この記事は「少人数のオンラインセミナーを主催してみたいのですが、どんな準備が必要でしょうか?できるだけ安く準備したいです」といった疑問に答えます。
目次
すべてがリモートになる
今の時代あらゆることがリモート対応となっており、少人数のセミナーであってもオンライン開催が基本となります。そうでなければ、主催者も参加者もコロナの感染防止を担保できません。
私も少人数のオンラインセミナーを準備したいと思っており、自分が実施する場合どういった準備が必要になるかまとめてみました。
少人数セミナーの要件
あくまで私の場合ですが、少人数オンラインセミナーというと次のような要件があります。
- 参加者は10人以下
- 参加者にとってアカウント登録や設定が不要(パソコンが苦手な人もいる)
- 無料で、または低コストで主催したい
- 主催者が許可したらビデオ・音声で双方向のやり取りができる
- プレゼン中の質問はチャットで出来る(後からゆっくり回答できる)
- プレゼン中にアンケートを取って直ぐに結果をグラフ表示できる
- セミナーを録画できる
これらの条件を満たすシステムの選択から考えてみます。
候補としては、Zoom、Google Meet、YouTube Liveといったところでしょう。それぞれのシステムが上記の要件を満たすかどうか、確認すると以下の表のようになりました。
無料制限 | 登録設定 | 許可して双方向 | チャット | アンケート | 録画 | |
Zoom | 40分まで | 簡単 | できる | できる | できる | できるローカル録画のみ |
YouTube Live | 事前認証が必要 | 簡単 | できる遅延あり(~1分?) | 参加者もYouTubeアカウントが必要 | できる「カード」機能 | できるクラウド録画 |
Google Meet | 60分まで | 簡単 | できる | できる | できない | できない |
結論としては、やはり「Zoom」が最も機能豊富であり、少人数でのオンラインセミナーに向いています。
無料版ではZoomを3人以上で使うと40分の利用制限があり、いったん40分で終了する必要があります。40分ごとに休憩するという手もありますが、ちょっと不便です。
また無料版Zoomではクラウド録画は出来ないので、ローカルに録画したものを、YouTubeで公開するといった手間がかかります。
月額2,000円(または14.99ドル)でプロ版を契約すれば、時間制限は無くなり、クラウド録画も可能となります(ただし容量は1GBまでと少なく追加の容量を買う必要がある)。
オンラインセミナー目的ではYouTube LiveやGoogle Meetは機能面でZoomより劣っていますが、Zoomのセキュリティ問題(最近では解決したと言われていますが・・)が心配な場合は、セミナーの形態によっては代替案となりそうです。
カメラとマイク、スピーカーをどうするか?
ノートパソコンのカメラやマイク・スピーカーでは品質に難があるでしょう。また、画角(移す角度)が下から上へ見上げるようになり、鼻の穴が目立つのも良くないです(たまにそういう人がいますね)。
私の場合、Zoomミーティングの参加者である場合は、スマホ(iPhone11)のカメラとマイクを使っており、この場合まずまずの高品質となります。パソコンがWindowsの場合はiVCamを、Macの場合はEpocCamというアプリを使うとiPhoneをカメラ・マイクとして使うことができます。
いまどきのスマホであればカメラもマイクも高品質なので、これをそのまま活用すれば安く済みます。
セミナーの内容により、参加者との会話が多くなるときはヘッドセットを使うほうが無難です。この場合、ヘッドセットはマイクにノイズキャンセリング機能がある「USB(有線)接続」のものが良いです。ワイヤレスやUSB以外の端子の場合、ノイズが乗りやすいからです。
ワイヤレスならアップルのAirPods Proが良いと言われています。私は持っておらず試したこともありませんが、利用者からは好評です。
背景と周囲の音の問題
セミナーを開催する場所も問題です。会議室やスタジオを借りて実施するのが無難ですが、やはりコストがかかります。ただ自宅から実施する場合には、背景をどうするか?と周囲の生活音をどうするか?という2つの問題を解決する必要があります。
あと子供など家族が乱入したらどうするか?という問題もある方もいると思いますが、そこは話しておくなど個別に解決するしかありません。
背景と生活音の問題はWeb会議やセミナーの参加者としても解決したほうが良いので、多少の投資はやむを得ないでしょう。とはいえ、安価なソフトウエアだけで解決する方法があります。
Zoomの場合は「バーチャル背景」を設定すれば、自宅の様子などを隠すことができますが、画像を合成するための「グリーンバック」(緑の布)が必要です。これを買うよりもXSplit VCamというソフトウエアを買ったほうが安く手軽に背景を隠すことができます。
XSplit VCamはグリーンバック無しで背景を任意の画像に置き換えることができる優れものです。私も愛用しており以下の記事で紹介しています。
また、生活音についてもKrisp(クリスプ)というソフトウエアで消音することが可能です。音の問題はマイクを単一指向性のものにして、ノイズキャンセリング機能があれば、かなり解決しますが、後ろで子供が爆泣きしたりするとどうにもなりません。
保険をかける意味でもKrispのようなソフトを使うと良いです。Krispについては以下の記事で詳しく説明しています。
安定性の問題をどうするか?
オンライン会議でよくあるのが、「画面が固まる」問題や「音声がブツブツ切れる」問題です。これらの原因はネットワークが不安定・帯域不足といったことです。
遅いネットワークのどこに問題があるのか?というと、大抵の場合は自宅側の問題です。ネットワークプロバイダーや自宅までの回線(光回線やケーブル回線)に問題があることは稀で、ほとんどは自宅のルーターかルーターからパソコンまでのLAN接続の問題です。
従って、オンライン会議やセミナーの参加者からあなただけ「画面が固まる」とか「音声がブツブツ切れる」とか言われたら、自宅の設備を改善しましょう。
とりあえずやるべきことは次のものです。
- ルーターを新しいものに買い替える。私の場合、3年に一度くらい買い替えています。最新でWiFi出力が大きく電波が家中に届くものを選んでいます。在宅勤務が基本なのでここはケチっていません。
- オンライン会議やセミナーで使うパソコンは有線LANで接続する。無線LANでも高速かつ安定していますが、時に電波の干渉を受けることがあります。万が一に備えるなら有線LANでルーターに接続する方が良いです。
以上、少人数オンラインセミナーのやり方、という話題でした。未だにオンラインでないセミナー開催の案内も来たりしますが、全く行く気がしません。集客できているのかな?と他人事ながら心配になってしまいます。たとえコロナが終息したとしても、セミナーはオンラインで、というのがスタンダードになると予想しています。
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