書籍「RPA 革命の衝撃」を読んで考えたこと

RPA 導入の有り様について考えてみた

RPA 革命の衝撃

ここのところを集中的にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に関する本を読んだりセミナーに参加したいしています。

ロボティック・プロセス・オートメーションとは現在のところは主にデスクトップの自動化であり、複数のアプリケーションにまたぐ繰り返し動作を自動的に行うことを意図しているようです。複数のアプリケーションの自動化とは、例えば Excel 、Salesforce.comやERP のシステムなど、デスクトップ上で動いている全く連動性のないアプリケーションをつなげてデータを渡したり取り出したりするイメージです。Excelに整理されたデータを繰り返し他のシステムに入力していくような作業を自動化します。

ですが、こちらの「 RPA 革命の衝撃」(大角 暢之、 佐々木 俊尚著)という本によるとそれは単にクラス1という第一段階にすぎないということです。


第二段階ではコグニティブ RPA と言うAI を使った自動認識を活用して判断の要素が入ってくることになります。そして、第三段階ではロボットがある程度自律的に学習してオートメーションを構築していくような、若干 SF のような世界となっています。RPAがもたらす世界観の全体像の勉強するために非常に参考となった本です。

 

業務自動化の展示会にて

先日東京ビッグサイトで行われた業務自動化展で見たのですが、クラス1の段階は当然各社出しています。中にはクラス2の製品群も目立ちました。例えば E メールを受信して中の文章内容によって担当者にルーティングしたり、またはアプリケーションに自動入力したり、そういった実装が既にされているようです。あるいは FAX を OCR で読み取りそこからアプリケーションにデータを入力したりといったような仕事を自動的にするものもありました。

確かにクラス2のレベルまで出来るようになると、「革命」という言葉が違和感がなくなるような気がします。欧米ではクレジットカードの作成に関する承認申請の業務をこれで全て自動化して人を不要にしたり、といったようなことが行われているそうです。こなりますと確かにAI が人の仕事を奪うと言う心配がかなり現実のものとなります。

しかし、それ以前の問題として、日本の場合は業務そのものをまず改善して整理しておかなければ、RPA を入れる意味があまりないような場合もあります。例えば、FAX から OCR で読み取ってデータ入力を自動化すると言いますが、そもそも FAX を使うのやめる方が先だと思います。そしてオンラインデータの接続性を良くすれば、RPA など介在させなくても自動化が可能となります。

 

誰がRPAを導入するのか?

RPA に関するもう一つ別の課題としては、これをどうやってビジネスの現場に導入していくのだろうか、ということがあります。一般に、現在クラス1で使われているようなRPA のソフトというのは基本的に非常にライセンス料金が安いと思います。あるソフトの例で言うと1ユーザーであれば月額10万円などの比較的安い料金設定になっています。買い切りのソフトであってもそれほど高くないものがあります。

しかしこれを買ったとしても導入に至るには一定のエンジニアリングが必要となります。また、システムのことと業務のことと両方の知識を持った人材が必要となります。そうでなければ結局 RPA を使ったお膳立てということができません。

SI などのシステム系のコンサルティングを行う場合、定額固定料金ではだけではインテグレーションのところをサポートできずコスト割れになってしまうと思います。かといって料金を上げると競合に負けてしまうというジレンマがあります。

このジレンマについて「 RPA 革命の衝撃」の中では例として次のように紹介しているところがあります。

<以下引用>

将来的に RPA 技術がこなれて技術者も増えれば中小企業や零細企業でも簡単な作業はロボットに任せ社員はより付加価値の高い作業にシフトする流れを作り出すことができる。そして RPA の提供チャンネルが末端まで広がるがロボット技術者を雇い入れた税理士や会計士がRPA の提供チャンネルを始めるかもしれない。(中略)企業の経理業務を担っている彼らは RPA 導入のアドバイス役として適任である。実際日本 RPA 協会には税理士事務所からの問い合わせがあった。

 

この税理士が RPA サービスの提供チャンネルになるかもしれないという部分が非常に興味深いです。私もおそらくそのような状態になると考えます。

なぜなら RPA を使う状況において、顧客の業務特に会計処理を税理士は熟知していますので、自動化の提案をすることが比較的容易であると思います。税理士の顧客であるお客様側では、多くの場合はそのような ITリテラシーを持ち合わせていませんので、税理士が自動化の提案を行って導入のお膳立てをすることは非常に有効です。

そう考えると 、元エンジニアでITスキルと会計処理が分かる自分としては、RPA の提供サービスをメニューの一つに加える、ということを検討する必要があるなと思っている次第です。まあ、簡単ではありませんが、ひとつの方向性ではあります。

以上 RPA 革命の衝撃を呼んで考えたことについてまとめてみました。

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最近のキーワードRPAについて考えたこと

最近 RPA と言うキーワードをよく聞くになりました。RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略で、色々な作業をロボットを使って自動化しましょうということです。

それで、いったいこれはどういうものなのだろうか?と思いまして、とある会社が主催したRPA関係のセミナーに行ってきました。そちらで考えたことを少し書いてみたいと思います。

(セミナー会場の恵比寿ガーデンプレイスにて)

RPAとはどんなものか?

セミナー会場は超満員でこの RPAに対する関心の高さが感じられたわけですが、内容的には正直言ってそれほど目新しさを感じませんでした。

要するに RPAというのは、「デスクトップの自動化」という感じで、簡単に言うとExcel マクロを使った自動処理のような小さな作業の定形繰り返しをサポートするものだということです。

これ自体はかなり以前からあった考え方ですが、ちょっと新しいのは色々なアプリケーションをまたいで自動化するためのプラットフォーム・システムを「ロボット」と称しているということです。

なので別にペッパー君のようなロボットが会社の席に座って事務処理をするとか、そういうことではなくて事前にプログラムした定形繰り返し処理をプラットフォームを使ってやりましょうという感じです。

これだけであれば、以前記事に書いたようなUWSC を使ったWindows の自動化というのはずいぶん前からあった話ですし、私も含めてすでに活用している人もたくさんいるかと思います。UnixのShellスクリプトとか基本的な発想は全部同じですね。

UWSCというWindows自動化ツールが超便利だった

特徴としては、すでにあるWindows自動化に AI であるとか画像処理とか割と新しい技術を組み合わせていることです。これらがトータルでRPA と言う概念を作っているようです。




RPAで具体的にできること

具体的にどんなことができるのかと言うと次のようなものです。

  • コールセンターのような窓口業務 → チャットボットが対応
  • 伝票入力 → OCR が読み取ってアプリケーションへ入力
  • 大量のインバウンドメール → メールの文章をスキャンして内容を判断した上で適切な担当者へ転送
  • 各種レポーティング → 自動作成と配信
  • システム開発におけるテスト → 自動実施と結果のレポート

 

なぜRPAブームなのか

なぜRPAが流行っているのかといえば、ERP(Enterprise Resource Planning)とかSFA(Salesforce Automation)とか全社規模の大きなシステムを入れても、結局のところ生産性が上がることはなく、むしろ現場レベルでは低くなっているという現実があります。

システム屋さんの売り文句に乗ってERPとかSFAとか入れてみたのだが、どうもいまひとつ、と思っている人は多いです。そういう人たちが、今度も「働き方改革の切り札!」とかシステム屋さんの売り文句に乗ってRPAの導入を検討している、という感じがしてなりません。永遠にカモられている感じ。。。

もっと大事なことは、なぜ定型的な繰り返し作業があるのか、そちらを無くすことでしょう。FAXからデータを読み取ってアプリケーションに自動入力させる前に、FAXを無くすことを考えたほうが良いと考える次第です。

ちなみにこちらの本は会場でも手売りしていました。結構売れているのでしょう。RPAについて知りたいという方には良いと思います。


以上、最近のキーワードRPAについて考えたこと、という話題でした。




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UWSCというWindows自動化ツールが超便利だった



普段プロジェクトマネージャーなどやっていますと、時として単純作業をやるはめになります。今回も業務システムの更新があったのですが、データを古いシステムから新しいシステムに移す必要がありました。

データ・マイグレーション

この作業はデータ・マイグレーションと呼ばれて、普通は自動化を考えます。データベースからデータベースへ直接入れることも考えられますが、現実的にはいったん対象のデータをExcelなどに落として、加工修正やごみデータのクリーンアップを加えて、整理したうえでExcelからターゲットのデータベースにローディングするということになります。

データ量が少なければユーザーが自分でアップロードすることもありますが、ローダーといわれるツールを使ってIT部門が一括してデータを取り込むのが普通のやり方かと思います。

ところが・・・予算の都合とか、データ量とか、いろいろな都合で、「手で入れて」という話になることも現実には多いです。つまり古いシステムにデータを表示して、それをコピペで新しいシステムへ1件1件手入力で入れていく、ということです。




データ・マイグレーションはうまくいかない

実際のところ、データ・マイグレーションを自動的に行ってもうまく行かないという経験をなんどもしています。データにゴミが混じっていたり、マイグレーションの設計ミスとか、いろいろ理由はありますが、100%きれいにデータが移って満足したためしはありません。

そうなると、やはり頼るべきは人手・人力です。工数がかかって無駄のような気がしますが、マイグレーションエラーの後処理を考えると結局コストが安いかもしれません。むろん件数・内容にもよりますが。

そんなわけで、今回は自分もこの人力入力に参加することに。数千件のデータのコピペですが、単純なコピペではなく、若干の条件分岐もあり、面倒なことこの上ないのです。非常に疲れますし、虚無感に襲われまくります。

こんなの自動化できないのかなーと思い、調べてみたこところ、ありました。UWSCというフリーのツールが。

Windowsの動作自動化ツールUWSC

こちらのツールを使うと、定型的なWindowsの動作を自動化することができます。

UWSCを使った具体例についてはこちらの記事を参照しました。

UWSCでパソコン自動化!単純作業で消耗しない仕事術

こちらの記事にあるとおり、自動化といっても難しいプログラミングは必要ありません。基本的に定型動作を記憶させて、それを再生することができるのです。




UWSCでどんな作業ができるか

自分の場合でいうと、Excel画面に切り替える→あるセルのデータをコピーする→ツール画面に切り替える→ある項目にデータをペーストする→またExcel画面に切り替える→その隣のセルのデータをコピーする→ツール画面に切り替える→1つ下の項目にデータをペーストする、以上を7-8項目について行って、最後にツール画面の保存ボタンを押して1回転終了、という感じです。

これを自動化してPCに繰り返し作業してもらうことで、退屈な手作業から開放されます。また作業ミスが激減します。人間が同じ作業を繰り返すと、どうしても集中力が切れてミスしがちです。自動化だとその心配がありません。

UWSCを使う上でのコツ

ただ、これをやるにはいろいろとコツがあることが分かりました。

  • マウスの動きやキーボードの打鍵を記憶してそのとおり動くだけ、なので、マウスポインターの位置がずれたりするとうまく動作しない。ターゲットとなるデータやツール項目の位置が同じ場所にあるように工夫する必要があります。このため、例えばExcelのカラムサイズを変えたりするととたんに位置がずれてしまい、また記憶からやり直しになります。
  • 早く操作しすぎると記憶されないことがある。マウスの動きやキーボードの打鍵が全部キャプチャーできないことがありますので、なるべくゆっくり操作して記憶させましょう。
  • ゆっくり操作する分作業が遅い。人間が手作業でやったほうがスピードは速いです。このあたりは作業量・件数と作業者の品質のバランスでしょうか。
  • 自分の環境のせいかもしれませんが、キーボードの打鍵に弱い。マウスの動きやクリックのほうが確実にキャプチャーされるようでしたので、なるべくキーボードを使わないようにしていました。データのコピーなど日ごろはCtrl+Cですが、マウス右クリックからコピーするようにしたほうが確実です。
  • 記憶させる際には一連の動作をある程度の固まりに分けて、別々に再生するようにしたほうが良い。一連の動作をひとつのキャプチャーにしてしまうと、どこか1箇所でも変更があると最初から全部記憶しなおしになってつらいです。そういう被害を少なくするために、固まりに分けてキャプチャーするようにしましょう。

こんな感じで試行錯誤のなかから、自分なりのやり方を見つけてください。私の場合はこのツールを使ったおかげで、1台のパソコンに自動化作業をやらせつつ、別のパソコンで同時に別の仕事ができて、とても生産性高く仕事することができました。お試しあれ!



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