最近は金融業界や電気業界でリストラの嵐が吹き荒れる一方、人手不足に真剣に苦しむ企業が増えてきているようです。私がコンサルをしているところでも人の採用が全くうまくいかず、やっと雇えたと思ってもすぐに辞めてしまうという状況が続いています。
この記事では、人手不足の問題に対してどのような対応が可能なのか?について検討してみます。
目次
身から出た錆
ニュースなどを見ていますと、人手不足すぎて倒産してしまう会社があるという話を目にします。実際に帝国データバンクが集計したデータを見ると、以下の通り2017年、2018年と人手不足倒産と考えられる倒産件数が急増していることがわかります。
(出典:帝国データバンク)
会社が倒産するというのは、普通の場合であれば資金繰りがつかずに現金がショートしてしまい倒産に至るということです。ですが上記の場合は、倒産するほど人手不足である事例ということになります。
つまり売上があってもそれに対応できるマンパワーがないと言うことです。ビジネスはあるのに顧客の要求に応えることが出来ないため、信頼や仕事そのものを失っていき、最終的にはやはり資金繰りの問題で倒産するということでしょう。
まさに悪循環そのものです。どうしてこのようなことになるのかと言うと、次のような原因が考えられます。
- 不景気のときに人を減らしすぎたため
- 採用抑制をしすぎたため
- 給料を低く抑えすぎたため
どのような業界にも好不調の波がありますが、不景気だった時に人を減らし過ぎてしまい、次に好景気の波が来た時に必要な人を確保できていない、という可能性があります。これについては不景気の時間がどれだけ続くかだれも想像できませんし、やむを得ないという面もあります。
採用抑制の問題は会社側の努力である程度できる可能性があります。人件費の計画をうまく立てることで、景気の波に左右されない継続的で計画的な採用を行うことが必要でしょう 。
給料については、人件費は会社の最大のコストですし非常に頭が痛いですが、今の日本の最低賃金はアジアの諸外国比べて、むしろ安い方の部類に入ってきています。単価の安い仕事ほど人手不足という現実がありますし、会社を運営する側としては給料を上げていくボトムアップが必要でしょう。
短期的改善:アウトソーシング
直近の課題として、当面どのように人手不足を凌いだらいいだろうか?という問題があります。これについてはアウトソーシングを活用して、外のリソースを使うことを考えるよりほかないでしょう。
例えば最近急成長しているビジネスとしてオンラインアシスタントサービスというものがあります。オンラインアシスタントサービスとはリモートで業務を請け負ってくれるサービスです。
こういったサービスを使いますと、会社の業務のうち特にノンコア業務と呼ばれる中核的ではない雑務の仕事を外に出してお願いすることができます。
オンラインアシスタントサービスの大手である【アイスタッフ】では次のような業務を請け負ってくれます。
- 秘書業務
- 経理業務
- WebサイトやSNSの運用代行
- 人事業務
- 営業アシスタント(顧客リスト管理、資料作成、データ入力など)
これらの業務は毎日の仕事の中で意外と時間を食うものですので、外に出して社員には本業に集中させるというのは効果的です。
そのコストも以下のようになっており、社員を雇う場合や派遣社員を採用する場合に比べて非常にリーズナブルです。無料でトライアルすることも可能です。 2019年7月1日~7月31日まで期間限定で合計6時間分の無料お試しが可能です。 (記事執筆時)
(出典:アイスタッフ ホームページ)
ただし注意すべきポイントとしては、契約の形態が業務委託契約になるので、あくまで定型的な業務を切り出してお願いすることだけができることです。正社員や派遣社員と異なり、法的に指揮命令することはできませんので、直接業務指示を出したりすることはできません。
従って若干柔軟性に欠ける面がありますが、コストパフォーマンスが良いですので、検討する価値はあると思います。
長期的改善:社風の改善
長期的な改善としては、やはり人手不足倒産は人を大切にしない結果として、従業員が居つかないために起きていると考えられることから、ブラック職場的な社風を改善することが大切でしょう。
こちらの書籍「マッキンゼー流 最高の社風のつくり方」にあるように、「働く楽しさ」、「働く目的」、「成長の可能性」といったことを軸に施策を打って、職場環境を改善することが重要です。
もちろんその前提としては、従業員を大切に扱う、賃金を上げる、計画的継続的に採用を続けるといったことが必要です。
ただし、人件費の経済性を考える必要もありますので、現実には上記のようなアウトソーシングも併用しながら進めていくことになります。
以上、 人手不足倒産は自業自得なのか?どうすれば人手を確保して倒産を回避できるか?、という話題でした。需要があって引き合いがあるのに、対応する人がいないくらいもったいないことはありません。ましてや、それで倒産など絶対に防ぎたいところです。
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