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生産性が低い日本人
日本人の労働生産性が低いという話を最近よく耳にします。公益財団法人 日本生産性本部が2016年12月に発表した資料によると、日本は就業者1人たりの労働生産性においてOECD加盟国35カ国中22位となっていて、21位のギリシャの後塵を拝している状況です。
ちなみに1位はアイルランド、アメリカは3位、お隣の韓国は26位です。フランス、ドイツ、イタリアなどははるか上の順位にいます。
この結果になんとなく、納得いかない感じがする訳です。ギリシャには一度行ったことがあるのですが、お昼には2時間くらい店が閉まっていました。のんびりと昼食をとったりお昼寝したりするのでしょうか。そこよりも生産性が低いってどういうことでしょうか。少なくとも周りをみると、皆あくせく仕事しているのに、です。
なぜ生産性が低いのか?
ひとつ思い当たるのは、日本人の仕事が丁寧すぎるという点です。おもてなしとか、思いやりとか言いますが、時として単なる過剰サービスという場合があります。コンサルティングをしていると、顧客満足を過度に意識しすぎて、かえって効率を落としている事例を多々目にします。
一度でもミスがあって、お客様からクレームを受けると二度と繰り返さないように、厳重なダブルチェックを行うため、効率が下がります。日本のお客様の場合、なぜミスをしたのか再発防止策は何なのか、書面で報告せよ!ということがありますが、こういう過度な品質意識が全体としての生産性低下を招いているように思います。そういうお客様も自分のお客様から同じような要求を受けているはずなので、まさに負の連鎖です。
一方諸外国のお客様の場合、ミスがあっても修正されればそれでOKということが多いです。それ以上は追求してきません。品違いがあっても正しい製品を送りなおせばそれで終わりです。日本であれば、なぜ間違えたのか、二度と起きないか、しつこく聞いてきますが、そういうことは普通起きません。
自分だったらどうするか?
こういう日本=高品質という思い込みが、全体の生産性を下げ、市場での競争力を奪っているのかなと考える次第です。何事もやり過ぎはいけませんよね。少しぐらいおかしなことがあっても結果オーライでどんどん先に進んでいったほうが全体として成果が出ます。自分がお客様にコンサルティングするときは、そういう過剰サービスの見直しをお願いすることにしています。まあリスクは伴いますので、腹をくくった決断が必要な場合が多いですけどね。