【不動産】積水ハウスやアパホテルの事件で騒がれた地面師に騙されないための備忘メモ

売地

最近こちらの書籍「地面師」を読みまして、心が震えました。自分も騙されないように注意事項を備忘メモとして残したいと思います。



興味深い地面師事件

地面師は立派な詐欺で犯罪ですし、被害者の方もいるので軽はずみには言えませんが、地面師事件はドラマ性が強く映画化したらヒットするなと感じます。すでにそういうプランがあるかもしれません。

何が興味深いかというと、地面師グループは大人数で役割が分かれたプロジェクトチームのような運用になっている点です。全体を計画してマネジメントする人、なりすまし役を調達してくる人、印鑑証明やパスポートのような証明書類を偽造する人、そして犯罪に手を貸す司法書士や弁護士の存在、など大掛かりなスキームで構成されています。また、取引の関係者を幾重にも重ねて、どこまでが被害者でどこまでが加害者かわからなくする仕組み、などかなり賢くないとできない感じです。

結果として、素人だけでなくプロでも騙されてしまうのです。積水ハウスやアパホテルなどプロ中のプロですから、とんでもない話です。



騙しのパターン

ですが、宅建士の端くれとして、地面師に騙されないためのポイントを整理して備忘として記録しておきます。

こちらの本を読む限り、地面師の騙しにはいくつかのパターンがあるようです。

騙しのパターン1:売主に成りすます

騙しのパターン2:買主に成りすます

騙しのパターン3:中間業者に成りすます



騙しのパターン1:売主に成りすます

「売主」として成りすまし役を立てて他人の土地を売る、というのが最も典型的なパターンのようです。まず土地を売りたい人がいるといって、不動産業者に話が来ます。不動産業者が買い手を見つけて、売買が成立し代金を払ったものの、所有権移転登記しようとしたら、登記できずお金はどこかに消えてしまった、とか所有権移転登記したあとで真の所有者が出てくるとか、のパターンです。積水ハウスの事件はこれに該当します。

この際偽の売主は権利書や本人確認書類(印鑑証明など)を出してきますが、偽造されており、買主やその司法書士がチェックしても見抜けない、ということのようです。もともと印鑑証明などは事前に役所で「実印を無くした」といってハンコから変えてしまえば、ある意味本物の印鑑証明が出てくるので、最初からあまり信用できません。

この対策としては、売主の本人確認を厳重にやるしかないでしょう。登記簿の確認はもちろん、売主のパスポートや運転免許証など、写真付きの資料のコピーを早い段階で取得して、その土地の隣り近所で聞き込みをするとか、本当に土地の持ち主なのか確認します。この際、売買の話を持ってきた仲介者と同行で行ったりしてはダメです。隣り近所の人まで成りすまし役を配置するそうなので。

そもそも偽の売主とバレないように、面会を拒んだり、遅らせたりするでしょうから、そういう流れになった時点で疑いを持って、早めに取引から撤退することも必要です。



騙しのパターン2:買主に成りすます

買主に成りすますパターンでは、騙されるのは銀行です。架空の売買案件を作って、住宅ローンを実行させてドロンする、ということになります。あまり不動産業者の立場で被害者になるシナリオではありませんが、後述する中間業者として取引の一部に巻き込まれ、気が付いたら加害者になっていた、という可能性があります。



騙しのパターン3:中間業者に成りすます

このパターンでは売主も買主も本物です。地面師グループは中間業者として売主と買主の間に介在し、売買代金を横取りします。中間業者は通常複数で、短期間のうちに何度も所有権移転登記が行われる特徴があります。中間業者が売買と決済を繰り返すうちに、お金が消えます。買主は決済金を騙しとられて土地を手に入れることはできません。

この場合、売主は本物ですので、本人確認とかそういう問題ではありません。したがって、パターン1と違っていくら念入りに売主を調べてもボロが出ません。商談の途中や決済の当日に突然聞いたことが無い第三者の業者が出て来て、間に入って来ます。この中間業者は1つとは限らず、複数となることが多く、かつ中には何も知らない不動産業者が含まれる場合があり、どこから先が詐欺なのか分かりにくいのが特徴です。このようなややこしい話になったら、一旦取引を見送って請求に決済しないことが重要でしょう。

複数の業者を入れることによって、詐欺が発覚後に警察の捜査を撹乱し、逃げる時間を稼ぐことができるという訳です。



地面師事件はまだまだ続きそう

詐欺で有罪になると執行猶予は付かないので、刑務所に収監されますが、5-6年で刑期を終えて出てくると、また活動再開ということが多いそうです。また、グループで活動して役割も細分化されているため、逮捕されても事件への関与が低ければ起訴されずに(できずに)釈放というパターンも多いということです。今後独居である地主の高齢化が進めば、地面師のターゲットになる物件が多く出てきそうです。気を付ける必要がありますね。

以上、積水ハウスやアパホテルの事件で騒がれた地面師に騙されないための備忘メモ、という話題でした。



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