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転売屋の問題
チケット転売が問題になって久しいです。人気のある公演のチケットは優先予約などの仕組みを使ってもなかなか電話が通じないとか、ネット販売でも「イープラス」がサイトアクセスの内訳を調べたら9割がボット(自動プログラム)を使った悪質なものでした、というニュースが伝わっています。
イープラス、チケット転売目的の悪質なボットを撃退
(CNET Japan 2018年8月23日)
これらは「転売屋」と呼ばれる人たちの仕業なのですが、おかげで普通に公演を楽しみたい人が買えない、または高値で転売屋から買う、という事態になっています。本当に困ったものです。
入札制によるチケット販売
それで思うのですが、今のシステムであれば、「入札制」が導入できるのではないでしょうか?公演会場の座席表が示されて、好きな席をクリックしていくらでその席を買いたいか、金額を入札します。入札期間が1週間など一定期間設けられて、その間にもっとも高値で入札した人が落札、となります。落札後例えば1週間以内に決済が終わらなければ、キャンセルとなり、再び入札を受け付けます。こうして公演開始の直前まで入札のサイクルを回すのです。
落札したチケットはスマホアプリに落として、入場時にQRコードなどで示すか、予約番号を控えてもらい公演日に会場窓口で紙に印刷・発券します。
この方法であれば、自分にとってリーズナブルな価格で、自分が見たい公演を自分が選んだ席で見ることができます。良い席は高値が付くでしょうが、自分で納得して入札した値段ですし、なにより利益は転売屋ではなく、公演を行なっている事業者やアーティストへ回るはずです。
また、転売がそもそも出来ないので、転売屋による値段の吊り上げも起きにくく、市場の原理で適切な座席の値段に落ち着くはずです。売れ残りの席があれば、最低落札価格を徐々に下げたりして、客席を埋めることもできるでしょう。
なぜこれをやらないのかな?というのが以前から疑問でした。ネットを使えない人がチケットをとれない、という批判があるかと思いますが、申し訳ありませんが、もうそういう時代ではないかと思います。お年寄りなど自分では出来ない場合でも、だれか周りの人に助けてもらって出来るでしょう。
現在の値決めルールでは、例えば「S席」「A席」のような形で値段が決まっていますが、その範囲が広すぎて不公平という問題もあります。同じ「S席」でも、席によってかなり見え方が違うので、それが全て同じ値段はおかしいです。先日ウィーンの「楽友会館」ホールのコンサートのチケットを予約しましたが、席によってかなり細かく値段設定が分かれており、非常に理にかなっていると思いました。
「小ロット化」と「変動価格制」
今後のビジネストレンドとして、このようなシステムを使った「小ロット化」、「変動価格制」が主流になっていくと考えられます。常に全てが同じ値段ではなく、細かく分けてそれぞれに別の値段を付けるのです。
例えば、コンビニの弁当は製造から徐々に劣化しますから、徐々に値段を下げます。弁当についているQRコードをアプリでスキャンすると今の値段が分かるようにします。同じ値段のまま賞味期限が来て廃棄するのでなく、時間とともに1つ1つの弁当の価格を変動させて、売り切りることを目指します。衣料品など季節品も時期によって細かく変動させれば良いです。ブランドイメージを毀損することなく、売れ残りを少なくできるでしょう。
モノの販売だけでなく、サービスについても「小ロット化」と「変動価格制」が応用できるます。例えば、電車に乗る際に改札でSuicaやPasmoなどをスキャンしますが、時間帯によって運賃を変動させることができるでしょう。昼間など一定の時間帯は運賃を下げることで、客を分散させラッシュ時の混雑を緩和することができます。すでにETCなどでは時間帯による割引がありますが、同じ考え方です。
このようにシステムを使った「小ロット化」と「変動価格制」はいろいろな分野でメリットが大きいので、誰かやって欲しいと思う次第です。以上、少ロット化と変動価格制で様々な問題が解決できそう、という話題でした。
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