、ちょうどいいのかなと言うことです。

実際に風呂場とかで話しているのを聞くと、午前中からずっといるとか、一旦家に帰ってお昼食べてもう1回来たとか、本当に入り浸っている様に見えます。

考えてみると、月額定額料金ですし、引退してやることがなければ必然的にそうなるような気がします。要するに居場所が他にないということです。

 

男は特に行く場所がない

女性であればダンスを習ったり、コーラスグループで歌ったり、定年後の集まりもあるのかもしれませんが、男性は特にそういう場所がないようにな気がします。自分の場合も油断すると朝からコタツあたって、「相棒」の再放送など見ていそうです。

そういう人は自分だけではないでしょうし、これでは困ったなと思います。すなわち、ニーズがありそうだ、ということですね。

 

自治体の取り組み

ちょっと古いデータですが、内閣府の調査によると、下記の通り市町村単位で高齢者の居場所をつくる取り組みというのはあるようです。

出典:平成23年度 高齢者の居場所と出番に関する事例調査結果

 

しかしながらその参加者という意味では、やはり女性が主体で男性はあまり積極的でないというデータもあります。

出典:平成23年度 高齢者の居場所と出番に関する事例調査結果

今どき、60才を過ぎたぐらいでは皆さん若いですし元気ですので、いったいどこに居場所を求めるのかそれが問題になると思います。

 

居場所こそがビジネスチャンス

最近よく考えることは、居場所がない人に対して健全な日中の居場所を提供するようなビジネスができるとすれば将来性があるように感じます。具体的には次のようなことです。これなら男性も行きやすそうです。

高齢者用カフェ (日本茶、和菓子などもある)

高齢者用スポーツバー (みんなで相撲中継見たり)

高齢者用ネットカフェ (声を出して話してOK)

高齢者用パチンコ (ギャンブルではなくゲーム)

高齢者用雀荘 (こちらもギャンブルではなくゲーム)

高齢者用カラオケ (昔の歌中心で健康カラオケ的な)

既に存在してるものもあるのかもしれませんが、基本的に時間経過に対して課金するか、期間定額制にして、その対価に見合う居場所を提供するビジネスモデルを目指します。

こういった施設を作って提供する商品やサービスを高齢者の嗜好に合わせることで一般向けとは差別化を図り、高齢者に対して訴求することができると思います。

 

ゆるいコミュニティーを目指す

また居場所であることが重要ですので、例えば飲食物の持ち込みを可にしたり、大声で話しても良いとか、ごろ寝できるとか、ゆるいコミュニティとなります。今の高齢者は年金などでお金に余裕がある場合もありますので、むしろ若い人向けよりも可処分所得の消費が期待できるのではないでしょうか。

また、ここで働く人もシルバー人材センターなどを通じて高齢者が働くようにできれば雇用の機会も創出できることになります。お客も働き手も高齢者です。そうなりますと、高齢者の社会参加を促すという観点から自治体などが補助金を出したりして経営をサポートする様になるとなお良いです。

自分が引退するまでに誰かこういうのを作ってくれないかなと思う次第です。そうしたらコンサルさせてください(笑)。

避けては通れない高齢化問題、勉強するならこういう本から。

以上、高齢者の居場所についての話題でした。

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最近のキーワードRPAについて考えたこと

最近 RPA と言うキーワードをよく聞くになりました。RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、色々な作業をロボットを使って自動化しましょうということです。

それで、いったいこれはどういうものなのだろうか?と思いまして、とある会社が主催したRPA関係のセミナーに行ってきました。そちらで考えたことを少し書いてみたいと思います。

(セミナー会場の恵比寿ガーデンプレイスにて)

RPAとはどんなものか?

セミナー会場は超満員でこの RPAに対する関心の高さが感じられたわけですが、内容的には正直言ってそれほど目新しさを感じませんでした。

要するに RPAというのは、「デスクトップの自動化」という感じで、簡単に言うとExcel マクロを使った自動処理のような小さな作業の定形繰り返しをサポートするものだということです。

これ自体はかなり以前からあった考え方ですが、ちょっと新しいのは色々なアプリケーションをまたいで自動化するためのプラットフォーム・システムを「ロボット」と称しているということです。

なので別にペッパー君のようなロボットが会社の席に座って事務処理をするとか、そういうことではなくて事前にプログラムした定形繰り返し処理をプラットフォームを使ってやりましょうという感じです。

これだけであれば、以前記事に書いたようなUWSC を使ったWindows の自動化というのはずいぶん前からあった話ですし、私も含めてすでに活用している人もたくさんいるかと思います。UnixのShellスクリプトとか基本的な発想は全部同じですね。

UWSCというWindows自動化ツールが超便利だった

特徴としては、すでにあるWindows自動化に AI であるとか画像処理とか割と新しい技術を組み合わせていることです。これらがトータルでRPA と言う概念を作っているようです。

 

RPAで具体的にできること

具体的にどんなことができるのかと言うと次のようなものです。

  • コールセンターのような窓口業務 → チャットボットが対応
  • 伝票入力 → OCR が読み取ってアプリケーションへ入力
  • 大量のインバウンドメール → メールの文章をスキャンして内容を判断した上で適切な担当者へ転送
  • 各種レポーティング → 自動作成と配信
  • システム開発におけるテスト → 自動実施と結果のレポート

 

なぜRPAブームなのか

なぜRPAが流行っているのかといえば、ERP(Enterprise Resource Planning)とかSFA(Salesforce Automation)とか全社規模の大きなシステムを入れても、結局のところ生産性が上がることはなく、むしろ現場レベルでは低くなっているという現実があります。

システム屋さんの売り文句に乗ってERPとかSFAとか入れてみたのだが、どうもいまひとつ、と思っている人は多いです。そういう人たちが、今度も「働き方改革の切り札!」とかシステム屋さんの売り文句に乗ってRPAの導入を検討している、という感じがしてなりません。永遠にカモられている感じ。。。

もっと大事なことは、なぜ定型的な繰り返し作業があるのか、そちらを無くすことでしょう。FAXからデータを読み取ってアプリケーションに自動入力させる前に、FAXを無くすことを考えたほうが良いと考える次第です。

ちなみにこちらの本は会場でも手売りしていました。結構売れているのでしょう。RPAについて知りたいという方には良いと思います。


以上、最近のキーワードRPAについて考えたこと、という話題でした。

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すこし楽しい英単語の覚え方

「変人」は英語でなんというのか?

先日とある文書を英語で書いていまして、自分のことを「変わった人間」という場合に、どう言えば伝わるのかな?と疑問に思い、久々に辞書で調べてみました。ネットでどんどん調べられますので、便利な時代になりました。

まずぱっと思いついたのは、「weird person」という言い方です。Weirdはウィアードという感じの発音で、結構口語で使われてている印象です。学校英語的にはStrangeが思いつきますし、日本人は普通「変な」を英語で言う時にStrangeが出てしまうと思うのですが、ちょっと堅すぎる語感があります。

それで辞書で調べてみると、Weird=変わった・風変わりな、という感じで自分の言いたい「変わった人間」はこちらの感じに近いようです。一方、Strange=不思議な・未知の、という感じで「strange person」では不思議な人・不思議ちゃんという伝わり方になってしまいます。

では、「変人」という場合にはどうなのかなと思って調べてもあまりぴったり来るものが無いようです。やはり、「weird person」なのかなというのが結論です。

 

では「変態」は?

調べ始めると止まらなくなって、では「変態」だとどうなのだろうか?と。これにぴったり来そうなのは「Pervert」ですね。ただし、こちらはむしろ変質者とか痴漢の意味に近く、ほとんど犯罪者です。かなり近しい友達に「おまえ変態かよっ!」の意味で「You pervert!」とかいうことはあっても、普通使わない言葉かと。

また、気難しい・近寄りがたいという意味での「変な」は「Crank」という言葉もありますね。思想が変わっている奇人という意味では「Freak」ですし、オタクという感じですと、「Geek」や「Nerd」という言葉があります。

 

繋げて覚えると楽しい

「変人」ひとつで随分たくさんの言葉を覚えられますね。こうやって連想でニュアンスの微妙に異なる言葉を繋いで、まとめて覚えてしまうのも効果的な勉強法です。こちらの本も参考にどうぞ。

We Are All Weird

ところで、「We Are All Weird」という本もありますね。みんなと同じなら良いという時代は終わり、「変人」のほうが選択肢が広がって豊かな人生だ!という内容です。凡庸よりとんがってた方が良い、同じよりも違うことに価値がある、ということですね。今の時代とはまさにそういう感じがします。Kindle Unlimitedで無料で読めます。

以上、すこし楽しい英単語の覚え方という話題でした。

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【平成30年税制改正】新しい事業承継税制で無税にできるかも

平成29年末に発表された30年税制改正。このうち、いちばんのインパクトはなんと言っても新しい事業承継税制だろうと思います。事業の経営者から後継者へ、やり方によっては無税で承継できるようになる、ということで、大きな話です。

とはいえ、事業承継税制自体はずっと以前からあったのですが、条件が厳しすぎてあまり活用されないまま来ており、その一方で下図のとおり税金負担や後継者不足が原因で黒字廃業とかもったいない事態が実務界では起きているという現状があります。

それでこれは何とかしたい、ということで、今回条件を大幅に緩和して、事業を潰さなくて良いように援護射撃するという意味があります。

 

事業承継税制とは

基本的な内容としては、事業を後継者に承継するときに、その自社株の贈与に係る納税を猶予し、最終的には免除します、というものです。贈与税の税額自体は計算して申告するのですが、ずーっと納税猶予して、最後に(後継者が亡くなった時に)免除なので、実質無税となる訳です。

 

平成30年改正の緩和措置

それで、平成30年改正の何がすごいかと言うと、次のような緩和措置が導入された点です。

(1)納税猶予の対象となる株式はこれまで3分の2までだったのが、100%全部対象にできることになった

(2)猶予される税額はこれまで80%までだった(20%分は納める必要があった)のが、100%全額猶予されるようになった

(3)これまで承継するひと1人、承継を受ける人1人の1対1だったのが、承継を受ける人が3人までカバーされることになった (息子兄弟で承継とかの場合便利)

(4)承継後に従業員の8割を5年間雇用しなければいけなかった(継続雇用できなければ猶予停止)のが、支援機関を通じて申請すれば猶予を継続できるようになった

(5)承継後に廃業や事業譲渡したら猶予停止だったのが、廃業や譲渡時の時価で税額を再計算して納税すれば良いことになった

この5つが本当にスゴイ。特に(4)はネックになることが多く、事業にはどうしても波があるので、従業員の8割を5年間雇用というのはちょっと二の足を踏んでしまう原因でした。万が一この要件を満たせないと、猶予停止で全額即金でお支払なので、後継者としてはちょっと厳しいです。(5)も廃業するほど苦しい状態であれば、自社株の時価も相当下がっているので、以前よりはずっとやさしい感じがします。

 

注意すべきこともある

この緩和措置で、間違いなく事業承継が進むでしょう。ですが、ここに以下のような注意事項がありますので、ご注意ください。

(1)この緩和措置は30年から39年までの時限措置。今のところこの10年間だけの適用です。しかも、35年までに特例承継計画というのを作って都道府県に事前申請が必要です。従って意外と時間の余裕が無い、ということになります。早め早めの準備が必要です。

(2)そもそも後継者が居ないとダメ。後継者がいて初めて成り立つ話です。なお、後継者(親族である必要はありません)は承継の前3年間その会社の役員である必要があります。急に来た人ではダメということです。(1)の期間の問題と絡めて、こちらも早め早めの準備が必要です。

(3)現経営者は承継により代表取締役を辞任する必要があります。第一線から退いて隠居してください、ということなりますが、取引先との関係など現実にはこれもなかなか難しい話です。

その他にも会社の事業内容や、株式の分散具合、相続との関係など、考慮すべき点があります。

 

まとめ

まとめますと、新しい事業承継税制はスマッシュヒットといっても良いくらい、すばらしい制度で、事業承継を考えている方は今がチャンスと言えますが、時間軸を見据えた周到な準備をしていく必要がある、ということです。しかし、準備さえすれば無税で事業を引き継げることになります。

以上、新しい事業承継税制で無税にできるかも、という話題でした。

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日本人の生産性はなぜ低いのか

今日は3月18日。家族旅行で箱根に来ています。一泊二日で温泉ホテルに宿泊しています。世の中景気が良いのか、ホテルは満室のようで非常に混み合っており、みんな遊んでいるなあと思うわけです。ホテルに来る前には御殿場のアウトレットモールに寄りましたが、そちらもお客さんでいっぱいでした。外国人の観光客の方もたくさんいてとても賑わっていました。

温泉の休憩所にて

 

働き方改革とか裁量労働制とか

今巷では働き方改革とか裁量労働制をめぐる話題が賑やかですが、私の場合もう10年以上裁量労働制というのか高プロというのか、そういう形態で勤務しており、その立場から少し考えを書いてみます。

この議論には働きすぎを抑制したいという点と、人口減少による人手不足を担いたいという点の矛盾した二つの論点が入り混じっているのが特徴のように思います。

人口減少により働き手が少なくなるという問題に対しては、特に女性が働きやすい職場を作ることが大事で、このため働き方改革行なって仕事と家庭の両立を目指すという考え方があると思います。

ですが、働き手が増えたとしても長時間労働になってしまうしまうと結局長続きしないということになりますから、裁量労働制を導入してある程度自由の利く時間の使い方ができるに使用できるようにしよう、と言う発想になるのだと考えます。

ところが裁量労働制は雇う側から見ると「定額働かせ放題」という面があり、この結果この制度を悪用して結局のところを長時間労働させてしまう、というケースがあるのではないかと批判されているわけです。

 

「定額働かせ放題」か「定額怠け放題」か

自分は、この議論には生産性の改善という考え方が必須であると思います。生産性が改善すれば「定額働かせ放題」というのは労働者の側から見ると、より少ない時間の労働でも定額の給料がもらえる制度ということになります。いわば「定額怠け放題」です。

つまり同じ仕事がこれまで8時間かかっていたものが4時間でできてしまう様になれば、その空いた時間はその人の生活や人生のために使うことによって、仕事と生活の両方を充実させることができる事になります。生産性を上げれば上げただけ、総労働時間が短くなり時間単価が高くなるという訳です。

実際に私も裁量労働制で1日4−5時間しか会社の仕事をしていませんがフルタイムとしての給料を頂いています。これでも1人前の仕事ができており、生産性改善をコツコツと工夫して1日8時間も仕事しなくても良くなったのです。

 

生産性が低い日本人

現在されている議論というのは、この生産性の改善についての処方箋が全くないため、働くことが単なる苦役として認識されているように思います。そうではなくて生産性の改善によって仕事と生活の両方の質(クオリティ・オブ・ライフ)を改善していく検討が必要です。

実際のところ、この生産性改善の観点の欠如は全体の問題であり、日本の1人当たり労働生産性は現在OECD 加盟国のなかで21位(2016年調べ)となっており、先進国の中では最低になっています。

 

(出典:公益財団法人 日本生産性本部)

 

このような生産性の低さが結局のところ長時間労働をもたらし、仕事は苦役であるという認識に帰結しています。

ではなぜ日本の生産性がこれほど低いのか。自分のこれまでの経験と観察からは次のようなことが言えると思います。

 

なぜ日本の生産性は低いのか

前任者引き継ぎ文化

芸術家や創業者でないかぎり、自分の仕事を自分の前にやっていた人(前任者)がいます。日本人はかなり忠実にこの前任者から仕事を引き継いで、そのあと疑うこともなくコピーしてしまう傾向があります。どんなに時代遅れで効率が悪いやり方でも、それを見直すことなく毎日繰り返してしまう、そういう習性があるようです。

PDCA が回っていない

Plan-Do-Check-Actionは非常に平易で理解しやすいフレームワークですが、それ故に実施されない傾向があります。これは日本だけという訳ではありませんが、前述に前任者引き継ぎ文化とあいまって、問題点により気がつきにくい、そういう習性があるようです。この問題については過去記事ご参照ください。

効果がメキメキ上がるPDCAの使い方

ITリテラシーが低い

新しいアプリやクラウドサービスが登場しても、なかなか採用しようとせず、遠巻きにみているだけ、批評しているだけ、という人が多いように見受けられます。まずやってみる、の精神が欠如しています。

紙文化

世界でもいまだにFAXを多用しているのは日本だけです。諸外国では博物館にあるようなFAXマシーンが多くの事業所で現役です。FAXが使えないとかありえない、というのが、残念ながら日本の現状です。また、印刷したものを郵送したり、保管したりなど、日本の紙文化は低い生産性の原因です。1日の早くこれが消滅することを願うばかりです。

ミーティングが好き

生産性が低い人というのは集まって話すのが大好きです。この結果井戸端会議と変わらないようなミーティングが召集されます。基本的にアップデートとか情報共有目的のミーティングはメールなどで代用したほうが効率的であり、往々にして無駄です。私もこの手のご招待はなるべくお断りするようにしています。

電話が好き

電話は相手の時間と集中を奪う低生産性のデバイスです。にもかかわらず、電話をかけてしまう人が後をたちません。自分は基本的にかけることも、多くの場合出ることもしません。着信履歴を見て、手が空いたときに「御用は何ですか?」とメールします。たまに、「お時間のよろしいときにお電話ください」という留守電がありますが、何の用件かも分かりませんし、基本無視します。この場合も「御用は何ですか?」とメールします。相手のアドレスが不明の場合、申し訳ありませんが何の返事もしていません。

勤勉勤労の思想教育

多くの方は子供のころから、勤勉勤労は美徳とする教育を受けています。働かざるもの食うべからず、という訳です。本当は、働かないで儲かるのが一番なのに。この思想教育のおかげで、生産性が低いことについて疑問が持ちにくいようです。一生懸命働いてさえいれば、効率など関係ないからです。結果としてラットレースに参加していることが安心材料になっています。この問題についてはkちらの本に詳しいです。

抽象的に考えるのが苦手

日本人は特に欧米人と比べて、教育レベルが高い層であっても、抽象的に考えるのが苦手のように見えます。雑多な出来事に共通する性質を洞察したり、物事を俯瞰して見たり、そういう抽象化が苦手です。これも学校教育の後遺症なのかもしれませんが、目の前の具象に集中して、前後や全体が見えないので、最終的に生産性が上がりません。日本からはノーベル賞の学者先生も多く出ているので、全員が苦手ではないのでしょうが、平均すると苦手という感じです。

人生を楽しむという発想の欠如

長時間労働に甘んじてしまうのは、そもそも人生を楽しむという発想が無いから、という気がします。ですが、この点については、前述のとおり最近は改善の傾向があるように見えます。箱根の温泉ホテルなどは平日にいっても、結構混んでいて、みなさん人生を楽しんでいるなあと感じます。重要なことは生産性を改善して、その余った時間を楽しんでいるかどうか、です。そうでなければ、単なる怠け者です。

 

自分だけでも振り切る努力を

あれこれと書いてきましたが、日本で生まれ育って日本にいる、というだけで生産性が低くなりがちなのが、残念ながら現状です。そこに流されるのではなく、自分だけでも振り切って生産性を上げる努力が必要です。電話に出ないとか、当然世間の風当たりも強くなるわけですが、たった一度の自分の人生です。自分で納得のできる充実したクオリティ・オブ・ライフを目指すのが良いのではないでしょうか?

 

以上、日本人の生産性はなぜ低いのかという話題でした。

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2017年の株式投資の成果をまとめてみた

サラリーマンにおすすめの株式投資の方法は何と言ってもバリュー投資という方法です。バリュー投資は株式銘柄をいくつかの条件でスクリーニングして、スクリーニングの結果適切と判断される銘柄に投資するという考え方です。

 

バリュー投資

サラリーマンなど他に仕事がある人は、平日の場中に株式の値動きを見ている時間はありませんから、どうしても投資投資した後そのままほったらかしとなります。そうであったとしても長い間をかけて次第に値上がりし最終的にキャピタルゲインつまり値上がりによる利益を手にするという考え方がバリュー投資です。

短時間の間に株式の値上がりや値下がりに一喜一憂することなく、一度決めた銘柄を長期保有してそれによって利益を得ていくということになります。忙しいサラリーマンにはまさにうってつけの投資法です。

バリュー投資については書籍がたくさん出ていますので、興味がある方は是非一度本を読まれることをお勧めします。

 

 

私の投資成績

私の場合は、もう10年ほどこのバリュー投資というのを続けていて基本的に資産を溶かす(損をする)ことはありませんでした。むしろ資産が順調に増えています。投資して得た利益をまた再投資することで複利効果が得られますので、資産が膨らんでくるということを経験しています。

折れ線グラフにしてみると、次のような感じで成長しています。

短期的なデイトレーディングと違い、短い時間で大きな利益を得ることはできませんが、現在のような低金利の状況にあっても、普通預金などにお金を預けて置くよりはるかに高いリターンを産むことができています。

試しに、最近の投資の結果について振り返って確認してみたいと思います。

2017年の投資結果は+15%でした!2016年が+11%、2015年は-2%、2014年は+31%となっています。銘柄の入れ替えもありますし、年によってばらつきがありますが、2010年からの通算成績で見ますと+195%となっていまして複利効果がかなり効いています。

 

フィルターのやり方

株式銘柄のフィルターにはネット証券会社が提供しているツールを使うと良いでしょう。私の場合はSBI証券を使っており、提供されているフィルターツールを使っています。

ツールにはフィルターの条件を入力しますが、私の場合は次のように入れています。

(1)PERが10倍まで

(2)PBRが1倍まで

(3)利益の伸びが5%以上

(4)売上の伸びが5%以上

(5)自己資本比率が50%以上

factorフィルター

PERは株価の割安感の指標です。一般に10倍以下だと割安、20倍で普通、と言われているようです。割安で買って、普通になったら売る、というイメージです。

PBRは株式総額と資産総額の比です。もしその会社が倒産して資産をすべて売却したら、そのお金で株主に弁済できるかどうか、投資先として安全かどうかを示します。1倍つまり等価までなら安全と考えます。

売上と利益の伸びはその会社の成長性つまり将来性を示します。たまに成長がマイナスで株価が落ちてきたために、PER/PBRが小さくなっている銘柄がありますが、こういった銘柄がフィルターされます。

自己資本比率も安全性の指標です。総資本の半分以上が自己資本(つまり借金が半分以下)なら有利子負債の少ない安全な会社と考えます。

以上の条件でフィルターすると、安全で成長しているのに株価が割安な銘柄が分かります。通常幾つか銘柄が出てきますので、あとは追加の条件を付けるもよし、自分の好き嫌いで選ぶもよし、です。私の場合は各社の会社四季報をみて、業種を確認します。宅地建物取引士の自分が言うのも変ですが、少子高齢化の折、不動産業界の会社には将来性が感じられず、投資先としては選んでいません。

このように簡単に投資先が決まりますので、あとは買うだけです。買った直後は値下がりすることもありますが、経験ではしばらくするとプラスになることが多く、現在持っている銘柄も全部プラスです。ただし、2017年の相場はちょっと特殊でしたし、将来を保証するものではありませんが。

それぞれの自己責任の範囲にて、お試しあれ。

以上、2017年の株式投資の成果をまとめてみたという話題でした。

 

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印紙が必要かどうか判定するフローチャートを書いてみた

契約書や領収書のような公式な文章を作る場合には印紙の貼り付けにより印紙税を払う必要があります。その場合に印紙が必要ないという場合があり、必要なのか必要でないのかわからないということが起きます。今回は簡便的ではありますがそれを判断するフローチャートを以下のように作成してみました。

印紙が必要かどうか判断の流れ

まず印紙を貼る必要があるのは課税文書であるということです。課税文章でなければそもそも印紙を貼る必要はありません。

次にその書類がペーパーレスかどうかという判断があります。ペーパーレス、つまり PDF や電子メール等で作成されているものであれば、そもそも印紙を貼ることができませんので印紙は不要となります。

紙で作った場合には、契約書であれば更新期間の定めがあるかどうかが問題となります。更新期間の定めがあり、かつ3ヶ月以内、ということであれば印紙は不要となります。3ヶ月を超える更新期間の定めがある契約書の場合は一律4000円となります。

もし更新期間の定めがない場合には記載された金額によってその印紙税の金額が決まることになっています。

次に領収書の場合ですが領収書の場合は5万円未満であれば印紙は不要です。5万円以上である場合には金額によって必要な印紙を貼るということになります。

以上が代表的な課税文章である契約書と領収書に関する簡便的なフローチャートとなります。

 

課税文書とは

課税文書の一覧は国税庁のホームページに詳細が出ています。一般の契約書・定款・貯金証書・領収書などのなものは課税文書の範囲となります。法律上全部で20種類の課税文書が定義されています。

もう一つ非課税とされる文章があり、こちらも国税庁のホームページに定義が出ています。例えば国や地方公共団体等が作成する文書に関しては自分で自分に税金を納めても意味がありませんから非課税とされています。その他にもいくつか非課税の例があります。

 

ペーパーレスの場合は印紙不要

次にペーパーレスについてですが、課税文書であってもPDF や電子メール等で発行されたものは印紙を貼る必要がないとされています。このため紙で作成する文書との間で不公平があると言うことで今後法律が改正されるかもしれません。

ですが、少なくとも記事執筆時点では印紙を貼らなくてよいということになっています。ただその場合でも「電子領収書につき印紙不要」などと書面上に記載して、印紙の貼り忘れではないことをアピールしたほうが良いです。Googleの画像検索で事例が出てきますので、参考にしましょう。

また、印紙と直接関係ありませんが、関連する話題として、ペーパーレスの場合でも電子印をつかって社印を押印することは可能です。また、改ざんされたものでないことの証明が必要な場合は、さらに電子署名でまたは電子証明書をつけて信頼性を高めるというやり方もあります。

いずれにしろ、ペーパーレスによる課税文書を作る場合にはあらかじめ税務署に確認をしてペーパーレスで良いかどうか(印紙を貼らなくて良いかどうか)確認しておくことをお勧めします。仮に課税逃れと判定されると、過怠(かたい)税といって必要税額の3倍が課されるからです。


以上、印紙が必要かどうか判定するフローチャートを書いてみた、という話題でした。

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定年後設計フォーラム2018に参加してきた

平成30年3月4日(日)ファイナンシャル・アカデミー社主催の定年設計フォーラム2018に参加してきました。

このセミナーは主に50代の人を対象とした定年後にどう生きるかを考えましょうというセミナーでした。基調講演はテレビ朝日でニュースキャスターも勤められていた蟹瀬 誠一さんでした。そしてその次に下流老人という本を書いた藤田 孝典さんの公演が続きました。

 

普段はあまりこの手のセミナーには参加しないのですが、自分も50代に入ったということで今回将来設計を考えるためにこのセミナーに参加しました。

 

60歳以降を考えるポイント

二人の話に共通してあったポイントは今後考えるべき三つの大事なことがあって、50代のうちにこれらを考え始めることが60歳以降の人生に大きく影響するということです。

その一つ目は収入、二つ目は貯蓄、そして三つ目が人脈です。

このうち、収入と貯蓄については以前から考えていましたし、当然のことと思うのですが、三つめの人脈をそれほど重視されるとは思っておらず、とても意外でした。

やはり歳をとってから色々なことを相談できる人、困った時に頼れる人、そういうものが非常に大事だと言うことを、蟹瀬さんも藤田さんも言っておられました。

特に男性の場合は、定年後の人脈をどう作るのかというのは難しい課題です。早めに色々と準備をしておく必要があるなと思いました。会社にいるうちは会社の人脈仕事の人脈というものがありますが、それが消えて行った時に残る人脈というものがとても大事だということです。

女性の場合であれば、ダンス教室であったりコーラスグループとかそういう場所で人脈を作るのが得意ですが、男性の場合はなかなか難しいです。自分も今のうちからどうやってそのような人脈を作るのか考えていく必要があるなと思いました。決して人数はたくさん必要ないと思いますが年をとってから付き合える人脈というのはやはり大切です。

 

4つの資産

蟹瀬さんの話で印象深かったのは4つの資産規模の準備してくださいという話です。

まず第一に「かくれ資産」があります。これは何かと言うと隠れて目に見えない資産、ということで隠し資産とか簿外資産とかそういう意味ではありません。隠れて目に見えない資産とは言えば、保険や年金資産です。通常なかなかいくらあるのか目に見えませんから意識しないのですが、保険や年金資産がどのくらいあるのかこれが把握しておくことが重要です。とくに年金は年金宅配便に書いている数字は盛られていると心得るべきです。少子高齢化の構造上、どう考えても満額出るとは思えないからです。

二番目は当然に金融資産ということになります。現金は生活していくうえで、非常に重要というです。貯蓄だけでなく投資もここに入ります。

そして三番目が不動産です。持ち家を持つのかそれとも賃貸で行くのか、というのはよく問題になるなる訳ですが蟹瀬さんが言っておられたのは特にウィークエンドハウスの重要性です。週日は都会で働いたとしても 週末 だけ家族とリラックスできる場所、そういうものを持つことが50代60代以降では大事だと言うことを言っておられました。都心から1時間くらいで自然のある場所ということで、蟹瀬さんは軽井沢を選ばれたようですが、よく考えたら自分の自宅(所沢)はすでに都心から1時間くらいで自然のある場所ですので、それはどうなんだろう、という感じです。

最後に四番目が「じぶん資産」であるということです。じぶん資産とは自分の中に蓄積する思い出や色々な思いの蓄積です。例えば良い映画を見たとか、旅行に行ったとか、いい音楽を聴いたとか、そういう素晴らしい思いが自分の中に蓄積していくそれがじぶん資産だということです。

50歳を過ぎたのであれば、むしろこういう自分が素晴らしいと感じるものにお金を使い、じぶん資産の形成に投資すべきだと言うことを言っておられました。確かに40代まではお金を貯めるということが大事ですが50歳を過ぎたのであれば、豊かな人生を過ごすためにお金を使うということもとても大事になると思います。

 

寿命の中央値とライフプラン

下流老人の著者である藤田さんは、データを駆使して今後の社会の在り方の説明をされていました。特に印象的だったのは平均寿命と中央寿命の話です。平均寿命は今80歳と少しですが、中央値としての寿命を見ると、現時点でも既に90歳を超えているということだそうです。

リンダグラットンが「ライフシフト」で人生100年時代ということを言いましたが、まさにその通りで人生設計を考える上では100年というスパンで考えていく必要があります。


このように考えてきますと、ライフプランを作ることは非常に大事だなと思います。

ライフプランはファイナンシャルプランナーが仕事として作成するものですが、決して難しい話ではなくてExcel などを使って資産のシュミレーションをするということを目的にしています。

様々なライフイベント自分を想定して、現在の資産がその収入と支出によってどのように変化していくのか?あらかじめ見ておこうということが目的です。それによって自分の収入や支出のプランを見直すことができます。おそらく多くの人は100歳になる前には自己破産になることが予想されるでしょう。従って将来設計をよく見直して50代・60代のうちから調整対策していくことが大事なのです。ライフプランについてはこちらの記事もご参照ください。

ライフプランを作って安心を手に入れよう

以上、定年後設計フォーラム2018に参加してきたという話題でした。

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三匹の子豚の三男もしくは働かないアリにみる組織論

先日とあるセミナーにて厚切りジェイソンさんの講演を聴きました。厚切りジェイソンさんはご存知のとおり、お笑い芸人でありながら米国TerraSky社の役員といいうお立場の方です。役員としての知性と芸人としてのプレゼンテーション力を兼ね備えており、講演は秀逸でした。ここ最近見た中ではダントツ。いろいろ勉強になったわけです。

そんな中でも彼が話した「三匹の子豚」の話がとても示唆に富んでおり、深く考えるきっかけになりました。

 

ジェイソンさんの「三匹の子豚」(ネタばれ)

三匹の子豚のお話自体は、みんな大抵知っていますし、特に最近子育てした方は鮮明かと思います。自分はすっかり忘れていたのですが、簡単に言うと次のような話です。

ある村に三匹の子豚がいました。長男・次男・三男の三兄弟です。あるとき、狼が村を襲うかもしれない、と聞きつけて、危ないのでそれぞれ家を建てることにしました。三男は遊びたい盛りで、家を建てるなんて面倒で仕方ありません。そこでワラを集めてきて適当に家を建てました。それを見ていた次男は「さすがにワラは無いでしょ」ということで、木材を集めて木の家を建てました。それを見ていた長男は「そんな弱いのじゃ駄目でしょ」ということで、レンガを集めてきて、隙間無く強固な家を建てました。

そんなある日、本当に狼がやってきました。まず、一番弱そうな三男に家に「がおー」と襲い掛かります。ワラの家はひとたまりも無く壊れてしまい、三男は命からがら次男の家に逃げ込みました。狼も追いかけてきて今度は次男の家に「がおーがおー」と襲い掛かりました。木の家でも持ちこたえられず、二匹は命からがら長男の家に逃げ込みました。狼も追いかけてきて今度は長男の家に「がおーがおーがおー」と襲い掛かりました。

ですが、さすがにレンガの家は強く狼は諦めて森に帰っていきました。三匹の子豚は無事生き延びることができました。めでたしめでたし・・・

さて、ここで問題です。この話から得られるレッスン(教訓)は何でしょうか?

普通は長男のように勤勉でまじめなことが大事、十分な準備を怠らず、リスクに対処しましょう、ということかと思います。ですがジェイソンさんの話したレッスンは、「三男のように遊んでしまっても、最後生き延びられれば結果オーライ。他の人がレンガの家を建ててくれるので遊んじゃって大丈夫」ということでした。

講演会場は苦笑に包まれた訳ですが、自分は「いや、まったくそのとおり」と思いました。そして、この話は考えれば考えるほど深いものがあります。

 

この話の本当のレッスン

最小限のスタートで結果オーライを目指す

最初から完成度の高いものを目指さずに、最小限・最低限のコアと呼べるものだけを準備して、とりあえずスタートしてしまう。そのあとは状況に応じて対応すれば良い、ということです。

三男のようにとりあえず最小限のワラの家を建てて自分の好きなことをやり、狼襲来の状況変化に応じて、人の家に逃げ込むという対応は、ある意味正しいです。結果生き延びた訳ですから、問題ありません。三男の人生(豚生?)を充実したものにしてくれるでしょう。最初から完成度の高いものを目指して時間を無駄にする可能性もある訳ですから、時間という誰にも有限なリソースを最もうまく使ったのは三男ということになります。

 

自分で全部やらなくてよい

今回は長男がレンガの家を建ててくれていたので、三匹とも生き延びることができました。要するに三男や次男は自分がやらなくても、長男がやってくれたおかげで助かったのです。これは逆に言うと、組織に長男のような人がいる事が最初から分かっていれば、三男や次男は自分でやる必要はないのです。

神経質な人や完璧主義の人は自分で全部やらないと気がすまないという人がいますが、それは体や心にとってとても有害な考え方です。放っておけば人がやると考えて、あえて自分でやらないことが大事です。これによって、ストレスや病気から自分を守ることができます。

 

組織にマネージャーは不要かも

この話には管理者(マネージャー)というものは出てきません。狼襲来のうわさを聞きつけて、三匹の子豚は自発的に行動を起こしたのです。だれもマネージャーから仕事をアサインされたりしていません。このことは、従来からある階層的な組織とか指揮命令系統が本当に必要なのだろうか?という疑問を投げかけています。

組織のメンバーがそれなりに成熟していれば、外部からの刺激を感知して、それぞれが必要な反応を勝手に行う、ということが考えられます。最近はどの職場も高齢化してベテランばかりですから、わざわざマネージャーから仕事をアサインしなくても、それぞれが必要な仕事をするのでは?ということです。

 

組織には多様性が必要

もしも三匹の子豚が全員三男のような性格だったらどうでしょうか。全員狼に食べられて終了です。しかし、一方でもしも三匹の子豚が全員長男のような性格だったらどうでしょうか。もちろん狼襲来にはベストの布陣ですが、それぞれがレンガの家の建築に時間をかけていますので、組織のリソース活用という意味では問題があります。つまり無駄が生じているということです。

つまり、組織には同じような構成員しかいないと、不都合があるということです。今回は狼襲来という事態でしたので、長男タイプの構成員が機能したわけですが、例えば村の文化祭があってアート作品を作成するという事態であれば、どうだったでしょうか?ひょっとすると、三男が普段遊んでいるだけあって、自由な発想で良い作品を提案するかもしれません。

このように様々な事態に適切に対応できるようにするには、組織には多様性が必要だと言えます。金太郎飴のような組織は意外と脆いのです。

 

アリの世界に学ぶ

上記で外部からの刺激を感知して、三匹の子豚がそれぞれが必要な反応を勝手に行う、ということを書きましたが、まさにこれが起きているのがアリの社会です。最近下記の書籍「働かないアリに意義がある」を読んだのですが、この中で紹介されているとおり、アリの社会(コロニー)には女王と働きアリしかいません。

中間管理職無しに、ある者は巣を作り、ある者を餌を探し、ある者は卵の世話をします。だれも仕事を命じたりしていません。これは反応閾値(はんのういきち)というそうで、人間でも汚れた部屋に我慢できずに直ぐに掃除する人と、そんな部屋でも平気でご飯を食べれる人がいますが、刺激に対して勝手に反応してしまう習性をいいます。

それぞれのアリが様々な刺激に対して勝手に反応することで、コロニー全体としての運営ができているというわけです。これが人間の組織に応用できれば、つまり構成員各人の反応閾値をうまく組み合わせれば、管理職はいらなくなる、と思ってしまうのです。

そうなると中間管理職の数は減って、ビッグボスが人材のオーケストレーションだけやるような組織が将来の組織かなと思うわけです。ちなみに、書籍のタイトルになっている働かないアリの意義も非常に面白いです。是非ご一読を。

 

以上、三匹の子豚の話や、働かないアリの本を読んで働き方や組織論についていろいろ考えてみた話でした。

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