【これから始める資産形成】NISAとiDeCoの違い使い分けについて徹底解説【早く始めるべき】

この記事は「NISAとiDeCoの使い分けはどのようにしたら良いでしょうか?どちらを始めたら良いのか分かりません」といった疑問に答えます。



NISAもiDeCoもやっていない人が多い

税理士としてお客様の財産を見ることがあるのですが、 NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった投資をやっていない人が意外と多いなと思います。

「投資」そのものにどこか怪しい雰囲気があり、多くの日本人は低リスク低リターンな預貯金しかやっていないのかもしれません。始めたくても手続きが面倒すぎるとか、投資に回す余剰資金そのものがないということもあるかもしれませんが、それでもこれらの制度は使い方によって資産形成のためにメリットがあるものです。そのメリットとデメリットもよく理解して活用されることをお勧めします。





NISAとは

証券会社にNISA口座という特殊な口座を開いてその口座で株や投信の売買をすると、その配当や売却益は非課税にするという制度です。ただし投資金額は年間一定金額(令和3年は120万円)までという制限があり、上限を超えた投資はできません。

どれだけ大きな配当が出ようが、売却益が出ようが税金がかからないので、確かにメリットです。ですが元手が120万円までなので、初心者向けという面があり、これまで一度も投資をしたことが無かった人に投資の世界に入ってきて欲しいという意図があります。



NISAのメリット

NISAのメリットは「配当(分配金)や売却益に税金がかからない」という点に尽きます。無税ほど強い話はありません。

NISAのデメリット

その一方でNISAにはデメリットもあります。例えば次のような点です。

  • 長期保有が出来ないので資産形成には向かない
  • 売却損は損益通算できない
  • 5年終了後に課税対象の特定口座に移すとその時点での株価で購入したものとみなされる

NISAの基本的なデザインは「値上がりしたらお得」ということで、値下がりした場合にどうしようもないという面があります。損切して売却したとしても損益通算できないので、単純に損して終わりです。

またNISA口座で買ったものは5年間しか保有できないので、5年後にどうするか?という問題が起きます。値上がりしていれば売却して無税で投資終了すれば良いのですが、値下がりしていた場合が問題です。

損切したくないからといって、NISA口座から通常の特定口座に移すと、その時点の時価で購入があったものとみなされるルールがあり、その後値上がりしたとしても実際には損しているのに課税されるという場合があります。

どういう事かというと、例えば100円で買った株が5年後に70円まで値下がりしていて、特定口座に移した後に90円に値上がりしたとします。そうすると本当は100円で買ったので10円損しているのに、70円で買ったことになり20円の売却益が出てここに課税されるのです。

まさに踏んだり蹴ったりとなる訳です。もっとも特定口座に移した後で50円まで値下がりすれば、20円の損失が出て損益通算することは可能です。

いずれにしても値下がりに対して脆弱なのがNISAの弱点です。値下がりして5年を迎えたときにどうするか?悩みどころです。

NISAにはロールオーバーという制度があり、5年を迎えたけど継続したいときに手続きすると継続することもできます。ただしロールオーバーをするとその金額分だけ翌年の投資枠が減らされてしまいます。



iDeCoとは

個人型確定拠出年金と言われるもので、毎月一定額を投資して自分で運用し、運用結果が自分の年金になる制度です。少子化高齢化で公的な年金が怪しくなるなか、自分の年金を自分でつくるという自己責任タイプの発想です。

ですが、本来国がやるべきサービスを自分でやるので、その分税金のメリットがモチベーションとして与えられています。一方で手続きが面倒でモチベーションが下がる面がありますが、年金についてはそうも言っていられない深刻な状況ですから、まだやっていなかったという方は取り組んだ方が良いです。

NISAは比較的短期の話で、好き好きで良い感じですが、iDeCoは自分と家族の将来のためにやっておくべきでしょう。



iDeCoのメリット

iDeCoのメリットは何と言っても「払込時も受取時も節税効果がある」ことです。ダブルでお得なのです。さらに当然ですが「将来年金の足しになる」ことです。

購入時には掛金が全額所得控除になります。税率を掛ける前の金額が小さくなり、所得税が少なくなります。

さらに受取時は「年金」として分割してもらうか、「一時金」として一括してもらうか選ぶことができ、それぞれの場合で税金の計算が異なりますが、いずれも優遇されていて税額は少ないかゼロにできます。どちらが良いかは金額とタイミングによるので個人の状況に応じたシミュレーションが必要です。

こう考えると、やらないのはもったいなさすぎるのです。



iDeCoのデメリット

その一方でiDeCoにはデメリットもあります。例えば次のような点です。

  • 投資金額が制限されている
  • 60歳まで現金化できない
  • 個別銘柄に投資できない。基本は投資信託に投資。
  • 手続きが面倒

iDeCoは上述のとおり公的年金の補完という位置づけですから、公的年金が比較的しっかりしているサラリーマンなどは少ない金額しか投資できません。大企業のように企業型確定拠出年金と企業年金の両方があると、月額12,000円までしか掛けることができません。まあ、公平と言えば公平な話かもしれません。

自分の場合にいくらまで掛けることができるか?は場合より異なります。証券会社を通じてiDeCo口座を開設する過程ではっきりするので、いくら掛けるか?はとりあえず手続きを開始してから考えれば良いです。

始まったころは手続きが面倒すぎでしたが、国もSBI証券のような証券会社も簡略化に努力しており、今ではだいぶマシになりました。もし、まだやっていなかったという方は、これはやっておくことをお勧めします。早く始めれば始めるほど良いものです。



以上、NISAとiDeCoの使い分けについて徹底解説、という話題でした。両方とも自分で運用を決めるという意味では自己責任の色が濃くなっており、自分の資産形成については自分で考えるというある意味当たり前の話になっています。少なくとも預貯金のままお金を寝かしておくよりは、余剰資金と考えられる範囲ならやって損はありません。





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