【エクセル初心者】Excel実務で役立つちょっとした便利機能10選【生産性爆上げ】



この記事は「Excelの初心者なのですが、いろいろ面倒です。実務作業の生産性を改善する方法を教えてください」といった疑問に答えます。

Excel実務で役立つちょっとした便利機能10選

前回の記事に引き続きまして、これまでExcelにあまり触ったことがない方に向けて実務で役立つちょっとした便利機能を紹介します。これらは私が普段から常用しているものです。場合により目的により他にもあると思いますが、まずは入り口としてこちらの10個を覚えましょう。

  1. ドロップダウンリストで入力する
  2. 条件付き書式でセルを色分けする
  3. 合計や件数を一瞬で把握する
  4. データをフィルターする
  5. セルを表(テーブル)にする
  6. データを置換する
  7. 参照でデータを連動する
  8. グラフを作る・セルをグラフっぽくする
  9. 右クリックでシートを一覧表示する
  10. CSV形式で別システムとデータ交換する




ドロップダウンリストで入力する

セルにデータを入力する際に一定のデータを繰り返し入力するという場合があります。例えば以下のように動物の種類を一定の範囲から選んで入れるときはドロップダウンリストから選ぶようにすると速くかつ正確です。

このドロップダウンリストの作り方は以下のとおりです。まずリストを入れる別のシートを作ります(例えばシート名を「設定」とします)。そこに以下のようにリストの内容を作成します。

次にドロップダウンリスト化したいセルを選択して、メニューの「データ」→「データの入力規則」と進み以下のように設定します。「元の値」に入力している文字の意味は「設定」シートのA2からA7の値を表示する、という意味です。「!」マークはシート、「$」はセルの絶対位置、「:」は範囲を示します。ひとまずこのままおまじないとして覚えてしまえば良いです。



条件付き書式でセルを色分けする

数値データを扱う場合、「異常な値」があったらセルの色を変えて目立たせたい、という場合があります。高すぎる経費、少なすぎる売上、多すぎるエラー、などです。こういったこともExcelが自動的にやってくれる機能があります。

例えば以下のようなデータがあり、温度が75度を超えたら異常なのでセルを「赤」くしたいとします。

この場合、まず色を変えたいセル(例えばB2)を選択して、メニューの「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」と進み、以下のように設定します。

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び書式設定欄に「セルB2が75を超えたら」の条件式を入れます。セルの色は書式ボタンを押して塗りつぶしから選択します。

B2セルを下向きにコピーしておけば、同じ条件付き書式がコピーされますので、以降データを入力するたびに式が適用されて自動的に色付けされるようになります。結果、こんな感じになります。



合計や件数を一瞬で把握する

データを整理していると、ある範囲のデータの合計や件数をちょっと調べたい、ということがあります。関数を使う方法もありますが、それほどのことでもないときには以下の方法を使います。

確認したいデータの範囲を選択します。

Excel画面の下部をみると、何もしなくても以下のように表示されています。これでこの範囲の合計や件数、平均値が分かります。

たったこれだけですが、気がついていない方も多い便利機能です。後述のフィルターと組み合わせて使うと、ある条件に該当する(フィルターされた)データの合計や件数を一瞬で把握することができます。





データをフィルターする

フィルターは表の列(カラム)に設定して、ある条件に該当するデータだけを見えるようにする機能です。例えば以下のようなデータがあり、40代の点数だけ見たいとします。

「データ」→「フィルター」 と進むと、1行目のタイトルにドロップダウンが付きます。年齢のドロップダウンから以下のように40代だけにチェックマークを残しOKします。

すると以下の通り40代のデータだけがフィルターされてみることができます。

このようにデータ範囲を選択すると、上述したとおり画面の下部に合計や件数、平均値も表示されて、ぱっと把握することができます。

さらに「性別」でフィルターすれば、男女別に表示することが可能です。フィルターを追加することでデータの絞り込みが可能になるのです。これだけでもちょっとしたデータ分析ができます。



セルを表(テーブル)にする

Excelは「表計算ソフト」ということになっていますが、通常のセルよりもさらに「表」として機能アップさせる方法があります。それが「テーブルとして書式設定」です。

上述のデータ範囲を選択して、メニューの「ホーム」→「テーブルとして書式設定」を選びます。書式のパターンを選ぶと、次のようになります。

これがテーブルになった状態です。先頭行を見出しとして縞模様になり、見やすくなりました。またフィルターも自動的についています。

これだけでも便利ですが、それ以外にも列や行の追加が容易になり(表の下や右にデータを入れると自動でテーブルが拡張されます)、書式の引き継ぎなどができます。また、この記事では触れませんがピボットテーブル化もワンクリックで出来るようになります。

表形式のデータを扱うのであればテーブルとして書式設定しておいて損はありません。





データを置換する

データの中にある特定の文字列だけを別の文字列に置き換えたいという場合があります。例えば「交際費」となっているものをすべて「接待交際費」に変えたい、とか「4月分」とある部分だけを「5月分」に変えたいといった具合です。

このような場合には「置換」機能を使います。置き換えたい文字列が含まれるデータ範囲を選択して「Ctrl+H」を押すと以下のウィンドウが開きますので、「検索する文字列」に元の文字列、「置換後の文字列」に変更後の文字列を入れて「すべて置換」します。

またこの置換機能を応用すると「不要なスペースを取り除く」こともできます。よくセルの中に不要なスペース(空白)が入っていて問題を起こすことがあります。スペースひとつ入っているだけでふたつのセルが違うものと認識されてしまい問題を起こすのです。

なのでExcel初心者のうちから、セル内のデータに不要なスペースを残さないように注意しましょう。TRIMという関数を使うことでも不要なスペースを除去することができますが、置換機能を使ったほうが簡単です。この場合、「検索」に半角または全角のスペース1個、「置換」に何も入れずに「すべて置換」します。



参照でデータを連動する

Excelを使った実務では複数の異なる表(テーブル)のデータを連動させたい、ということがあります。例えば生産予定表にある品目(今日作る予定のお弁当)を販売記録表の品目(今日売れたお弁当)に連動させたい、といった場合です。

まずは参照元として「製造」シートに以下のように表を作成します。

次に「販売」シートのお弁当品目として参照をつかって入力していきます。以下の例ではA2のセルには「=製造!A2」と記入しています。これは「製造」シートのA2セルの内容を参照して入力するという意味になります。

このように表のデータを連動させることで入力の手間を省きミスを減らすことができます。

また、この参照は同じファイル(ブック)内のシートに限らず、別のファイル内のデータであっても参照することができます。例えば、上記で製造予定は「製造予定表.xlsx」という別のファイルにある場合、参照式は以下のようになります。

=[製造予定表.xlsx]製造!A2

つまり、[ファイル(ブック)名]ワークシート名! セル番号 という書式で表現します。さらに「ファイル名」のファイルが別のフォルダーや別の共有ドライブにあってもパスと呼ばれるファイルの場所を表す文字列を入れることで参照することもできます(パスについてはこの記事では割愛します)。

この辺の柔軟さがExcelすごい!という点です。ただし参照を使いすぎると参照元に変更を加えたときに整合性を失うことがありますので、注意が必要です。





グラフを作る・セルをグラフっぽくする

Excelのデータは数字の羅列なのでぱっと見で分かりづらいという問題があります。このため、数字をグラフに表現して見た目だけでざっくり分かるようにすることが大切です。特に実務では顧客や上司など他者に対するプレゼンテーションでは数字だけ見せるのはあまり良くありません。できるだけ「絵」にするようにしましょう。

そんなときに役立つのグラフの自動作成機能です。前述のようにデータをテーブルに書式設定したら、メニューの「挿入」→「おすすめグラフ」と選んでみます。すると以下のようにデータ内容によっていくつかのグラフが自動作成されます。

「すべてのグラフ」を開けばさらに多くのグラフパターンが出てきますので、目的のものを選ぶと良いです。グラフ作成は自由度が高くいくらでも凝ることができます。だれに見せるのか?に応じて自分なりのこだわりのグラフを作ってみると良いでしょう。

また、数字が入った表の中に棒グラフ的な要素をいれて、数字とビジュアルと両方見せる方法があります。以下のようなイメージです。

この赤い部分は「データバー」といいます。数値の大きい小さいを棒グラフっぽく表現しているので、見た目でもわかりやすくなりますし、すこしプロっぽい感じになります。

データバーを入れたいセルの範囲を選択して、メニューの「ホーム」→「条件付き書式」→「データバー」で設定すると、自動で作成されます。



右クリックでシートを一覧表示する

同じファイル(ブック)にシートを次々に追加していく場合があります。例えば、一ヶ月分のデータを1つのシートにするような場合、時間の経過と伴にどんどんシートが増えていきます。

このような運用をした場合で、「過去のデータが見たい」ときにどうしていますでしょうか?画面下部のシートが並ぶところにある左右移動のボタンを押して、目的のシートを探すということをしているかもしれません。

シートが数十もあるとこの横移動が面倒になりますが、簡単にやる方法があります。以下の図の丸印のあたりを「右クリック」すると、シートの選択画面が表示され、そこから目的のシートを選ぶという操作ができるようになります。

私もこの方法を知ってから横移動しなくなり、とても移動が速く楽になりました。



CSV形式で別システムとデータ交換する

CSV形式とは「,」(コンマ)で区切られたデータファイルの形式のことで、あるシステム(アプリ)から別のシステムへデータを渡す際に使われている最も一般的な形式です。

実務では異なるシステム間でデータの受け渡しを行うということがあり、その場合にCSV形式を使ってデータを出し入れします。CSV形式ファイルは普通のテキストファイルですので「メモ帳」などのエディタを使って編集することができます。このため、データを取り込むシステムが必要としている情報をエディタで付加したり編集してから取り込むといったことが簡単にできます。

Excelを使うとこのCSV形式を読み込む(インポートといいます)ことも、書き出す(エクスポートといいます)こともできます。あるシステムからデータをCSV形式でエクスポートして、Excelにインポートし、データ編集したあとさらにCSV形式でエクスポートし、別のシステムにインポートする、といった方法でデータの受け渡しを行います。

Excelへのインポートは以下のように「データ」→「データの取得」→「テキストまたはCSVから」と進み、取り込むファイルを指定します。その後、指示に従って進むとデータをシート上に取り込むことができます。

Excelからのエクスポートは「ファイル」→「エクスポート」→「ファイルの種類の変更」→「CSV」と進み、名前を付けて保存します。

CSV形式を扱うときには、データの中にコンマを入れない(区切り記号と認識されてうまくいかなくなるため)、データから余分なスペースを除去しておく、といったノウハウがあります。何度かつまずくことで身についてくるはずです。





以上、Excel実務で役立つちょっとした便利機能10選、という話題でした。ここで紹介したもの以外にもExcelにはこのような細かいノウハウがいろいろあります。みなさんの実務で「ちょっと面倒だな」と思う作業があったらググってみるとうまい方法が見つかったりしますので、是非探してみてください。



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