この記事は「エクセルにはピボットという機能があると聞きました。どんな使い方をするものですか?ピボットを使う意味って何ですか?」といった疑問に答えます。
目次
ピボットを使って何ができるのか?
エクセルの「ピボット」とは集計ツールです。シートに蓄積したデータを様々な角度で集計できる機能があります。
このピボットを使うとどんなことができるのか?例を使って説明します。例として以下のようなライフログのデータを使います。
これは私が実際に使っているツールで毎日1時間おきに何をしていたかを記録しているものです。このライフログの使い方については以下の記事に説明しましたのでこちらをご覧いただければと思いますが、毎日の時間の使い方を記録して分析することで自分の時間の使い方を反省して改善するために使っています。
すでにこういったデータが5年間近く蓄積されており、このデータを様々な角度から分析することで自分の毎日の時間の使い方がどのように変化してきたか、さらに改善すべき点は無いかどうか点検することができるようになっています。
この分析に使うツールが「ピボット」です。 今回の例では2018年~2021年の4月のデータだけを抜き取って各年の4月の過ごし方を比較・分析します。
ピボットを使った分析のやり方を具体例で解説
データを揃えたら、メニューから「挿入」>「ピボットテーブル」と進んでOKすると、以下のような別シートが作成されます。
画面右のピボットテーブルのフィールドで例えば「行」と「値」のエリアに「タスク」をドラッグ&ドロップするだけで、それぞれのタスクの件数(時間数)が集計されて表示されます。
ちょっと見ずらいですので、時間数の大きなものから小さなものへ順番に並び替えます。時間数が書いてあるところで右クリックすると「降順」が選べます。
すると、このようにたくさん時間を使った順にタスクが表示されます。
生活(食事、掃除、お風呂など睡眠以外の生活時間)が当然ですが一番多く4年間合計で548時間、以下それぞれのタスクの総計時間がわかります。これだと集計しただけで、各タスクの時間の多い少ないくらいしか読み取れません。
時系列での推移が見たい
各年の増減推移が見たいので、ピボットテーブルの「列」に「年」をドラッグアンドドロップします。すると次のようになります。
これだけ見ても一定のことがわかります。例えば2020年は4月にとある外科手術で入院したため、通院(入院)の時間が多くなりあそびの時間が取れていません。またコロナの影響で2020年から通勤時間が激減したこともわかります。
ピボットテーブルをグラフにする
このように数字だけ見てもいろいろ振り返ることはできますが、視覚的にわかりにくいです。そこでこれをグラフ化していきます。
リボンの「ピボットテーブル分析」 >「ピボットグラフ 」と選んでみます。各タスクの割合を見たいので、「100%積み上げ縦棒」を選びます。
すると、こんな感じで簡単にグラフ化することができます。
すこしごちゃごちゃしていますが、これでどのタスクが相対的に増えたか減ったか視覚的に分析することができます。2020年以降通勤時間が激減しましたが、その分「あそび」「読書」などが増えており、自分としては満足な内容です。
次に仕事の種類に絞って各仕事が相対的に増えたか減ったかみてみます。グラフ中の「タスク」ドロップダウンをクリックすると以下のように各タスクが表示されます。今回は4種類の仕事にチェックを入れて分析対象とします。
すると、グラフが以下のように変化して見やすくなりました。
ですが、仕事2と仕事3の順番が逆になってしまっています。テーブル内のタスク名を右クリックすると以下のように並び替えすることができます。
すると、以下のように見やすいグラフになりました。
2021年は仕事1の割合が減って、仕事2の割合が増えていることがわかります。これは自分なりに意図してきたことなので、計画通り時間を使ていることが確認できます。
ワークライフバランスを分析する
次にライフログの分析ですので、ワークライフバランスが各年でどのように変化したか見てみたいと思います。行を「タスク」から「WLB」に変更します。すると、以下のような表になります。Lがライフ、Wがワークです。
ピボットテーブルも自動連動して変化し、次のようになりました。
これだと意味が分かりません。横軸を各年にして推移を見たいので、グラフエリアを右クリックし「データの選択」を選びます。
以下のようなウィンドウが表示されますので、行/列の入れ替えを選びます。
すると目的に近いグラフになりました。自動で用意されるグラフには値が入っていないので、書式設定からグラフデータを追加し、またグラフの色が濃すぎて値が見えないので、薄い色に変えました。
この結果、ワークライフバランスは年々改善されている(相対的にワークが減って、ライフが増えている)様子が視覚的に確認できます。これも狙ってそうしているということがあり、自分なりに満足ができるものです。
実時間での傾向分析をする
以上は相対的な割合が増えたか減ったかという見方でしたが、実時間としてはどうなのかな?という疑問もあります。そこでグラフの種類を「積み上げ縦棒」に変更します。グラフエリアを右クリックして以下のように種類の変更を選び、積み上げ縦棒に変えます。
すると、表は以下のようになります。縦軸は実時間に変わります。
このように実時間でのワークライフバランスを確認することができました。
スライサーを使う
さらにこのグラフを絞り込んでライフ時間のうち、運動時間ついてだけで推移を見たいという場合には、「スライサー」が便利です。
「ピボットテーブル分析」 > 「スライサーの挿入」 を選ぶと、以下のようなウインドウが出ます。タスクごとに分析したいので、タスクにチェックを入れます。
すると画面左側に各タスクを選ぶ画面が表示されるので、「運動」をクリックします。これだけで右側のグラフが運動時間の推移に変わりました。このようにスライサーはすでにあるデータをさらに絞り込んで見たいというときに使います。
同じように「仕事1」を選ぶと、仕事1の推移グラフに瞬時に変わります。集計しなおしたり、グラフを書き直す必要はありません。めちゃくちゃ便利ですね。
以上、ピボットを使った分析のやり方をライフログの具体例で解説します、という話題でした。ご覧になってわかるように一度ピボットテーブルにしてしまえば、そこからグラフを書いたり多様な分析を行うことができます。しかもそれらが自動で行われ、自分で集計しなおしたりグラフを書き直すという必要はありません。これがピボットを使うメリットです。
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