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「ふろむだ」さんの本
年末年始に久しぶりの大風邪をひきまして、本ばかり読んでました。そんななか読んだふろむださんの「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」。久々におもしろい本を読みました。
特にこういう考え方が好きです。運をコントロールする力というのは、こういうことを言うのでしょう。
“自分に才能があるかないか? を悩む時間があったら、その時間を、単純に、試行回数を増やすのに投資したほうが、はるかに成功確率が高くなる。悩んでる暇があったら、1回でも多くサイコロを振ろう。”
“ある程度の実力が身についたら、まだCVRが低くても、じゃんじゃんPVを増やしてしまう戦略のほうが、結局、効率がいい。 バカにされても、コケにされても、見下されても、大量のPVさえ稼いでしまえば、結局は、チャンスをつかめる。 CVRが 10 分の1でも、PVが 10 倍なら、コンバージョン数は同じ だから”
「勘違いさせる力」と「ウソ」
それで、「勘違いさせる力」と「ウソ」がなんとなく似ているというか、どう違うののだろうか?と考えが広がりまして、このエントリーを書いています。
「ウソも方便」と言うように、すべてのウソが悪いものでは無いのですが、「ウソは泥棒のはじまり」というように、ウソはやっぱり悪いとする考え方もあります。そうしますと、ウソには「良いウソ」と「悪いウソ」があるようです。
「良いウソ」から「悪いウソ」までにはいくつかの段階があり、自分の考えでは次の5段階の構造になっていると思う。
(1)事実隠し(2)粉飾
(3)虚偽
(4)捏造
(5)詐欺
(1)事実隠し
本当のことを言わないことです。例えば、A、B、Cという3つの事実があって、AとCは相手に伝えて、Bについては黙っている、という状態です。この場合、Bという事実を隠しているわけですが、これが「ウソをついている」のか?といえば、少なくとも自分の感覚ではウソはついていません。
別に尋ねられないことまで話す必要はなく、自分で伝えるべき事実を選んで伝えているのですから、これはこれで正当ではないか、と考えます。
ですが、この事実隠しというウソの第一段階が結構いろいろな場所で使われているのを目にします。例えば、企業のトップやマネジメント層が社員向けにメッセージを発したり、社内報に記事を書いたりしますが、かなりの確率で普通に事実隠しが行われています。つまり、その会社にまつわる事実のうち、不都合な事実は従業員に伝えられることはなく、従業員が気分よく仕事できるように都合の良いハッピーニュースだけが伝えられたりします。これも「錯覚資産」のひとつのように感じます。
重要なことは、従業員の側で、そのようなコミュニケーションが行われていることを知っておくことです。事実隠しによる従業員のコントロールは日常的な手段に過ぎないのですから、従業員は言われたことだけを鵜呑みにしてはいけませんし、自分で数字を読んだり考えたりして隠されている事実も読み解くようにすることが必要でしょう。
(2)粉飾
粉飾はいわゆる「盛ってしまった」状態です。小さな事実にお化粧を施して、大きな事実に誇張していることです。会計の数字などで粉飾をすれば、上場会社であれば上場廃止など社会的なペナルティを受ける大ごとですが、背が高く見えるように底の厚い靴を履いたり、スリムに見えるように縦縞の服を着たり、ちょっと盛ってしまった程度であれば、ウソをついている!と糾弾されることはないでしょう。(1)の事実隠しと同様に軽い罪ですし、「錯覚資産」のひとつの形態といえるでしょう。
(3)虚偽
虚偽は完全なウソです。事実と違うこと、事実でないことを言うことです。このあたりから「悪いウソ」の色が出てきて、犯罪に近くなってきます。ですが、「ウソも方便」のウソとは、たとえ虚偽でも、人を幸福にするもの、人に錯覚を与えて幸福感や救いをもたらすものであれば、100%ダメという訳ではない無い、という理解も成り立ちます。たぶんですが、ふろむださんの言う「錯覚資産」は(1)からこの(3)までを含むもののように思われます。
(4)捏造
捏造は事実を作ってしまうことです。何もないところに意図的に事実を作ります。世の中を見る限り、「良いウソ」のために事実を捏造する、というのはあまり無いように思います。つまり、たいていの場合は「悪いウソ」を企図して事実を捏造します。ただし、この「悪いウソ」は人を騙すためだけという訳ではなく、いわゆる「ドッキリ」のように人をびっくりさせたり、単に注目を集めるためであったりもして、もっとも結果的にそれで何らかの金品を得るためであれば、悪いことには違いありませんが、「完全なる悪」というほどの邪悪さはありません。
(5)詐欺
詐欺は完全に犯罪です。悪い意図をもって特定の他人を騙しにかかっていますので、完全に邪悪な「悪いウソ」です。詐欺罪で有罪になれば執行猶予が付かず、即収監となるように、人を騙すような人間は社会に置いておけない、ということになります。従って、有効活用すべき「錯覚資産」とは別次元の話でしょう。ですが、先日の大和ハウスの地面師事件のように、詐欺の技術というか舞台装置の構築についてはモノを考えたり仕事でコンサルティングするうえで勉強すべき点があるように感じます。それはもちろん自分が巻き込まれないようにするため、技術の応用のため、であって、有効活用するためではありません。こちらの本も読み始めまして、これまたおもしろいです。
騙されないために
悪意をもって騙しにくる人のウソを見抜くことは簡単ではありませんが、騙されないようにトレーニングを積むことは可能です。
例えば、「がくぶん」のウソを見抜く力をつける通信講座があります。「 ウソとは何かを知る」「ウソを見抜くテクニック」「ウソの見抜き方活用法 」といったテーマで勉強することができます。「がくぶん」は多くの講座を持っている通信教育の老舗です。興味がありましたら、下記リンクより無料で資料を送ってもらえます。
以上、「ふろむだ」さんの本を読んで考えが広がってしまったウソの構造、という話題でした。「分裂勘違い君劇場」も楽しみにしております。
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